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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 手・足・つめに関すること
手のつめの先端の下(皮膚)から小さなとげのようなつめが生えています。
手のつめの先端の下(皮膚)から小さなとげのようなつめが生えています。異所性つめというもののようですが、いつごろどのような処置が必要になりますか?
7歳以降に、局所麻酔で切除手術をするとよいでしょう。
生まれつきのつめの形成異常には、いろいろな種類があります。
つめの形成不全でまったくつめができなかったり、両端の部分に小さなとげのようなつめだけ生えていたり、あるいはご相談のかたのように本来つめが生える場所ではない部位(異所性)に小さなとげ状のつめが生えていたりすることもあります。
これらの異常は、おなかの中で胎児のあらゆる組織や器官ができていく過程で生じた小さなミス、小奇形のひとつですが、遺伝と関係がある場合とない場合があります。おそらく、異所性つめにはほとんど遺伝性はないと思われます。
つめができるもとになる細胞の集団をつめ原基と言いますが、本来は指の先より少し付け根に近い場所に横一列に並ぶはずのものが、ほんの一部だけたまたま指先に迷い込んだものと考えられます。
つめを作る細胞なので、ほんの小さなものですが次々とつめを作るので時間がたつととげ状に伸びてきます。とげ状になると引っかいて皮膚を傷つけたり、衣類などが引っかかり、過剰な力が加わると無理やりつめがはがれて出血したりしますので、伸びてきたつめは、他のつめと同じようにつめ切りで切ってください。
当分は、そのような対処でよいと思います。
乳幼児のうちに取ってしまいたいと思っても、指先は知覚神経がとても敏感で、しっかり麻酔をしなければ手術できません。しかも、小さいうちは局所麻酔では動いてしまうので全身麻酔をかけなければなりません。
そこまでするのは乳幼児にとっては負担が大きすぎますので、もう少し大きくなってから、だいたい小学校の低学年ごろ、7~9歳で本人がじっとしていられるようになってから、局所麻酔で全部根こそぎ切除して縫い縮めてしまうのがよいと思われます。
手術自体は簡単です。小さな傷あとやわずかなくぼみが残るかもしれませんが、それほど気になるものにはならないでしょう。