小さい子は下痢や嘔吐をしやすいのですか。その原因は何ですか。

小さなお子さんの胃腸は大人よりかなり敏感です。まだ胃は小さく、胃腸の運動をつかさどる神経の働きや、胃と食道の間の協調した動きが未熟なため、下痢や嘔吐もよく起こすのです。
ちょっと食べすぎたり、子どもには不適切な食品、嗜好（しこう）品、体の疲れからも下痢や嘔吐を起こしますし、大人と同じく環境の変化や不安や緊張をしいられたときなどにも起きます。
お子さんが、こうした「一時的な胃腸の働きの乱れ」による下痢や嘔吐を起こしているのなら、確かに自然に治ることが多いと思います。
お子さんの様子をよく観察し、機嫌がよく、全身状態も良好で、元気に遊んでいるようであれば、深刻な下痢・嘔吐と考えなくても問題ないでしょう。

「一時的な胃腸の働きの乱れ」以外に下痢や嘔吐を起こす原因としては、「細菌性腸炎」や「ウイルス性胃腸炎」など、ウイルスや細菌によるものが多く見受けられます。
「細菌性腸炎」とは、いわゆる「食中毒」のことです。食べ物や人間の手を介して口から入った細菌や、それらの細菌のもつ毒素が胃腸を傷つけ、非常に激しい下痢や嘔吐、腹痛が起こります。発熱や血便を伴うこともあります。
一方の「ウイルス性胃腸炎」を引き起こす代表的なものは、「ロタウイルス」「ノロウイルス」「腸管アデノウイルス」などです。冬に流行することの多いウイルス感染症で、「流行性嘔吐下痢症」「冬季乳児下痢症」とも呼ばれており、聞いたことのあるおうちのかたもいるかもしれませんね。また、夏風邪の中にも胃腸炎を伴うものがあります。