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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 予防接種
三種混合の予防接種をしていないのですが、必ず受けた方がいいのでしょうか?
もうすぐ1歳になる女の子ですが、まだ三種混合の予防注射をしていません。障害が出たら困ると主人が反対しているのですが、必ず受けた方がいいのでしょうか? BCG、ポリオは集団接種なので受けています。
特に主治医から止められているのでなければ、お受けになることをおすすめします。
三種混合ワクチンというのは、百日咳(ひゃくにちぜき)、ジフテリア、破傷風の3種類のことです。
百日咳というのは、百日咳菌によって起こる病気で、乳幼児が感染すると高い熱が出て長い間激しいせきが続き、ひどくなると呼吸の状態も悪くなります。ときに脳症という状態になることもあります。昔に比べて少なくなっていますが、なくなっているわけではありません(註:最近、百日咳が増えてきているといわれています)。
ジフテリアも感染すると、特に喉頭(こうとう)部の浮腫(ふしゅ)が強くなり呼吸障害を起こす重篤な病気です。
破傷風は感染すると、高熱と全身の筋肉が硬直する死亡率の高い病気です。汚れた土の所などでの傷から感染することがあります。
昔はこれらの病気にたくさんのお子さんが感染し亡くなっていましたが、最近は衛生状態の改善、薬の発達、ワクチンの普及によって少なくなっています。しかし、現在でもとくに百日咳や破傷風の感染はあります。
特別の病気やアレルギーがあって主治医から止められているのでなければ、ワクチンを受けることをおすすめします。
副作用は、昔の百日咳ワクチンは熱が出ることがありましたが、最近は改良されて熱が出ることはほとんどありません。三種混合ワクチンのあとに、注射部位の発赤(赤くなる)、腫脹(はれ)、硬結(しこり)が見られることがあります。初回注射で20〜30%程度に見られると言われています。直径5cmを超えるものは10%程度です。特に心配はありません。過敏な場合にまれに上腕が広範囲にはれる場合もありますが、いずれにしても次第に消失していきます。
なお、平成24年11月から、この三種に加えて、ポリオの不活化ワクチンを一緒にした四種混合ワクチンが認可され、接種方法がかわりましたので、保健センターや主治医に確認してください。(2016年7月から三種混合ワクチンは製造されなくなりました)