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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 下痢・嘔吐
友人の車に乗せてもらうと必ず吐きますが、小さいときから車酔いはあるのでしょうか?
友人の車に乗せてもらうと必ず吐きます。自分の車で出かけるときはチャイルドシートに乗せているので、2〜3時間のドライブでも平気ですが、人の車に乗せてもらうとダメみたいです。特別に何か食べさせたというわけでもありませんし、体調が悪いわけでもありません。
こんな小さいときから車酔いはあるのでしょうか? 何か対処法はありますか?
小さいお子さんでも、車酔いは見られます。そのときの体調や車に乗るときの状況にも左右されます。しかし車酔いでなくても吐くこともあります。
耳の鼓膜より奥に前庭という器官があり、この器官が正常に機能することによって、バランスをとって立っていることができます。
車や船に乗って、加速度を伴った上下、左右の動きなどで前庭器官が刺激を受けますと、前庭機能に異常が生じ、バランスがとれなくなり、めまいが生じたり、嘔吐(おうと)をしたりします。これが車酔い現象、あるいは船酔い現象です。
小さいお子さんの場合はその前庭の機能も十分発達していないために、逆に車酔いを起こしにくいのです。年齢的には5〜6歳ごろから起こりやすくなるようです。しかし、乳児でも起こさないというわけではありません。
また、車酔いは車に乗ると常に起こる場合もありますが、条件がそろうと起こす場合もあります。
体調が悪いとき、睡眠不足のとき、空腹や食べ過ぎたとき、疲れているとき、車に乗ることをいやがるときなどは起こしやすくなります。
また、前の座席に座る、車の横の窓から外を見る、車の中で絵本や本を見ている、車の中が暑く蒸している、ガソリンなどのにおいがするなども、車酔いの原因となります。最近では、車の中の臭いに子どもが反応して吐くことがあり、車に脱臭剤を使うことをすすめている場合もあります。
もし、車酔いになったら、車を止めて安静にするか、車から降りることが最もよい方法です。それができないときは、気分を紛らせたり、窓を少し開けて外の空気を入れ、体を横にして安静にすることです。吐く場合はがまんさせずに、口を下にしてビニール袋などに吐かせてください。また、窓から外を見たり、絵本などを見ないようにしてください。
ご相談のお子さんの場合は、自宅の車では酔わないのに、人の車だと酔うということは、車の状態、車の中の臭い、乗るときの条件など、お子さんがその違いを微妙に感知し、緊張しているのかもしれません。