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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 発疹・かゆみ
6ヵ月ごろよりかゆくなり出し、8ヵ月ごろには激しくかきむしり、血がにじむようになっています。スキンケア以外にどのような対応策が考えられるでしょうか?
6ヵ月ごろより額、首の後ろ、耳、ひじ裏、足首をかゆがり、8ヵ月ごろからは腕や胸からおなかにかけても激しくかきむしり血がにじむようになっています。
小児科で湿疹(しっしん)と言われ、保湿剤を、かき壊した所には抗生剤を処方されましたが、一向によくならずますます皮膚の赤黒い箇所が増えているように見えます。寝入るときや泣いてぐずったとき、お風呂上がりの体温が上昇しているときに最も激しくかゆがります。冷水を霧状にして吹きかけてから塗り薬を塗ったり、室温を低めにしたりしていますが、あまり効果はないようです。
どんな対応策が考えられるでしょうか?
アトピー性皮膚炎の可能性が高いと思われます。乳児湿疹であれば、1歳過ぎに自然に治る可能性が高いのですが、重症なアトピー性皮膚炎の場合は、皮膚のバリアが破壊されていますので、食物制限やダニ退治だけで治癒することは難しいため、アトピー性皮膚炎に詳しい医師を受診されることをおすすめします。
ご相談の症状から推察すると、アトピー性皮膚炎の可能性が高いと思われます。
1歳過ぎに自然に治る方がおられるのですが、重症なアトピー性皮膚炎を発症するかたは、乳児期に湿疹ができることで発症することが多いので、ステロイド外用薬を使って速やかに治療された方が良いでしょう。
いずれにしても、原因は単純ではなく、環境と遺伝が複雑に影響し合って発症します。
重症なかたの場合、食物制限やダニ対策だけで治癒するケースは極めてまれです。いったんひどい湿疹ができると皮膚のバリアが破壊されていますので、さまざまな悪化因子が皮膚からも侵入し、さらに皮膚状態を悪化させるという悪循環に陥ることがあります。
その場合、原因が何であれ、まずはステロイド外用剤で正常な皮膚に戻してバリアを回復してあげることが必要となります。特に皮膚から体液がしみ出して、下痢も合併しているような場合は生命にかかわることがありますので、湿疹だからと軽く考えるのは危険です。
速やかに皮膚状態を改善したうえで、食物や環境など皮膚を悪化させる原因対策を講じつつ、徐々にステロイド外用剤を減らしていくようにします。
従って、まずは、小児科または皮膚科のアトピー性皮膚炎や乳児の湿疹に詳しい医師(判断のこつは、納得の得られる説明と優れた治療効果が得られるかどうかです)を受診されることをおすすめします。