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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 予防接種
食物アレルギー0歳11ヵ月
寄せられたご相談
アレルギー検査の結果、卵アレルギーの反応がありました。インフルエンザの予防接種はしても大丈夫でしょうか。
11ヵ月の男の子ですが、アレルギー検査の結果、卵アレルギーの反応がありました。その数値は採血にて6.46値、結果判定は+3とのことでした。
インフルエンザの予防接種はしても大丈夫でしょうか。
先生からのアドバイス
大矢 幸弘 先生
卵アレルギーのあるお子さんでも、接種可能な場合がほとんどです。
卵アレルギーのかたのほとんどは問題なく接種できます。
インフルエンザのワクチンは製造過程で鶏卵を使うため、ごくわずかの卵成分がワクチン内に残って、それによるアレルギー反応を起こす可能性があるわけです。
しかし最近は非常に高度な精製技術で生産されるため実際にはほとんど残っていないと言われています。
厚生労働省のホームページから、インフルエンザ予防接種ガイドラインをご覧になることができますが、そこには、「卵アレルギーが明確な者(食べるとひどいじんましんや発疹(ほっしん)が出たり、口腔(こうくう)内がしびれる者)に対しては接種を避ける」「卵などでアナフィラキシーショックを起こした既往歴のある者にも、接種を行わない」との記載があります。
ですから血液検査で卵アレルギーの反応が陽性に出ているだけの人(今の子どもたちはかなりの割合で陽性です)は基本的にインフルエンザの予防接種は可能です。私が勤務している施設を含めアレルギー専門医がいる病院では、明らかな卵アレルギーのあるお子さんにはワクチンの皮膚テストなどを行って、局所にひどい反応が生じないことを確認してからインフルエンザワクチンの接種をしていますが、実際にはほとんどの卵アレルギーのお子さんにインフルエンザの予防接種を行うことができています。