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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 生活環境
健康管理2歳11ヵ月
寄せられたご相談
冬は子どもにかなりの厚着をさせてしまいますが、寒いときに薄着に慣れさせたら風邪をひかなくなるのでしょうか。
毎年冬になると、風邪を引くのが心配で、子どもにかなりの厚着をさせてしまいます。
保育園では毎年のように「もっと薄着にさせた方がいいですよ」と言われ、確かに薄着の子は風邪も引かず元気そうに見えます。やはり寒いときに薄着に慣れさせた方が、風邪を引かなくなるのでしょうか。
先生からのアドバイス
末松 隆子 先生
寒い季節になっていきなり薄着にさせるのは、体によくありません。お子さんの体力や体調、肌の健康状態に注意しつつ、暖かい季節から少しずつ年間通じて薄着に慣れさせていくとよいでしょう。
寒い季節になってから、いきなり薄着にさせるのは、なかなか難しいものですね。年間を通じて薄着にしていけるとよいので、夏にプールの水や暑さに肌を慣らした後、秋から次第に寒さに慣らし薄着を心がけていくのがよいのではないでしょうか。
人間の体にはホメオスタシス(恒常性)という働きが備わっており、外的要因などで体に変化が起きたとき、それを元に戻し、生体内の環境を常に一定の状態に保とうとします。この体の恒常性をつかさどっているのは自律神経で、この反応を促す方法のひとつが、「肌で外気温の変化を感じること」です。
ここから、冬に薄着をするといいという考えが生まれたのでしょう。
ただし寒い時期に薄着にさせると、それだけ子どもの体力も消耗するので、並行して、基本的な食事、睡眠などの生活リズムを整えたり、適度な運動、遊びをしながら体力をつけていかなくては、子どもの体に負担がかかってしまいます。
薄着の習慣があっても、風邪を引いたり体調を崩すことはあるでしょう。そのときはまず病気を治すことを最優先に考え、体調が戻るまで無理に薄着にする必要はありません。また、乾燥肌や敏感肌なのに寒い季節に肌を露出するのは、皮膚の健康面からはよくないことがあります。お子さんの体力や体調、肌の健康状態を見ながら、少しずつ薄着に慣れさせていくのがよいと思います。