効率の良いおすすめ勉強法7選&NGな勉強の仕方を解説

勉強に対する悩みは誰もが持っているもの。その悩みを解決しようと、自己流でがんばっている人もいるでしょう。しかしそれが効率の悪いものだと、なかなか結果が付いてこない可能性があります。それではもったいないですよね。そこで今回は、効率の良い勉強法と悪い勉強法を一挙にご紹介します。

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効率の良いおすすめ勉強法7選

まずは、効率の良い勉強法を7つご紹介します。勉強に悩みがある人は、ぜひ試してみてください。

目標時間を決めて集中力アップ

ダラダラ勉強するよりも、目標を決めて短時間で勉強をした方が集中できます。「5時までにこのページを終わらせる」「10分でドリルを終える」といった感じです。

勉強時間が長い方が成績も良くなると思われがちですが、実はそうとは限りません。特に小学生の場合は、勉強時間が長くなればなるほど成績が落ちるというデータがあるほど。集中力が続く時間内で勉強した方が、効率良く学力がアップできるのです。

また「どの学習にどのくらい時間を割くのか」と時間配分を決めたり、「いつまでに覚えたいのか」と長期計画を立てたりすることも大切です。ただし、無理な計画を立てるのはNG。最低限の目標を決め、いつまでに何をどのくらいすればよいかを考えていきましょう。やることが明確になると、スムーズに勉強ができるはずです。

スキマ時間を効率良く使う

スキマ時間には「勉強」と「休憩」の2つがあります。

まずは、勉強をするためのスキマ時間。勉強ができるのは、机に向かっているときだけではありません。通学時、夕食前、起床後、友達との待ち合わせ……。ほんの5分であっても、暗記をするには十分な時間です。スキマ時間で毎日5個単語を覚えれば、10日で50個、一カ月で150個も覚えられることに。もっと長いスキマ時間があれば、復習に使うこともできます。

また、休憩をするためのスキマ時間も大切。中学生・高校生となると、長く机に向かうことも多いでしょう。ただ、休憩なしに続けていると集中力が途切れてしまい、勉強に身が入らないことも。それよりは、「15分ごと休む」と決めた方が効率的です。音楽を聞いたり、目をつむったり、お茶を飲んだり……。意識的にスキマ時間を作ることで上手に気分転換をし、勉強の効率を上げていきましょう。

脳の働きに合わせて学習内容を時間別に分ける

「夜暗記をすると覚えやすい」と聞いたことはありませんか? これは、「睡眠時に記憶を整理する」という脳の働きに合わせた方法。眠る直前に覚えたことは、定着しやすいのです。また、夜は疲れが溜まっているため、負担が少ない暗記をした方が良いといわれています。

反対に朝は、睡眠によって脳がリセットされてスッキリします。友達からの連絡やテレビなどの誘惑も少なく、集中できる時間帯。テストや漢字の練習など、覚えたことをアウトプットする勉強をすると効果的です。

復習までには時間を空けて【分散学習】

「分散学習」とは、同じ内容を学習するときに時間を空けることです。忘れまいとして、学習した直後に復習する人も多いでしょう。しかし、実はこれだと効果が薄れるそう。テストまでの日数によって異なりますが、復習は数日空けてから行う方が効率的です。

2008年にアメリカの研究者が行った実験でも、「数日空けて復習したグループ」の方が高得点だったそう。逆に「直後に復習したグループ」は、復習効果が最も得られなかったといいます。復習のタイミングは、「学習~復習」までの期間と「復習~テスト」までの期間がおよそ「1:4」になるのがベスト。ただ、これにこだわらなくても時間を空けることの効果は十分得られます。

「覚える」ではなく「思い出す」学習法【テスト効果】

普段の学習をテスト形式にするのもおすすめです。これを「テスト効果」といいます。「テストを受けるだけで学力が上がる」といわれているほど、効果がある勉強法です。マーカーを引いた語句をシートで隠して覚えているか確かめる作業、これもテスト効果を利用しています。

教科書を読んだり暗記をしたりする作業は「覚える」ですよね。もちろんこちらも大事。ただ、実際のテストで行われる作業は「思い出す」です。つまり、思い出すという作業を勉強に取り入れた方が、より実践に近いということ。家庭での学習は、覚えるだけでなく思い出す作業を意識して行っていきましょう。

