猫に対して父親に一種のアレルギー症状が出ますが、子どもにも将来アレルギーの出る可能性はあるのでしょうか。

親きょうだいの誰かにアレルギー疾患の人がいる場合には、その子どもはアレルギー疾患を発症しやすいと言われています。
生まれつきペットアレルギーの人はいませんが、猫から出る抗原（アレルギーを起こす原因となる物質：毛やフケなどに含まれています）を呼吸や皮膚などを通して吸収していると、そのうち症状が出るようになってきます。
欧米の研究では、家族にアレルギー疾患のかたがいない家系の場合は、赤ちゃんのときから犬や猫を飼っている方がアレルギー症状が出にくいという報告もありますが、日本では逆の報告もあります。

猫の入らない部屋づくりをしても、猫から出る抗原は飼っている人の毛や皮膚そして衣服についていますし、家具などにも付着し空中にも長時間浮遊していますので、完全に除去することは困難です。
欧米では田舎で赤ちゃんのときから家畜と一緒に育てられたり大量のペットを飼っている場合には、ペットのアレルギーになりにくかったという報告はあるので、ある条件下で猫を飼った場合には猫アレルギーを阻止できるのかもしれませんが、残念ながら現時点では、そのメカニズムは解明されておらず予防策も見つかっていません。

また一般論で申し上げると、日本の都市部に暮らしているお子さんが猫を飼っている家をときどき訪問しているうちに、猫の抗原に影響を受けて猫アレルギーになってしまった、という例は少なくありません。