【小学生のマラソン大会】どんな練習をするといい? 本番に勝つための戦略は?

冬の学校行事としてマラソン大会を実施する小学校もあります。長距離を本格的に走るのは初めてという子どもも多いかもしれません。マラソン大会に向けた練習法や当日の戦略について、小学生からオリンピック選手までを対象に陸上競技の指導をするゆめおり陸上クラブ・コーチの松原薫さんにアドバイスをいただきました。

どんな練習が効果的?

小学生の持久走の練習では、「無理をしない」ことがいちばんのポイントになります。中学生くらいになると体がかなり発達して、本格的な長距離走の練習ができるようになりますが、小学生には負担が大きく、ケガにつながったり、発達に支障が生じたりするリスクがあるためです。

ですから、毎日長距離を走り込むのではなく、遊びの中でたくさん体を動かして徐々に体力をつけていくことを心がけてください。例えば、公園を走り回ったり鬼ごっこをしたりアクティブに遊べば自然と持久走につながる体力は高まっていきますし、サッカーやバスケットボールなどのスポーツをするのもよいでしょう。縄跳びも体力アップにおすすめです。小学校のマラソン大会は、距離がそれほど長くありませんし、対策はそれくらいで十分だと思います。

保護者のかたと一緒にジョギングをすることもあるかもしれませんが、子どものペースに完全に合わせるのでなければ、あまりおすすめできないというのが本音です。大人のペースについてこさせるのは体力的に無理がありますし、自分のペースで走れないと、走ることは苦しいことだとインプットされて、運動嫌いになってしまうかもしれません。子どもが心地よさを感じて会話を楽しめるくらいのペースを保ち、疲れが見え始めたらすぐに歩くようにしましょう。そのように心がければ、親子のコミュニケーションの時間にもなるのではないでしょうか。

マラソン大会当日の戦略は?

マラソン大会で良いタイムを出すために、保護者のかたにアドバイスしてほしいのは、「同じペースで走りきる」ということです。長距離走は同じペースを保って走りきった場合、ベストタイムが出ることが多いからです。序盤に飛ばし過ぎてスタミナが尽きたり、逆に終盤で追い上げようとして体力が余ってしまったりすると、タイムが伸びないことが多いのです。

といっても、ゴールした時点で体力があり余っている状態だとベストタイムは出ません。初めてのコースで体力をちょうど使いきるペースで走るのは難しいので、事前に同じ距離を走って大体のペースをつかんでおくと良いでしょう。そして本番では、周囲がどんどん先に行っても、強い気持ちをもって自分のペースを守ることが大切です。

走り方にもコツがあります。持久走ではいかに無駄な体力を使わないかがポイントですので、「背筋をピンと伸ばす」「腕や肩は力を抜いてリズミカルに振る」「前に勢いよく踏み出したり後ろに強く蹴ったりしない」といった走り方を心がけましょう。また、しっかりと息を吸うことを意識すると、呼吸が安定しやすくなります。

マラソン大会当日の朝食は、スタミナをつけようとして食べ過ぎるのはNG。苦しくて走れなくなってしまいます。量はほどほどにして、エネルギー源となるバナナや炭水化物などを重点的にとるようにしましょう。胃腸内の炭酸ガスの発生を抑えるヨーグルトもおすすめです。

できる範囲でがんばれるように応援しよう!

持久走は、走っているときに苦しさを感じることもありますが、それだけに達成感を得やすく、「やればできる」といった自信にもつながります。勉強など他のことをがんばろうという気持ちにもなるかもしれません。決して無理をさせることなく、子どもができる範囲でがんばれるように応援してあげてください。そうすれば、走ることの楽しさを実感し、運動が好きになることにもつながるに違いありません。

プロフィール

松原薫

松原薫

ゆめおり陸上クラブのコーチ(専門は短距離)。ソウルオリンピック日本代表、日本選手権100m優勝、ローマ世界陸上日本代表、国際陸上競技連盟公認コーチ(IAAF CECS LevelⅡCoach)、中学校・高等学校第一種教員免許(体育)。

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