夏休みの宿題には何がある?その目的とは?保護者のサポート方法も紹介

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夏休みにはたくさんの宿題が出されます。学校の授業内容を復習できるワークや自由研究、絵日記など、宿題の種類によって取り組み方が異なるのも普段の宿題とは違う部分ですよね。夏休みの宿題の目的や取り組み方をチェックし、保護者が適宜サポートしてあげましょう。

この記事のポイント

なぜ夏休みの宿題が出る? 意義や目的

「夏休みの宿題なんて、なければいいのに」
遊びたい盛りの子どもたちにとって、宿題は悩みの種かもしれません。しかし、夏休みの宿題が出されることには、きちんと意味があります。

【1】これまでの授業の理解度を確認する

学校がある期間は、日々学校の授業や宿題に追われて、なかなかじっくり考えられません。勉強した内容を自分が理解しているのかどうかわからないまま、新しいことに取り組んできたという子もいるでしょう。

夏休みは、そうした慌ただしい学習を一旦ストップして振り返る期間。これまでの授業をどのくらい理解しているのか、学校で出る夏休みの宿題をとおして確認しましょう。

【2】学校の授業で学習した知識を復習する

どこまで理解できて、どこでつまずいているのかを確認できたら、つまずいている部分をきちんと復習することが大切です。

間違えた漢字や言葉を覚え直す、間違えた算数の問題で考え方や計算方法を理解し直すなど、宿題で間違えた部分の解き直しをとおして知識を確実に身につけましょう。
しっかり復習しておくことで、2学期以降のつまずきを大きく減らせますよ。

【3】疑問点を解消し意欲を向上させる

復習をしていると、「そういえば、これはどうしてこうなるの?」と疑問に思うことが出てくるかもしれませんね。

自由に勉強を進められる夏休みなら、そうした疑問にも積極的に取り組み、教科書や参考書、図鑑などを使ってじっくり調べる時間があります。
わからなかったことが「わかった!」に変わるのはとても嬉しいもの。「疑問をもって調べ、解決する」という体験により、学習意欲を向上させられるでしょう。

【4】計画性・学習習慣を身につける

夏休みは約1カ月続きます。たくさん出る夏休みの宿題をきちんと終わらせるには、長期間にわたる学習計画が必要です。

「今日はドリルを2ページやる」「本を10ページ読む」など、約1カ月かけて計画的にコツコツ続けることで、学習習慣も身につけられるでしょう。

毎日の習慣として学習できるようになれば、今後の受験勉強や資格取得、大人になってからの勉強にもとても役立ちます。

【5】家での学習方法を身につける

学校では先生が教材や学習方法を準備して導いてくれます。一方、家では一緒に勉強する友達も先生もいないのが普通です。

夏休みは、学習を進めるにはどうすればよいかを子どもが自分で試行錯誤できる期間。保護者にとっても、どのような時間帯、場所、学習量、進め方が我が子に合っているのかを見極めるチャンスです。

子どもの様子を観察しながら、その子に合った学習スタイルを見つけてあげましょう。

【6】自主学習を学力向上につなげる

子どもに合った学習スタイルが見つかると、子ども自身が自分で学習を進められるようになります。

夏休みの宿題による復習をきっかけに、疑問点を調べたり何度も練習したりするといった自主学習を進められるようになると、「わかった」「自分できた」という大きな喜びにもなります。

「勉強は楽しい、わかることが嬉しい」という気持ちをもてれば、子どもはどんどん自分から学び始めるもの。子どもの自主学習が、さまざまな場面で子どもの学力向上につながっていくでしょう。

夏休みの宿題を効率的に終わらせる方法と注意点

たくさんある夏休みの宿題を効率的に終わらせるには、スケジュールの立て方だけでなく、自由研究や絵日記といった宿題の種類別の対策が必要です。

【1】スケジュールの立て方

夏休みの学習スケジュールを立てる際は、まずドリルや問題集をいつ・どのくらい取り組むかを決めると立てやすくなります。

1日に取り組むドリルや問題集のページ数は、実際に子どもが勉強に使える時間を計算した上で目安を決めるとよいでしょう。勉強の時間帯は、疲れのない午前中がおすすめです。

また、起床時刻を学校へ行っている期間と同じにすれば、夏休み中の子どもの生活リズムが崩れにくくなります。
以下のスケジュールの立て方を参考に、子どもと一緒に計画表を作ってみてください。

<スケジュールの立て方>

(1)1日24時間から、子どもが睡眠・食事・移動・入浴・支度・片付け・家事の手伝い・習い事などに使う時間を引き算する
(2)家庭のお出かけ予定などを確認し、勉強時間や宿題に取り組む期間から除外するかどうかを検討する
(3)残った時間のうち、学年の目安となる勉強時間をもとに、各曜日の勉強時間や勉強場所を決める
(4)規定の勉強時間の中で、勉強する内容(どの教科を何ページ取り組むのか)を決める
(5)自由研究や工作、読書感想文に取り組むための期間や時間を決める

