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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 感染症
ヘルペスと診断されました。これはどのような病気で症状はどのくらい続きますか?
9ヵ月の男の子です。首に水疱(すいほう)ができヘルペスと診断されました。発疹(ほっしん)のほか発熱と下痢の症状が出ていますが、どのような病気で症状はどれくらいの期間続きますか?
家族にもうつると言われましたが、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
単純ヘルペスウイルスの感染症です。初めての感染では、発熱や下痢を伴って重症になることがあるので注意が必要です。
ヘルペスと一般的に呼んでいるのは、単純ヘルペスウイルスによる感染症のことです。
もうひとつ、帯状疱疹(たいじょうほうしん)のことも、ヘルペスと言うこともありますが、これは「みずぼうそう」のウイルスと同じ、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって起こり、同じヘルペスウイルス属に入る仲間です。
帯状疱疹は、以前にみずぼうそうにかかったことのある人が、風邪をひいたり、疲れがたまったり、体の抵抗力が落ちたときに、体の奥の神経節に潜んでいたウイルスが、神経を伝って皮膚に帯状に出てくる水疱です。
ご相談のお子さんはまだ、9ヵ月なので、おそらくまだみずぼうそうにはかかっていないと思いますので、帯状疱疹ということはないと思われます。
単純ヘルペスの感染だと思われますが、家族の中に口唇ヘルペスになったことがある人はいないでしょうか。まだ、9ヵ月の乳児の場合、ご家族など身近な人からうつった可能性が高いと思われます。
単純ヘルペスの皮膚症状は、赤みのある水疱が複数個、顔や首、胸やおしり、手足などに集まってでき、そこからまわりに広がることもあります。
特に初感染では重症になりやすいと言われ、水疱が全身に広がったり、発熱や下痢などの全身症状を伴うこともあります。
一度単純ヘルペスにかかると、ウイルスが神経節に潜んで残り、風邪をひいたり疲れたりして免疫力が下がった時に、再び症状が出ることがあります。
塗り薬や飲み薬がありますので、早めに受診して処方してもらった方がいいでしょう。
ヘルペスができているときに、抱っこしたりして直接患部に接触すると、ほかの人にもうつります。
既にヘルペスにかかったことがある人は、再び人からうつることはほとんどありませんが、未感染の子どもにはうつりますので、近づかせないようにする必要があります。治るまで、きょうだいは入浴、タオル、食器などは別にすることです。