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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - その他のアレルギー
アレルギー性鼻炎の原因を血液検査などで調べることができるのは、何歳くらいからでしょうか?
アレルギー性鼻炎ですが、原因を知りたいと思います。血液検査などで抗体を調べることができるのは、何歳ぐらいからなのでしょうか。アレルギー性鼻炎から中耳炎になったのですが、やはりくせになるのでしょうか。
血液検査でアレルギーの原因物質を調べることは可能ですが、検査の時期は必ずしも急ぐ必要はないと考えます。
アレルギーの原因物質を調べる意味は、その物質を確定することにより、さまざまな日常生活上の工夫を行って原因物質と接触する機会を減らし、結果としてアレルギー症状を抑えることにあると考えられます。
アレルギー性鼻炎の原因を調べる検査方法としては、血液検査以外にも、ごく少量の原因物質を皮内に注射して反応を見る方法(皮内反応)や、原因物質を直接鼻に吸い込んで反応を見る方法(誘発試験)などがありますが、血液検査が一番簡便で安全な方法と考えられます。体の中に抗体ができているならば、理論的には1歳未満の乳児であっても血液検査で抗体の存在を確認することが可能です。
乳幼児の鼻の空間はもともと非常に狭く、そこにアレルギーを含む何らかの原因による炎症などが加われば、鼻粘膜がはれたり、鼻水などで空気の通り道が狭くなることが考えられます。しかし、通常、乳児の鼻水、鼻詰まりの原因としては、風邪などが原因で起こる急性鼻炎がほとんどと考えられますので、6ヵ月のお子さんが本当にアレルギー性鼻炎であるのか、もう少し慎重に検討されてもよいのではないかと考えます。
また、検討の結果やはりアレルギー性鼻炎が最も疑われるとしても、乳児期のアレルギー性鼻炎の原因の多くはハウスダストとダニが占めていますので、原因検索の検査を必ずしも急ぐ必要はないでしょう。現段階では対症的な治療に併行してハウスダストとダニ防御の対策を行い、それでも症状が治まらないようであれば、その時点で改めて検査の必要性を判断してもよいのではないでしょうか。
急性中耳炎は、鼻にある細菌が鼻の奥と鼓膜の内側の中耳腔(ちゅうじくう)をつなぐ「耳管」を通って中耳に侵入して中耳腔で増殖することで発症しますので、細菌感染とは無関係のアレルギー性鼻炎が中耳炎の直接的な原因となることはないと考えられます。
しかし、アレルギー性鼻炎によって、鼻の空気の流れや鼻汁の流れが妨げられて、そこに細菌が感染しやすくなり、間接的に急性中耳炎を起こすきっかけになることはあるでしょう。また滲出(しんしゅつ)性中耳炎は、アレルギー性鼻炎による鼻粘膜のはれが耳管に及び、空気の通り道を妨げることでかかることがありますし、中耳粘膜のアレルギー反応も何らかの影響を及ぼすことは考えられます。