成長期にカルシウムは、大人の3倍必要って本当?

成長期の子どもの健康な身体をつくるためには、十分な栄養をとることが大切です。なかでも重要なのが骨を作る栄養素、カルシウムです。日々の食事のなかでカルシウムを効率よく摂取するにはどうしたら良いのでしょうか。元日本オリンピック委員会強化スタッフで、現在はトップアスリートに栄養指導を行う管理栄養士の川端理香さんにお話を聞きました。

成長期には大人以上のカルシウムが必要!

カルシウムは、骨や歯の成長に欠かせない栄養素です。10〜11歳の子どもが1日に摂取したいカルシウム量は、男性が約700mg、女性が約750mgです。一方、30〜49歳の1日のカルシウム摂取推奨量は男性が約650mg、女性が約650mgです。体は小さくても、成長のためにたくさんのカルシウムが必要なことがおわかりいただけるでしょう。体重あたりにすると、子どもは大人の2〜3倍くらいたくさんとらなければならない計算になります。また、一生を通じていちばんカルシウムを必要とするのは、男女共に12~14歳の間なのです。

小学生から高校生までの成長期は、カルシウムの吸収率がいちばん良い時期であり、この時期のカルシウム摂取量が、年をとってからの骨量(ボーン・マス)に影響します。骨量とは、骨に蓄えられたカルシウムの量であり、一生を通じて最高のレベルに達したときの骨量をピーク・ボーン・マス(最大骨量)と呼びます。20歳前後でその時期を迎え、その後、ゆるやかに骨量は減っていきます。成長期にカルシウムをしっかり摂取し、ピーク・ボーン・マスを高めておくと、大人になって骨量が減少しても骨粗鬆症になりにくいといえます。実際、私が栄養指導をするアスリートたちのなかでも、子ども時代豊かな食生活を送っていた人ほど、骨折などのケガが少なく選手生命が長いのです。

カルシウムの多い食材を知っておきましょう

カルシウムの摂取の重要性をお伝えしましたが、残念ながら日本人のカルシウム摂取量は、どの年代においても推奨量を満たしていません。その理由として、和食でカルシウムがとりにくいこと、日本人はカルシウムが豊富に含まれる乳製品を欧米諸国に比べると少ししかとっていないことがあげられます。

乳製品は、カルシウムを摂取するのに最も効率の良い食材です。多くの小学校で、給食に牛乳が提供されているのはそのためです。牛乳200mlで、小学1年生が1日に摂取したいカルシウム推奨量の三分の一を満たすことができます。小学1年生が毎日3杯飲むと、1日の推奨量(600mg)を達成できてしまいますが、牛乳は脂肪分が高いのが気になります。その場合は、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳をとりいれたりしましょう。また、牛乳以外の食材からカルシウムを摂取することで、そのほかの栄養素を摂取することができるため、牛乳はコップ1~2杯程度にしたいですね。残りは他の食材で摂取することをおすすめします。

カルシウムは、魚や野菜類にも含まれています。特におすすめの食材を下記にまとめました。乳製品をたくさん使う洋食に比べ、和食はカルシウムがとり難いのですがカルシウムが含まれている食材を知っておき、そうした食材を使った献立を意識的に取り入れると、推奨量を無理なくクリアーできるはずです。

例えば、朝食メニューでは、豆腐とわかめのお味噌汁+小松菜のおひたし+納豆+じゃこのふりかけご飯などにすると、かなりのカルシウムを摂取することができます。近年、「つくりおき」ブームで、常備菜を作って冷蔵庫に保存している保護者のかたも多いと思います。例えば、ひじきや切り干し大根、高野豆腐などの乾物はカルシウムが多く含まれており、日持ちがする食材なので、ぜひストックしておきたいですね。

牛乳が苦手なお子さまには、飲料水や調理に硬水を使うのも1つの方法です。海外のミネラルウォーターのなかには、わずか500mlに、牛乳コップ1杯分のカルシウムが含まれているものもあります。

カルシウムと一緒にとりたいビタミンD

また、カルシウムを効率よく摂取するには、ビタミンDを一緒にとることをおすすめします。ビタミンDを多く含む食品は、卵やきのこなどがあります。またビタミンDは、日光を浴びることで人間の体内でも生成されます。そのため、カルシウムを効率よく吸収するためには、お子さまが外で元気に遊ぶことが大切です。私はJリーガーなどのトップアスリートの栄養指導を行っていますが、骨折などしてしまった選手には、牛乳を飲んで、一定時間日光浴をすることをすすめているんです。

ぜひ、上記のカルシウムを上手に摂取するポイントを押さえて、お子さまの健康な身体作りをサポートしていただきたいですね。

プロフィール

川端理香

川端理香

「WATSONIA(ワトソニア)」代表。管理栄養士。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。現在もプロスポーツ選手の栄養管理などを多数受け持つ。著書や監修書に『カラダの悩みは食べ方で99%解決するークスリに頼らない食事術—』(ゴルフダイジェスト社)、『子どもの身長を伸ばす栄養と食事』『勝てるカラダをつくる!野球選手の栄養と食事』(大泉書店)他多数。

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