【2】自由研究は残り日数に注意しつつ、おでかけの活用も

夏休みの宿題で時間がかかるものの1つが自由研究。きちんと取り組もうとするほど1日だけでは終わらないものです。

自由研究には、一定期間の観察や実験、気づいたことや調べたことをまとめる時間などが必要です。夏休み最終日に一気にやってしまおうとするのではなく、事前に段取りを決め、余裕をもって進めましょう。

なお、水族館や動物園へ行く予定があるなら、普段なかなか見られない生き物を観察するのがおすすめ。SDGsにも関係の深いテーマとして「海の生き物の多様性」「陸の生き物の多様性」といった観点でまとめることもできます。こうした施設に行く際は、ぜひスケッチブックや色鉛筆を持っていきましょう。

【3】読書感想文を書く課題図書は早めに決める

読書感想文は、早い子なら1日で書けてしまうかもしれません。ただ、「そう感じた理由は何か」などを掘り下げた読書感想文を書くには、きちんと課題図書を読み、子どもが自分の頭でじっくり考え、自分の手で作文を書く時間が必要です。

読書感想文を書くための課題図書は、なるべく早いうちに決めてしまうのが得策。読書感想文コンクールの公式サイトでは課題図書の試し読みも可能です。

もし子ども自身で1冊に決められないようなら、2冊読んでから好きなほうの課題図書で書く方法でも構いません。読書が苦手な子は「1日10ページ」などの目標ページ数を決めて取り組みましょう。

【4】絵日記も計画的に取り組む

絵日記の宿題には少々苦い思い出がある保護者もいるのでは? 8月終わりに新聞やウェブサイトに掲載される夏休みの天気一覧に助けられた人もいるでしょう。

でも、子どもたちにはそうした慌ただしい最終日を迎えてほしくないもの。夏休みのうち何日分書くのかをあらかじめ確認しておき、「週に1〜2回」や「おでかけの日」など、絵日記をつける日を決めておくとスムーズに取り組めます。

書きやすいイベントがない日は、着眼点を少し工夫してみてください。

「公園の草や木を観察したら、こんな虫がいた、こんな花があった」
「家の近くの道路を観察していたら、午前中はこういう人たちが歩いていたけど昼はこういう人たちがいた」
今まで気にしていなかった部分を意識すると、ちょっとした発見があるかもしれません。

夏休みは1日どれくらい勉強すればいい?

夏休みの勉強時間は、1日あたり「学年×10分」が目安です。1年生なら10分、4年生なら40分、6年生なら60分。受験をする場合は「学年×20分」で設定するとよいでしょう。
この目安は学校がある期間にも使われるものですが、夏休みも同じ目安で構いません。

ただ、1日にどのくらい勉強できるかには個人差があります。その子に合った無理のない勉強時間を相談しながら決めてください。
工作や自由研究、読書感想文などは、これとは別の時間を設けて取り組みましょう。

子どもが夏休みの宿題を始めないときに親ができること4つ

子どもがなかなか夏休みの宿題を始めないときは、ただ急かすよりも環境を整えたり始められない原因を考えたりすることがサポートのコツです。

【1】「勉強させる」より環境を整える・気にかける

子どもが夏休みの宿題をなかなか始めないと、「さっさと宿題やりなさい!」と言いたくなってしまうもの。しかし、そうした声かけは実際の勉強時間をのばす効果よりも、子どもの気持ちをイライラさせたり無気力にさせたりするような悪影響を与えやすいという指摘があります。

夏休みの勉強スケジュールを子どもと一緒に相談しながら作成したあとは、勉強開始の声かけをしたり、勉強しやすい環境を整えたりするといったサポートを心がけましょう。

勉強を終えたときや子どもが自分から勉強し始めた日は「集中してたね」「今日の分が終わったね」とたくさん褒めてあげてください。

【2】親も一緒に勉強や読書を始める

子どもが勉強しようとしているときに、他の家族がテレビを観て楽しそうにしていたりゲームをしていたりすると、気になって集中しにくくなることがあります。「なんで私だけ勉強するの?」と感じることもあるかもしれません。

そうした場合は「15分だけやってみよう」などと声をかけて、保護者も一緒に勉強や読書を始めてみて。「勉強を自分からやる」というお手本を示すことで、子どもの学習習慣が身につきやすくなります。

保護者自身がやろうと思いつつ保留してきた資格の勉強や積ん読の消化などをしつつ、子どもの宿題を見守りましょう。
勉強時間が終わったら、自分はどんな勉強をしたのか親子で報告し合うのも楽しいものです。

