二瓶 健次 先生

総合監修:二瓶 健次 先生

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病気と予防アドバイス - 呼吸器の病気・風邪

風邪1歳5ヵ月
寄せられたご相談

風邪を引く度に夜間ゼロゼロといい、息苦しそうです。これはぜんそくなのでしょうか。風邪とぜんそくとの境界線はどこで引いたらよいのでしょうか?

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お誕生日を過ぎたころより、風邪を引く度に夜間ゼロゼロといい、息苦しそうです。今回11月の初めに風邪を引き、熱は出ないものの、夜間のゼロゼロがずっと続いています。
これはぜんそくなのでしょうか? 風邪とぜんそくの境界線はどこで引いたらよいのでしょうか?

先生からのアドバイス
大矢 幸弘 先生

2歳前の乳幼児のぜんそくの診断は難しいとされ、ゼロゼロするだけではぜんそくとは診断できませんが、早めにきちんとした治療を開始しないと重症化するお子さんもいます。

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2歳前の乳幼児のぜんそくの診断は難しいとされ、ゼロゼロするだけではぜんそくとは診断できません。しかし、繰り返しゼロゼロする乳幼児の中には本格的なぜんそくも含まれており、早めにきちんとした治療を開始しないと重症化するお子さんもいます。一般的には子どものぜんそくは風邪を引いたときに症状が出ますので、例えば3回風邪を引き、その度に息を吐くときにゼロゼロ(あるいはゼイゼイ・ヒューヒュー)したのであればぜんそくということになります。
 ぜんそくには軽いタイプから非常に重いタイプまであり、学会では5段階の重症度に分けています。また、子どものぜんそくには数年で自然に治る確率が高いタイプと、そうではないタイプがあります。すなわち個人差が非常に大きい病気ですので、ほかのぜんそくのお子さんと比べると誤解を招くこともあります。
 風邪はウイルスに気道が感染することによって生ずる急性疾患であり、短期間で自然に治る病気ですが、ぜんそくは複雑なメカニズムで気道に慢性的な炎症が生じて、何らかの刺激が加わるとゼロゼロ(あるいはゼイゼイ・ヒューヒュー)という発作が出る慢性疾患です。慢性的な炎症があるために、風邪を引いたことが刺激となって発作が出るのです。ぜんそくでないかたは風邪を引いてもせきが出るだけで、発作にはなりません。また、ぜんそくは慢性疾患ですから、日ごろから症状のないときにも治療をして、気道の慢性炎症を治していくことが必要になります。年に数回しか軽い発作を起こさない場合は、毎日の薬は不要ですが、1ヵ月に1回以上発作やせきが出るぜんそくの患者さんは、毎日の治療が必要な重症度とされています。

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プロフィール


二瓶健次

東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。

プロフィール


大矢幸弘

名古屋大学卒業後、名古屋大学小児科、国立名古屋病院小児科を経て、 1995年から国立小児病院アレルギー科、2002年から国立成育医療センターアレルギー科医長として勤務。 小児の喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど小児アレルギーが専門。