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総合監修:二瓶 健次 先生
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生活・健康・安全アドバイス - 食事
苦いものや味付けしていないものなどを気にせず食べるので、味覚に障害があるのではないかと心配しています。
1歳半の男の子ですがとても食欲があり何でも食べます。普通子どもはあまり好まないようなゴーヤやシシトウ、レモンなども顔色ひとつ変えず口にします。先日、私が飲んでいたコーヒーをほしがったので「苦いんだよ」と教えるつもりで少し口に含ませたらもっと要求してきました。また逆に、まったく味付けしていないものでも気にする様子なく食べます。
このくらいの子どもの味覚は大人と同じなのでしょうか? あまりに何でも口にするので味覚に障害があるのではないかと心配しています。
本人が味の意思表示ができるようになるまで、少し様子を見るのがよいでしょう。
味覚の障害は、大きく分けると生まれたときから見られる先天性の場合と、生まれたあとに起こる後天的な場合があります。
先天性の場合は、味覚を感じる神経や味覚の中枢に障害が起こっているもので、味覚を十分感じることができません。
後天的な場合は、感染や腫瘍(しゅよう)などによる、味覚に関連する神経(顔面神経など)の障害や、ある種の薬物の服用、亜鉛の欠乏などによって起こります。
成人では心理的な要因によっても起こります。いずれも赤ちゃんではまれなことです。
ご相談のお子さんは、ゴーヤ、シシトウ、レモンなど苦みや酸みがあるものを何でも食べるようですが、これらは普通に食べている程度のものでそれほど強いものではありません。味の好みより食欲の方が旺盛(おうせい)なのかもしれません。
赤ちゃんは味覚がまだ十分に発達していませんので、甘みには敏感ですが、それ以外の味にはあまり反応を示さないこともあります。3歳くらいまでもう少し様子を見られ、自分で味の意思表示ができるようになり、味覚の識別が困難であることがはっきりした場合や激辛にも平気というような場合は、専門医を受診するのがよいでしょう。
専門的には化学的な味物質(甘み、塩味、苦み、酸み)を用いて味覚の検査をします。
どんな味のものでも食べるからといって、特に苦み、辛み、塩味の強いものなどを与えず、普通の子どもが好きな味の食事をする方がよいでしょう。