【3】学習計画に沿って宿題を進められた日にシールを貼って褒める

目の前の楽しいことに気を取られて「勉強なんて後回し!」となってしまうようなら、学習計画表に学習記録をつけて、取り組み状況を「見える化」しましょう。

学習記録は子どもが達成感を得られる仕組みがおすすめ。子どもが好きなシールを貼る、スタンプを押すなど、ちょっとした工夫がやる気をアップさせてくれます。

「すごいね、今週は毎日シールが貼ってあるね。今日もシールを貼れるといいね」など、これまでの取り組みを振り返って、学習を促してあげてください。

【4】困っていることがあるか聞き、必要に応じてアドバイス

環境を整えたり声かけをしたりしても宿題に取り組めない場合、何か困っていることがあるのかもしれません。

特定の問題がわからない、教材が見つからない、いつもと違う場所で勉強したい、体調が悪いなど、宿題への妨げになっているものはありませんか? もしあるなら、必要に応じてアドバイスをしたり教材をそろえたりしましょう。

体調が悪い場合は無理をさせず、ゆっくり休ませてあげてください。
もし学習計画の内容が子どもにとって多すぎるようなら、子どもと相談しながら計画を修正しましょう。

親は夏休みの宿題をどれくらいフォローしていいもの?

子どもがなかなか宿題を進められないのを見ていると「自分だったらこうするのに…!」と感じて、つい「そうじゃない」と口を出してしまいがち。でも、子ども自身が困っている様子がないなら、ひとまず見守ってあげましょう。

親がフォローしてあげるとよいのは、以下の3点です。

【1】時間管理をする

1つめは、学習の時間管理。小学校高学年になってくると、自分で時計を確認して学習を進めるようになる子もいますが、なかなかメリハリをつけるのが難しい子もいます。

子どもの学習計画の作成をサポートしたあとは、毎日の勉強開始時刻に「そろそろ勉強の時間だね」と声をかけたり、「このページは15分でやってみよう」などその子に合った目標時間を教えたりしてあげてください。

自由研究や読書感想文なども、後回しにならないよう取り組み日を決めて準備段階から声かけを。
長時間連続して勉強を続けると疲れすぎてしまうので、適度に休憩を入れるよう声をかけることも大切です。

【2】つまずいている部分を確認してアドバイスする

2つめは、子どもが「うまくいかない」と困っている際にその原因を一緒に考えてあげることです。

たとえば、わからない問題で手が止まっているなら考え方や知識を一緒に確認。気が散りやすいなら、漫画やゲームを片付けたり、テレビを消したりなど、勉強しやすい環境を一緒に整えてあげましょう。

また、漢字練習で「きれいに書けない」とこだわって何度も書いたり消したりを繰り返しているようなら、「最初の5回は書き順を覚えよう」「次の5回は線の長さを意識しよう」「3分で5回書いてみよう」など小さな目標を決め、目標ごとにチェックしてあげるとよいでしょう。

【3】疑問点の解消に必要な情報がどこにあるかアドバイスする

学習や自由研究などを進めていると、「これはどうなっているの?」と子どもが疑問を口にすることがありますよね。
そんなときは、保護者がすぐに答えてしまうより「一緒に考える」「一緒に調べる」ことを意識しましょう。子ども自身が「そうか!」と納得できるほうが、子どもにとっての達成感も大きくなります。

ここで重要なのが3つめのポイント、「必要な情報がどこにあるかアドバイスする」です。

生き物に関することなら、水族館や動物園、図鑑、百科事典。歴史に関することなら、図書館や百科事典で調べたり博物館や資料館の人に聞いたりすると情報を得やすいでしょう。最近の時事問題なら、インターネット、新聞、雑誌が便利です。ときには、さまざまな人へのインタビューで貴重な話を聞けるかもしれません。

図書館にどんな本や資料があるかは、多くの場合インターネットで調べることができます。まずは自宅にある本や図鑑、図書館の検索システムで情報を探し、次にインターネットでニュースなどを調べてみるとよいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

子どもの夏休みの宿題で親がサポートできるのは、学習計画の作成や時間管理、環境づくり、子どもが困っているときのアドバイスなどです。

「ああしなさい」「こうしなさい」と細かく指示を出すよりもサポートが必要な時まで見守ってあげるほうが、子ども自身も試行錯誤できますし、自分から「そうか!」という気づきを得るチャンスも増えるでしょう。子どもの勉強と同じ時間帯に親自身も勉強などを進めていけば、自ら学ぶお手本を示すこともできます。

熱中症予防など体調管理に気をつけてあげながら、計画的に宿題を進めていきましょう。

出典:
夏休みの勉強、1日にどれくらいの時間、机に向かえばいい?|ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/kyouiku/201608/20160814-2.html

夏休みのお出かけ 自由研究も出来ちゃうおススメスポット|ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/kyouiku/201807/20180723-1.html

宿題に時間かかりすぎ……早く終えられる子どもに変える8つの方法|ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/kosodate/202104/20210429-1.html

小学生の「調べ学習」を楽しく進めるためのポイント|ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/kyouiku/202107/20210701-1.html

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