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総合監修:二瓶 健次 先生
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生活・健康・安全アドバイス - 食事
卵白とミルクのアレルギーがあると言われましたが、「何でも食べる2歳の時期に神経質に除去しなくてもいい」と言われましたが大丈夫でしょうか。
冬ごろから目のまわり、頭、腕、背中を夜中にかきむしるようになり、小児科で卵白とミルクのアレルギーだと言われました。それまでは、何を食べても大丈夫だったのに、2歳になって急にアレルギーになってしまうことはあるのですか。
春にふたり目を出産したのですが、精神的なものもありますか。小児科では、「何でも食べる2歳の時期に除去食をするのはかわいそうだし、神経質に除去しなくてもいいですよ」と言われたのですが、食べさせてもよいものなのでしょうか。
ご相談から推察する限りでは、今の時点での除去の必要はないものと思われます。
このぐらいの年齢でアトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくを発症するお子さんが多く見られます。
また、2歳ごろのアレルギー体質のお子さんは検査をすると卵白やミルクの特異的IgE抗体が陽性になっていることが多いのですが、必ずしもそれらが原因とは限りません。
なぜなら、人間には経口免疫寛容というメカニズムによって、それらの食物を摂取してもアレルギー反応が起こるのをキャンセルする働きがあるからです。
食物アレルギーのかたは経口免疫寛容のメカニズムがきちんと働かないために食べるとじんましんが出たりショックを起こしたりします。お子さんの場合は今まで食べて何ともなかったのですから新たに除去を行う必要はないと思われます。
もし本当に卵やミルクがアトピー性皮膚炎の原因であるならば、1〜2週間程度除去してみれば症状が消えていきます。そして再び食べさせると症状が出るでしょう。
乳児の中にはそういうかたもいますが、今まで食べてきた2歳過ぎのお子さんでは極めてまれです。
ただし、このような除去に関しては医師の指導のもとで行った方が安全です。
アトピー性皮膚炎は要因が複雑な疾患ですから多くの方は食物制限だけでは治りません。環境整備や食事のバランスそして生活習慣やスキンケアなどに加え適切な薬物療法を組み合わせて治療していきます。
また、下のお子さんが生まれる前後から上のお子さんのアレルギー疾患が出現したり悪化したりするのはよくあることです。
お母さんの愛情を独り占めできなくなる不安から、皮膚を引っかいたりかゆみを訴えたりして親の注目を自分に引き戻そうとするのは子どもの自然な行動です。
「お姉ちゃんだからがまんしなさい」という言葉は避け、下のお子さんをかわいがったときにはほめてあげるようにしましょう。