音読でやる気と記憶力をアップ

勉強するやる気がないときは、とりあえず教科書やテキストを音読してみましょう。これだけで、脳が刺激されてやる気がアップするそう。しかも、音読は記憶に残りやすいというメリットがあります。やる気と記憶力の両方をアップさせられるなら、使わない手はないですよね。

また、音読をしたらそれを録音するのもおすすめ。この音源があれば、教科書や問題集を広げられない電車内などでも勉強ができます。音読して記憶力を上げ、録音してスキマ時間に勉強するための準備をする。非常に効率的な勉強法といえるでしょう。

自分に合った勉強法で効率アップ

どんな勉強法も、すべての人に合うわけではありません。多々ある方法を試しながら、自分に合ったものを見つけることも大事です。

性別による傾向を利用した学習法もあります。「男の子は挑戦や競争を取り入れる」「女の子はスモールステップで達成感を味わえるようにする」といったものです。タイプ別なら、「マイペースな人は、時間と場所などの環境だけを確保する」というものもあります。自分の性格や勉強時間と相談しながら、自分だけの学習法を見つけていってください。

その他、こんな勉強法を実践している人も!

「中1の次女はGoogle翻訳に教科書の英文で話しかけ、正確に翻訳してもらっていました。最初は遊びでやっていたのですが、発音に気をつけて、Googleが翻訳してくれるように努力するようになり、教科書の暗記ができ、インタビューテストでも先生に誉められました」(中学1年生の保護者)

「親子で教育系Youtuberの本を読み、わからないところがあれば動画を見て勉強を進めています」(中学1年生の保護者)

※2023年にベネッセが行ったWEBアンケート
お子さまが実施され、実際に効果があった「おすすめの勉強法」を教えてください。

教科ごとに気を付けたい勉強法

教科別におすすめの勉強法を見てみましょう。苦手な教科がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

英語の勉強のコツ

積み上げ式教科といわれる英語。単語や文法などの基礎をしっかり覚えることが、今後の英語学習を左右します。おすすめの勉強法は3つです。

・音読

音読をすると、記憶力がアップします。友達と一緒に行うことで、発音を理解したり、リスニング力を鍛えたりすることもできるでしょう。暗記をするまで教科書やテキストを読み込むと、単語や文法も自然と覚えていけるかもしれません。

・スクワット勉強法

間違えたら戻って始めから、を繰り返す暗記法を「スクワット勉強法」といいます。

①覚えたいページを決め、シートで隠したりして頭の中や口頭で意味や単語を言う
②間違えたら、正しい意味や単語を確認して、ページの最初からもう一度やり直す
③間違えずに1ページ言えたら合格! 次のページへ

この勉強は、短時間で多くの単語に触れることができます。おすすめは、なるべく多くの単語を覚えること。忘れることを前提とし、「覚える量>忘れる量」となるように暗記をしていきましょう。

・ミルクレープ勉強法

スクワット勉強法の短期記憶を長期記憶に変える方法が「ミルクレープ勉強法」です。

①1日の目標個数をスクワット勉強法で覚える
②苦戦した単語にマークを付ける
③2日目以降は前日マークした単語の復習+その日の目標個数を覚える

前日の単語を復習しながら新たな単語を増やしていく。積み重ねていく様子がミルクレープのようなので、この名前が付けられました。苦戦した単語に絞ることで、無理なく効率的に暗記を行うことができます。1日に覚える単語数は50個など多い方がよいですが、自分のペースに合わせて決めてください。

国語の勉強のコツ

国語は、主に「漢字」と「読解力」の2つに分かれます。それぞれの勉強のコツを見てみましょう。

・漢字

漢字は、意味を理解すると覚えやすくなります。ただの記号として覚えると苦痛になることも。漢字辞典なども利用して意味を調べた方が、手間はかかっても効率的だといえるでしょう。おろそかにしがちな部首や書き順も意識してみてください。読書を通して漢字に触れる機会を増やすのも効果的です。

・読解力

読解力を付けるためにおすすめなのは、やはり読書。ただし、たくさん読めばよいというわけではありません。大事なのは量よりも質。わからない言葉の意味を調べたりしながら、読解力や語彙力を育てていきましょう。

また、読むだけでなく、話したり書いたりすることも必要。「AはBだから、Cだと思う」というように、相手にわかりやすく伝えることを日頃から意識してみましょう。読書をしたときに、意見や疑問点を伝えるのもよいですね。日記も、相手に伝わるように文章を書く練習になります。

