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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - 発疹・かゆみ
体にかゆみを伴う湿疹(しっしん)ができ、かき壊してかさぶたのようになり、それでもかゆがります。
体にかゆみを伴う湿疹(しっしん)ができ、かき壊してかさぶたのようになり、それでもかゆがります。特に入浴時や眠くなったとき、睡眠時はボリボリとかきむしってしまいます。頭もかゆがり頭皮にかき壊したようなかさぶたができています。
日ごろのケアや気をつけるべき点は何ですか? シャンプーの仕方やドライヤー、かゆがったときの対処法を教えてください。
アトピー性皮膚炎の可能性が考えられます。一度皮膚科を受診し、悪化要因は何か相談し、症状に合った軟膏(なんこう)や保湿薬を処方してもらうことをおすすめします。
皮膚が乾燥してかゆくなり、引っかいてしまうと、皮膚のバリア機能が壊れて一層かゆみに敏感になります。そしてまた引っかくことを繰り返し、かゆみの悪循環が起きてしまいます。これは、いわゆる乾燥肌(ドライスキン)から生じるアトピー性皮膚炎の初めの症状です。
アトピー性皮膚炎の発症には大きくふたつの要因があると考えられています。ひとつはアレルギー、もうひとつはドライスキンです。
アレルギーについてはよく知られていて、ダニやホコリ、花粉やカビ、動物の毛や食べ物などに対してアレルギーを起こしやすい体質の場合、それらと接触すると皮膚がかゆくなり、湿疹ができます。
予防には、アレルギーの原因となる物質を調べ、なるべくこれらを避けるように、適切な指導を受けることです。
一方、ドライスキンが原因の場合、皮膚が乾燥するとカサカサして表皮の角層がはがれやすくなり、すき間ができてバリア機能が失われ、様々な外からの刺激の影響を受けやすくなり、さらに皮膚からますます水分が失われます。
バリア機能が弱いと、外からダニやホコリ、汗や花粉などさまざまな刺激が直接皮膚内に侵入してきますので、それに対して異物を排除しようとするアレルギー反応が起こり、湿疹となるわけです。湿疹となると、いろいろなかゆみを起こさせる物質が出てくるので、ますますかゆみが強くなります。
これを断ちきるために大切なのは、皮膚の清潔と乾燥を防ぐスキンケアです。
まず、皮膚の表面についているさまざまな刺激物質をきれいに洗い流しましょう。このとき、タオルやスポンジで強くこすったり、熱いお湯で皮膚の油分を奪いすぎると皮膚は一層乾燥しやすくなります。
香料や防腐剤、着色料などの入っていない無添加の石鹸(せっけん)をよく泡立てて、手で滑らかになでるように洗い、石鹸分が残らないようによくすすいでください。洗ったあとは、10〜20分以内に保湿薬を塗りましょう。
保湿薬にもいろいろな種類があるので、最初は一部に使ってみて、もし赤くなったり、かゆくなったりした場合は別のものにしましょう。かき壊しや湿疹があるならそこには保湿薬は塗らずに、炎症を抑えるステロイド軟膏などを塗りましょう。
頭皮がカサカサしてかゆがるようでしたら、入浴前に頭皮にオリーブ油などを塗り、指の腹で優しく洗い、そのあと保湿やかゆみ止めのローションを塗りましょう。
ドライヤーは頭皮をますます乾燥させるので、あまりしっかり乾かさないでなま乾き程度にとどめ、熱くなりすぎないように気をつけましょう。かゆがったときは、ぬれタオルや氷をビニールに入れたり、保冷剤をタオルで包んでかゆい所に当て冷やしてあげたり、かゆみ止めの薬を塗り直してあげるとよいでしょう。
代わりにかいてあげたり、さすってあげたりするのは余計にかゆくなり逆効果です。