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総合監修:二瓶 健次 先生
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生活・健康・安全アドバイス - 生活環境
「揺さぶられっ子症候群」という言葉を聞きますが、帰省のため飛行機やフェリーなどを利用する際に、何か影響はありますか?
「揺さぶられっ子症候群」という言葉をよく聞きます。悪路での車移動は影響が出るそうですが、飛行機や電車はどうでしょうか? 9ヵ月ですが帰省のため飛行機、フェリーを利用したいと思っています。
年齢によってどの程度までなら大丈夫と考えられますか? あと、飛行中や航行中の離乳食は食べさせてもよいですか?
飛行機やフェリーに乗ることで「揺さぶられっ子症候群」になることはありませんので、心配はありません。
「揺さぶられっ子症候群」というのは、乳児期の赤ちゃんが、急激に強く頭を揺さぶられたときに、頭蓋(ずがい)内の血管が破損し、脳に出血を起こすことです。乳児期の脳は頭蓋と脳との間にすき間があり、細く弱い血管が走っていますので、急激な衝撃を与えると切れてしまうことがあります。
このような状態を「揺さぶられっ子症候群」と言っています。子どもを強く叱るために頭を強く揺さぶったりしたときにしばしば起こりますが、逆に子どもを喜ばせようとして頭を強く揺さぶったりしたときにも起こりますので注意してください。
通常のゆっくりとした動きの場合は、起こることはありませんので、飛行機や船、自家用車などの乗り物の動きでは大丈夫です。しかし、悪路でのクッションの悪い車での走行や、急ブレーキなどの衝撃では起こる可能性はありますので注意してください。
赤ちゃんを飛行機や船に乗せて悪い時期というのは特にありません。むしろ乗るまでに親は荷物を持ってあちこち動き回らなければなりませんので、小さな赤ちゃんに余計な負担がかかってしまうこともあります。
また、飛行機や船の中は閉鎖された空間で赤ちゃんが過ごしやすい環境ではありませんので、むずがって暴れたり、泣きやまなかったりすることがあります。無理な旅行をすることは控えた方がよいと思います。
飛行機の中で離乳食を食べることは特に問題はありません。しかし、むせたり、吐いたりしたときに飛行機や船の中では対応が限られていますので、与える量はほどほどにするのがよいでしょう。