-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 手・足・つめに関すること
右足の裏にほくろがありますが、足の裏のほくろはあまりよくないと聞いたことがありますが、問題ないものでしょうか?
生まれたときから右足の裏にほくろ(黒あざ)があります。小さく、平らなものですが、足の裏のほくろはあまりよくないと聞いたことがあります。
特に問題ないものなのでしょうか?
生まれつきの黒あざは、直径5cm以上の大きいものは、将来悪性化する心配が少しあります。それ以外の小さいものでは、ほとんど心配ありません。そのままにしておいていいでしょう。
正確には「ほくろ」と呼ぶのは生後6ヵ月以降にできる小さな黒い点状の斑(はん)のことで、生まれつきある黒いあざは、「先天性色素性母斑」と言います。
先天性色素性母斑で、生まれたときから直径5cm以上もある大きいものの場合は、将来大人になってから悪性化し、メラノーマ(悪性黒色腫:こくしょくしゅ)が発生する可能性があると言われています。
実際には、1%以下の確率ですが、巨大な先天性色素性母斑からメラノーマが発生したという症例があります。ですから、大きな先天性色素性母斑がある場合は、部位にかかわらずできるだけ大人になるまでに、切除することが望ましいと思います。
乳幼児のうちに急いで取らなくても、小学生以上で、できれば局所麻酔で手術する方が負担が少ないと思います。
よく、足の裏にほくろができたと心配されるかたが多くいます。これは、日本人のメラノーマは足の裏から発生するものが最も多いためかと思います。
しかし、実際には足の裏にできたほくろが、すべてメラノーマになるわけではないのです。大人になって、今までほくろも何もなかったところに黒い斑ができ、そのかたちがいびつであったり、不自然な黒さだったり、何より急激に大きくなったり、盛り上がったり、出血したりする徴候があればメラノーマを強く疑います。
もうひとつ足の裏のほくろが心配される理由は、足の裏は毎日毎日歩いたり運動する度に体重がかかり、刺激されているために、何年もたてば悪性化するのではないかと想像される点です。同じ足の裏と言っても、かかとやつま先の方と、土踏まずでは刺激のされ方が全然違います。かかとやつま先にある場合はいつも体重がかかるので何十年も刺激され続けて少し心配と言えるかもしれませんが、必ずしもメラノーマが発生するわけではありません。
足の裏以外にも、手のひらや指、唇、口の中などにほくろがあるといって心配される人がいますが、あくまで大きさが問題で、小さいものはまったく気にする必要はありません。もし、美容的に気になる部位であれば、将来局所麻酔で7歳以降の切除できる年齢になったら取ればよいと思います。
足の裏については、かかとやつま先で体重がかかり続けるため、心配と思われる場合は、いずれ手術して取っておくのもいいでしょう。ただしレーザー治療は、細胞レベルではすべて取りきれず、残ってしまう恐れがあるためおすすめできません。
一度皮膚科を受診してご相談なさるとよいでしょう。