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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - その他のアレルギー
血液検査でIgA値が低いと言われました。年齢とともに増加するものでしょうか。
1歳3ヵ月になる女の子です。私がぜんそくだったので1歳2ヵ月近くまで卵をあげていませんでした。
麻疹(ましん)接種の際にワクチンを10倍に薄めたもので検査したところ、赤くはれたので卵を与えてみることを小児科の先生にすすめられ実行。
結果は特に変化がなかったので接種できるかと思ったのですが、今度は血液検査をすすめられました。結果は食物アレルギーはなしということでしたが、IgA数値が低いとのことでアレルギーを抑える薬を処方されています。
26mg/dlという数値はそんなに低いのでしょうか? 年齢とともに増加するとは言われましたが気になっています。
食物アレルギーもなく、IgA値も正常範囲内ですから、現時点では治療の必要はないと思われます。
IgAは血液中などにあり、微生物が侵入するのを防ぐ働きをする抗体です。食物アレルギーとの関連が指摘されており、低いと食物アレルギーを合併している場合が多いようです。
ですから、主治医の先生はアレルギーを抑える薬を処方されたのかもしれませんね。
年齢とともに増加するというのはその通りで、逆の言い方をすれば乳幼児期にはIgAの量を表すIgA値は低いことが普通なのです。26mg/dlという値は大人の正常値と比べると低いですが、1歳3ヵ月の年齢なら正常範囲内の値ですので心配はいりません。
ちなみに、血清のIgA値が5mg/dl未満の場合、低IgA血症という原発性免疫不全症候群(病原体の排除を行う免疫系のどこかに欠陥のある病気の総称)に分類される病気があり、アレルギー疾患の合併が多いと言われています。
IgAと同様、IgGやIgMなど抗体にはさまざまな種類があり、それらの値は正常なのに、IgAだけが低い病気が低IgA血症です。
アレルギー疾患を合併していると血清IgE値という値が高くなることも多く、食物特異的IgE抗体値が高い場合は食物アレルギーを合併していることもあります。
しかし、ご相談のお子さんは食べても平気で血液検査でも食物アレルギーはなかったということですし、IgAの値も正常範囲内ですから、現時点では治療の必要はないと思われます。