-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - その他のアレルギー
アレルギー検査でスギ花粉が陽性でした。成長するにつれ、よくなっていくのでしょうか。
アレルギーの検査をしたら、IgEの値が高くスギ花粉が陽性でした。今後成長するにつれ、値はよくなっていくのでしょうか?
残念ながら、スギの花粉の飛ばない地域に引っ越さない限り、成長しても値が下がることはほとんど期待できないものと思われます。
IgEとは、異物が体に入ってくると拒否反応を起こす抗体のひとつです。
血液検査や皮膚テストで、スギ花粉の特異的IgE抗体の値が陽性になる人の割合は年齢が上がるほど高くなります。現在の日本で、同じ所に住んでいるかたが、成長するにつれて改善していくことは期待できません。
70歳以上の花粉症患者のかたは少ないのですが、50代以下はかなり多いです。
これは50歳代から下の年代の人はアレルギー体質の人が多いからです。
ちなみに現在の日本の子どもたちの70%以上がアレルギー体質と考えられますが、アレルギー体質だからといって必ずしも全員がアレルギー疾患になるわけではありません。
そして、小学生は2割くらい、30歳代・40歳代の大人は4割近く、軽症のかたも含めると花粉症です。
毎年スギ花粉をあびたり吸い込んでいると、アレルギー体質の人は年齢とともに体の中で抗体が増えていきますので、年齢が上がるにつれて花粉症を発症する人の割合も増えていくというのが実情です。
ディーゼル車の排気ガスなどの大気汚染が、スギのアレルギーの発症に影響したり、食生活や生活環境の変化によってアレルギー体質へなりやすくなっているなど、多くの文明国が花粉症(スギのない国や地域ではスギ以外の花粉症があります)に悩んでいます。