算数(数学)の勉強のコツ

算数は、基礎の計算力が必要。小学校での勉強が、中学校、高校、そして大学受験の基礎にもなります。そのためには、なるべく苦手意識を持たないようにしていくことが大事。小学校低学年のうちは、積み木やパズルなどの算数要素がある遊びと組み合わせたり、ゲーム形式にしたりするとよいかもしれません。楽しみながら達成感を味わえる工夫をしてみましょう。

また、単元が積み重ねになっていくのも算数の特徴です。たとえば、九九をしっかり覚えていなければ、二桁の掛け算はできませんし、方程式が解けないまま連立方程式を理解することもできません。

そのため、わからない問題が出てきた場合は、学年を超えて前の単元に戻ることも大切です。基礎からやり直す方が、算数、数学が伸びることもあります。

また、失敗を恐れない心を作ることも大事。結果に注目するのではなく、それまでの過程に目を向けてみましょう。答えが違ったり時間がかかったりしても、それは悪いことではありません。過程の中でできていることを認めながら、どこを直せばよいのかを考えていけばOKです。そうすることで、失敗しても乗り越えられるように。過程を大事にすれば本当の意味で理解できるようになるため、基礎力アップにもつながります。

理科の勉強のコツ

理科は、日常生活に結びつけやすい教科。料理、生き物、自然現象、機械……身の回りには理科に関連するものがたくさんあります。料理をしたり、動物を観察したりする中で、「どうすればうまくできるだろう?」「これはどうしてこうなるのだろう?」と考えてみてください。まずは、自分の好きなことや興味があることから。そうすれば、理科へのハードルが下がるはずです。

もともと理科が好きなら、日常生活においてもどんどん実験や考察をしてみてください。保護者のかたがサポートする際は、邪魔をしたり止めたりせずに、なるべく見守ってあげるとよいですね。

社会の勉強のコツ

社会科は暗記がカギです。ただ、記号として単語を覚えるのは難しいもの。ですからまずは、おおまかな流れや全体像を理解することから始めましょう。歴史背景や、地域ごとのつながり、政治や経済の仕組みなどですね。全体像が理解できると、細かい単語も覚えやすくなります。

また、地図や年表と、日常生活の情報とを照らし合わせていくのもおすすめです。「テレビドラマやクイズ番組を見ながら年表を広げる」「旅行や散歩に行きながら地図を見る」といった感じです。自分の興味があることや日常生活とリンクさせることで、理解度が高まるはず。漫画やアニメも、社会科に興味を持つきっかけになることがあります。

効率の悪いNG勉強法4選

効率が悪いといわれる勉強法もあります。「いくらがんばっても結果が出ない」という人は、当てはまるものがないかチェックしてみてください。

作業しただけで勉強したと思ってしまう

「ノートまとめ」「教科書に線を引く作業」「単語帳を作る作業」。この作業だけで満足してしまっている場合は要注意です。

作業をすると、内容が頭に入る場合もあります。ただ、作業が目的になってしまうと効果が薄れる可能性も。これだと、時間ばかりかかって学習の内容が身につきません。さらに、アウトプットが足りないため実践力がつかず、知識も定着しづらいです。

作業だけに一生懸命になるのではなく、問題演習をして知識をしっかり身につけ、実践力をつけましょう。手を動かすだけでなく、頭を働かせることが大切です。

問題を解きっ放しにしている

問題演習をしてわからないところや間違えたところがあったとき、どうしていますか? もし、「なぜ間違えたか」「どこがわからなかったか」を解決していないのであれば、要注意です。これだと、理解できていない部分がそのままになり、いつまでも同じところでつまずくことに。その結果、効率が悪くなってしまいます。

わからなかったところや間違えたところは、解説を読んだり学校や塾で質問したりして、早期に解消しておきましょう。また、つまずいたポイントが解決したら、再度同じ問題を解き直すことも重要。これにより、理解できたかどうかをチェックすることができます。

問題演習と解き直しを繰り返すことで、解法や知識がしっかり身についてきます。一見地道な作業ですが、結果的にこちらの方が効率的。問題を解く際は、自分自身でフィードバックすることが大切なのです。

暗記を避けようとしている

暗記をしないとできない問題もあります。「暗記は効率が悪い」と思っている人もいるかもしれませんが、避けてばかりはNG。覚えていないポイントでいつもつまずくことになるため、非効率です。

