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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 生活環境
花粉症と診断されました。低年齢での発症で気をつけた方がいいことはありますか? また花粉症は治ることはありますか?
花粉症と診断され、薬を服用しています。私が花粉症ではないので、つらさや何をしたら楽になるかなどがわかりません。布団は部屋の中で干すようにしました。低年齢での発症で気をつけた方がいいことなどありますか? 治ることはありますか?
また、スギのほかにもブタクサにも反応がありました。ブタクサの時期にも同じく対応が必要でしょうか?
花粉症の治療の基本は、アレルゲンとなっている花粉を避け、抗アレルギー剤の内服や点鼻・点眼薬などを使って症状を抑えることです。花粉症は、よほど環境が大きく変化しない限り自然に治ることはありません。
親の世代に比べて今の子どもたちのアレルギー疾患の発症は数倍に増えており、発症年齢も低下しています。
以前から、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎から気管支ぜんそくになり、最後に花粉症(アレルギー性鼻炎・結膜炎)に至るというアレルギーマーチの存在が指摘されていましたが、最近はすべてのアレルギー疾患の発症年齢が低下していることもあり、必ずしもこの順番では発症しません。ですから、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくに罹患(りかん)することの多い年齢で花粉症を発症するお子さんもおられます。
花粉症の治療の基本は、アレルゲンとなっている花粉(日本の場合はスギが多い)を避けることです。
残念ながら、よほど環境が大きく変化しない限り自然に治ることはありませんので、花粉の飛散が多い時期には、外出時のマスクや眼鏡(ゴーグル)で花粉から露出部を守り、少しでも体内に花粉の抗原(アレルゲン)が取り込まれるのを減少させる工夫が大切です。そして、抗アレルギー剤の内服や点鼻・点眼薬などを使って症状を抑えます。
ブタクサもスギと同様の対策が望ましいのですが、日本ではスギほど大量に広範囲には飛散しないので影響を受ける度合いは少ないかと思います。
ただ、欧米では逆でスギの花粉症はほとんどありませんが、ブタクサの花粉症は多いので海外赴任するような場合、引っ越先によっては要注意です。
このほかに、花粉症の根本治療として減感作療法というのがありますが、従来の方法は何年もかけてアレルゲンを注射するやり方で、手間暇がかかるわりには効果を感じられるようになるのが遅いので、以前ほど盛んではありません。
最近の減感作療法の中には舌下法(舌の下にスギ花粉の液や錠剤を入れてスギ花粉症を治す方法)や、杉花粉症緩和米など新しい方法も研究開発されていますので、将来的には薬を飲まなくても治療できる時代が来るかもしれません。