-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 呼吸器の病気・風邪
風邪の引き始めのときに、市販のせき止めや鼻水、鼻詰まりの薬を飲ませることについて、注意する点などはありますか。
1歳半になる子どもがいます。風邪の引き始めの兆候が見られたとき、病院に行くほどでもないし病院に行ってほかの病気をもらってきたりするのがいやで、これ以上悪くならないようにすぐに市販されている薬を飲ませています。
すぐにせき止めや鼻水、鼻詰まりの薬を飲ませることについて、注意する点などがありましたら教えてください。
赤ちゃんに市販の風邪薬を飲ませることは薦められません。特に抗ヒスタミン剤が入っているかどうか、確かめておく必要があります。
一般的に風邪と言われているのは、さまざまなウイルスによって起こり、鼻やのど、気管支の炎症を起こして、鼻水、せきなどの症状が出ます。これらの風邪のウイルス(インフルエンザ以外)に根本的に効く薬はありません。風邪の薬というのは、せきや鼻水を少なくするという、いわゆる対症療法(症状を軽くするため)の薬です。
したがって、このような薬を早くから飲んだからといってせきや鼻水が抑えられることはありますが、風邪の予防や進行を抑えるということにはなりません。
市販の風邪薬は販売することが認められている薬ですので、子ども用のものを町の薬局で薬剤師の指示、あるいは指示書に書かれている内容にしたがって飲むことには問題はありません。
しかし市販の風邪薬には、抗ヒスタミンや解熱剤が入っていることが多いので、注意が必要です。抗ヒスタミン剤は小児には控えたほうが良いとされています。(米国では乳幼児に市販の風邪薬を飲ませることは推奨されていません)
熱が出る場合、小児科などで熱さまし(解熱剤)を処方してもらうことがあるかもしれませんが、解熱剤(市販の風邪薬にも含まれていることがあります)は子どもの場合、副作用が問題になることもありますので、原則として使わない方がよいと考えておいてください。
熱のあるときは額やわきの下を冷やすとか、水分を十分に飲むようにしてください。どうしても熱を下げる必要がある場合は医師と相談してください。