たとえば英語や古文。これらの教科は、単語を覚えなくてもある程度推測できるという側面があります。ただ、毎回推測するよりも意味を覚えていた方が問題を解く際に効率が良いですよね。正しい意味を覚える方が正確性も上がり、確実に知識が身につきます。「なんとなく推測できるから」というやり方は改めた方が良いでしょう。

また、一見暗記が不要だと思われる数学や算数でも、解法や公式を覚える必要があります。解法を覚えることを避けていると、毎回時間をかけて解法をひねり出すことに。これでは非効率ですよね。最低限の英単語・古文単語や、数学・算数の基礎的な解法は、積極的に暗記するようにしましょう。

一度で全部覚えようとしている

一度にすべて覚えようとしても記憶が定着しません。かえって時間がかかってしまい、非効率に。そう、記憶の定着には反復が重要なのです。

単語帳やテキストの内容を一度で全部覚えようとして、じっくり通読する人もいるでしょう。しかし、一度で覚えるのは難しいもの。暗記すべき内容は、繰り返し見直して覚えるようにしましょう。数学などの解法についても、同じ問題を2~3回繰り返すことで定着するようになります。

睡眠を削って勉強に充てる

少しでも勉強時間を増やそうと、睡眠を削るのはおすすめしません。睡眠時間が短いと学業成績が悪くなる傾向があるという調査結果もあります。また、平日の就寝時間が遅いと成績が悪くなる傾向もあるため、遅い時間まで勉強するのは得策ではないでしょう。

睡眠が重要なのは、睡眠によって記憶が定着するためです。また、睡眠時間が長い子どもの方が、記憶を司る海馬の体積が大きいという結果も出ています。

睡眠時間を確保した上で、効率よく勉強を進める方法を模索しましょう。

参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/josm/3/2/3_127/_pdf

効率の良い勉強にはやる気と集中力も欠かせない

効率の良い勉強法を実践するには環境も大事。上手に環境作りをして、やる気と集中力を高めましょう。

集中できる場所で勉強

余計な情報が少ない環境で勉強するのが、やる気を引き出すコツです。具体的には、図書館や知り合いのいないカフェといった、静かで誘惑が少ない場所のこと。「勉強するしかない」という、集中できる場所を探してみましょう。

騒音をシャットアウトする

イヤホンなどで音楽を聴き、騒音をシャットアウトするのも良い方法。カフェなどの場合は、自分以外にも人が多くいます。隣の人の話が気になってしまうと、集中力もやる気もダウン……。そうならないためにも、音楽はおすすめです。ただし、頭の中で歌ってしまっては意味がありません。「歌える曲」は避け、歌が入っていない曲をBGMとしてかけるとよいでしょう。クラシックやジャズなどは適度にリラックスもできるので、BGMに向いています。

ただし、毎回音楽をかけて勉強するのはおすすめしません。音楽がないと集中できなくなってしまう可能性があり、静かな授業中やテストで実力が発揮できなくなります。

関連記事:音楽を聴きながら勉強してもいい? メリットや効果と注意点を解説

適度に部屋を掃除する

自宅で勉強をするしかない、ということもあるはず。その場合は、勉強のやる気を阻害し得る要素を視界から排除するようにしましょう。つまり、掃除です。ただし、掃除に夢中になって勉強がおろそかにならないように注意。勉強の邪魔になるものを視界の外に追いやるだけに留めておきましょう。

帰ってきたままの格好で勉強

自宅で勉強する際は、部屋着ではなく帰ってきたままの服装がおすすめ。ポイントは靴下。締め付けを感じることで、自分の心も引き締めることができます。部屋着に着替えるとリラックスできますが、そのままやる気がなくなる場合も。勉強に集中したいのであれば、服装も気持ちも緩めないようにすることが大事です。

部屋の温度は少し低めに

エアコンの温度を少し低めに設定することもおすすめです。やる気を引き出す上で、大切なポイントの一つといえます。人によって異なるかもしれませんが、部屋の温度が高めになっていると頭がボーッとしてしまいがち。「ボーッとしてきたから少し休憩」が環境のせいにならないように、室温にも気を遣いましょう。

まとめ & 実践 TIPS

効率良く勉強することで、将来の目標に向けてのやる気もアップします。結果が出てくれば、モチベーションも保ちやすくなるでしょう。自分の勉強法が効率の悪いものだった人は、今回の方法を参考にしてみてください。気付いた今から意識していけば、あなたの勉強法はより効率的になるはずです。

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