手のひら全体に小さなブツブツが広がり、すごくかゆいようです。なぜなったのか、どうしたらいいのかわかりません。

砂かぶれ（様）皮膚炎は、正式には「小児掌蹠丘疹性紅斑性皮膚炎」といい、1歳をピークに4歳までの幼児の手足にしばしばみられる皮膚疾患です。以前は、お砂遊びをする頃になってから現れることが多いことと、まるで砂にかぶれたかと思われるような手掌を中心とした細かい赤い丘疹であったために、「砂かぶれ様皮膚炎」と呼ばれてきました。しかし、最近では、ウイルス感染症であるとの説が有力となっています。この疾患の特徴は、女の子の方が多く（男子：女子＝3：4）、5〜6月をピークに春〜初夏に多く、時々発熱を伴うこと、血液検査をするとリンパ球が多く、ＥＢウイルスの抗体価が高い例が見られること、などです。手のひらや足の裏だけに、1〜2mmの非常に細かい赤いプツプツ（丘疹）が密に多発します。痒がることが多く、痛みはありません。赤い丘疹は次第につながって、全体が真っ赤になり、やがて薄皮がむけてきて治ります。できてから治るまで、2〜4週間と比較的長くかかりますが、後遺症もなく、自然に消退する良性の疾患です。再発もほとんどありません。治療としては、何もしなくても自然治癒するのですが、痒みが強い場合はかゆみ止めとしてステロイド軟膏や抗ヒスタミン薬が処方されます。皮がむけてきてカサカサしてきたときは尿素軟膏、ヘパリン類似物質（ヒルドイド）軟膏などを塗ると落ち着きます。治るまではしばらく、手の平に強い刺激を与えるようなお砂遊びや公園での遊具で遊ぶことは控えたほうがいいですが、治ったら運動や遊びなども制限する必要はありません。