-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
生活・健康・安全アドバイス - 健康管理
溶連菌に感染しやすいのですが、受診するポイントや抗生剤の服用について教えてください。
溶連菌に感染しやすく、昨年7月から今年3月までの間にきょうだいで6回ずつ治療を受けています。溶連菌による合併症が心配で、少々ののどの痛みでも受診しています。
溶連菌が疑われる場合の受診ポイントを教えてください。溶連菌に感染していても、熱がなければ受診不要でしょうか。子どもがふたりいるので、片方に症状が出てもう片方に出ていない場合には、様子を見て元気なら受診は不要でしょうか? 毎回10日間にわたり、抗生剤を服用していますが、あまりにも回数が多く心配です。抗生剤が効きにくい体質になったり、免疫抵抗力が低下することはないでしょうか?
主治医とよくご相談になり、指示に従ってよいと思われます。
溶連菌の感染は、子どもでは扁桃腺(へんとうせん)炎(扁桃腺の炎症)が最も多く、高熱が出て、扁桃腺が赤くはれたり、白っぽい膿(うみ)がついたりします。このほかにも溶連菌感染症では、高熱とともに身体に細かい発疹(ほっしん)が出たり、口の中が赤く充血したり、足などに細かい点状の皮下出血が出たりします(血管性紫斑病)。一般的には熱が出ますが、熱がなくても上に挙げたような症状がある場合は小児科を受診する必要があるでしょう。
溶連菌感染症の診断は症状からもされますが、扁桃腺を綿棒でこすって菌を調べます(15分くらいの検査で判定します)。溶連菌感染症が明らかであれば、合併症として、腎炎、心臓弁膜症、リュウマチなどが知られていますので、その予防のためにも抗生物質(通常10日)などにより治療する必要があります。2週間くらい後に尿の検査をして、腎臓の合併症の有無を調べます。
ごきょうだいのひとりが溶連菌感染症になっても、もうひとりにまったく症状がなければ、受診の必要はありません。しかし、溶連菌は感染力は弱いですが、感染する可能性はありますので注意してください。
のどが痛いといっても必ずしも溶連菌性扁桃腺炎ではないことが多いですし、このような場合は抗生物質を服用する必要がありませんので、溶連菌の感染があるのかどうかということも含めて、主治医とよくご相談されるとよいでしょう。
抗生物質を飲むことで免疫力が低下するということはありませんが、無意味に長期間服用することは避けるべきでしょう。
通常使われている抗生物質に抵抗性がある溶連菌かもしれません。抗生物質をかえてみる場合もあります。
また扁桃腺炎を頻繁に繰り返すようであれば、扁桃腺を摘出するという選択肢もあるかもしれません。これも主治医とご相談なさるとよいでしょう。