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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 感染症
汗疹(あせも)をかきむしるので、ステロイド軟膏(なんこう)を塗っていたのですが、皮膚科で診てもらったらカンジダ症でした。プールでうつったりしないでしょうか?
あせもをかきむしるのでなかなか治らず、アレルギー体質なのでステロイド軟膏(なんこう)を塗っていたのですが、皮膚科で診てもらったらカンジダ症でした。
お友だちとプールに入ったりしましたがうつったりしませんか?
汗疹(あせも)と皮膚カンジダ症は、症状もできやすい場所も似ていて間違えやすい疾患です。治りにくい場合は必ず皮膚科を受診してきちんと診断してもらいましょう。カンジダはうつることもある病気なので、早めに診断して早めに治療することをおすすめします。
汗疹(あせも)は、汗をかきやすく、その汗がたまり湿気がとれにくい場所、例えば首、わきの下、ひじやひざの裏側、オムツの中などにできやすいのですが、皮膚カンジダ症もまた、同様にそういう場所にできやすいのです。
また、どちらも、小さな赤いブツブツとして見られるので、症状もとてもよく似ている場合があります。
確定診断するには、顕微鏡で検査をし、カンジダ菌が見つかれば、カンジダ症と診断されます。見た目だけでは、確実に診断をつけることは難しいため、きちんと検査を受けられるとよいでしょう。
汗疹なら、こまめにシャワーで汗を流し、汗をかいたらすぐ着替えをするようにして、涼しい環境にいれば2〜3日で治ってしまうものですが、汗疹の薬を塗っても全然治らなかったり、かえって悪化するようでしたら、普通の汗疹ではないはずです。
ましてや、ステロイドを塗っても治らないのであれば、まず汗疹やアトピー性皮膚炎などの湿疹ではないと判断できます。
なるべく早く皮膚科を受診して、顕微鏡検査を受け、きちんと診断してもらうことをおすすめします。
カンジダ症とわかれば、抗真菌薬(病原菌としてのカビを殺す薬)を塗れば、たいてい1〜2週間でよくなります。
カンジダ菌による感染症なので、菌がうつって、そこに汗や湿気がいつもたまっているような、真菌にとってすみつきやすい環境であれば、水虫がうつるのと同じでほかの子どもにもうつることはあります。
ご相談のお子さんのように、一緒にプールに入っただけでうつることは考えにくいですが、同じタオルを使ったり、裸同士で肌と肌をふれあうようなことがあればうつる可能性はあります。
シャワーや入浴でいつもきれいにし、汗をかいたらすぐにふきとったり、オムツも長時間つけっ放しにせずに、夏は特にしばしば空気にさらし、湿気をためずに乾燥させるような環境づくりを心がければ、うつりにくいと言えるでしょう。もし、カンジダになったら、タオルは家族と別にした方がよいでしょう。