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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 呼吸器の病気・風邪
すぐ風邪をひき、気管支炎になってしまいます。何に注意すべきでしょうか?
2歳1ヵ月の娘のことですが、風邪をひきやすく、すぐに気管支炎になってしまいます。「時期がくればひかなくなりますから」と言われますが、何に注意すればいいのでしょうか? 食欲もあり、毎日元気なのですが…。
気管支炎を繰り返す場合には、鼻やのどなどの上気道の要因が関係していることも考えられますので、ご心配でしたら一度耳鼻咽喉(いんこう)科を受診されることをおすすめします。
小さなお子さんでは、気管や気管支が狭く、体の抵抗力(免疫)も未熟であり、また気道の粘膜にある線毛の機能が弱いことなども影響して、気管支炎を起こしやすい状況にあると言われています。
成長に伴って、これらの構造や機能が発達してくると、だんだん気管支炎に至る機会も減ってくるとは思われますが、逆の言い方をすれば、小さなうちは避けて通ることが難しいとも言えましょう。
気管支炎を起こすあるいは長引かせる原因として、耳鼻科的には、鼻やのどなどの上気道の要因が考えられます。副鼻腔(ふくびくう)炎やアレルギー性鼻炎を合併していて、鼻汁が常にのどに落ち込むような状況がある場合には、その鼻汁が刺激となって気管支炎を起こすことが考えられます。
中には副鼻腔気管支症候群と言って、慢性的に副鼻腔炎と気管支炎を合併して生じる患者さんもいらっしゃいます。
また、鼻の奥にあるアデノイドというリンパ組織やのどの扁桃腺(へんとうせん)組織が増殖して空気の通り道をふさいでいる場合には、いびきや口呼吸を生じ、外界のほこりなどの刺激物やウイルス・細菌が、本来フィルターの役目を果たすべき鼻を通さずに直接気管に入り込むことで、より気管支炎を起こしやすくしている可能性もあります。
お子さんはふだんから鼻汁が多いということはありませんか? 寝ているときにいびきをかいてはいませんか? 口呼吸は目立ちませんか? 気管支炎を繰り返すお子さんで、このような症状が目立つ場合には、耳鼻科で鼻や副鼻腔、のどの状態をチェックしてもらい、鼻汁を吸い取るなどの必要な処置・投薬を行うことで、気管支炎にかかる機会を減らす事が可能となる場合があります。
せきがあったり、胸がゼロゼロしてくるなど、気管支炎を疑う症状があれば、まず第一にかかりつけの小児科の先生を受診していただきますが、同時に鼻水や鼻詰まり、いびきが目立つときなどは、耳鼻科受診も考慮されてはいかがでしょうか。