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総合監修:二瓶 健次 先生
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生活・健康・安全アドバイス - 生活環境
テレビを見るとき、目を細めたりテレビにだんだん近づいてしまったりします。このくらいの年齢の子の視力はどの程度あるのでしょうか?
テレビから3mくらい離れたところからいつもテレビを見ているのですが、目を細めたりテレビにだんだん近づいてしまったりします。私たち親も小さいころから近視、遠視、乱視などがあり目が悪かったので遺伝も心配です。
このくらいの年齢の子の視力はどの程度あるのでしょうか? 3歳児健診のときの視力検査では問題ありませんでした。
眼科を受診した方がよいのでしょうか?
テレビを見るときに目を細めたり近づいてしまったりするのは、視力が悪い可能性があります。屈折異常(近視、遠視、乱視)のみであっても、高度の場合には弱視の原因になります。重篤な眼疾患がひそんでいる可能性もありますので、ぜひ早めに眼科を受診してください。
子どもは熱中すると近くに寄って見てしまうことがありますが、お子さんのように、テレビを見るときに頻繁に目を細めたりテレビにだんだん近づいてしまったりするのは、やはり、視力が悪い可能性がありますので、ぜひ早めに眼科を受診してください。
3歳児健診では簡易的な視力検査を行いますが、屈折異常(近視、遠視、乱視)の検査や両眼視機能(ものを両目で立体的に見ているかどうか)の検査を導入している地域は多くありません。
健診のときのスクリーニング検査では検出されなくても、眼科で精密検査を行うと、屈折異常や視力不良が検出されることがしばしばあります。
また、子どもの目は1年で大きく成長しますので、健診のあとに異常が出てきた可能性も十分にあります。一般に4歳になれば、通常の視力検査表でひとつずつ視標を呈示して測定すると、左右眼ともに1.0の視力が出ます。
精密検査の結果、屈折異常が高度であったり、左右差がある場合には、屈折異常弱視や不同視弱視になる恐れがあるため、適切な眼鏡を作成して常に装用させることが大切です。
弱視の目は、眼鏡をかけても視力が1.0まで出ません。軽度の弱視であっても、なるべく早いうちに眼鏡を常用させて、視力の発達する期間内に治療を終えないと生涯にわたる視力障害を残すことになります。
原因や程度によりますが、一般に就学までに良好な視力を得るためには、3〜4歳から治療を開始する必要があります。もっと重篤な眼疾患がひそんでいる場合もありますので、早急に眼科で精密検査・眼底検査を受けてください。
なお、2006年4月から、9歳未満の小児を対象として、弱視、斜視、先天白内障術後の治療用の眼鏡やコンタクトレンズには、各保険から一定の療育費が支給されることになりました。
屈折異常のみの場合は該当しませんが、弱視の治療用眼鏡を作成する際などには、眼科医にお問い合わせください。