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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - 発熱
病院でけいれんではなく、悪寒だと言われたのですが、けいれんと悪寒を区別する特徴などありましたら教えてください。
突発性発疹(ほっしん)で発熱した際に、1日に三度けいれんを起こしました。
その2週間後に夏風邪を引き、ほんの一瞬体をガクガクとさせて意識を失い、これはけいれんを起こす直前だったのだろうと言われました。
その夏風邪が治りきらない内に、違う風邪を引いてけいれん止めの座薬を投与した後に、40度を超える熱が出て全身をガクガクと震わせ意識を失うことが3回ありました。
今回は意識を失う直前に叫び声をあげていたことから、呼吸が止まっていないのでけいれんではなく悪寒だと言われたのですが、「悪寒は意識があり、意識を失うのはけいれん」と書かれているものを見ました。
またかかりつけ医からは「手足が硬直していても、呼吸があり、顔色も悪くならなければけいれんではない」と聞きましたが、ほかにけいれんと悪寒を区別する特徴などありましたら教えてください。
悪寒とけいれんの区別は難しいこともありますが、意識がなくなるかどうか、眼球が固定しているかどうかなどが、区別をするのに重要な点です。
急に高熱になるときに、悪寒戦慄(せんりつ)といって、寒気を感じ、体を震わせるような動作をすることがあります。
これはウイルスや細菌による感染などで熱が上がるときに、自分の体温を上げようとして、血管が収縮し熱の放散を抑え、筋肉を収縮させ熱を産生します。しかし血管を収縮させるために皮膚の温度は下がり寒気を感じ、筋肉の収縮による震えが見られます。これが悪寒戦慄と言われる現象です。
しばらくして高い熱が出てきます。これは脳が刺激されて起こるけいれん状態ではありませんので、意識の障害は見られません(呼びかけに反応します)。
また、子どもの場合は、熱性けいれんといって大人に比べて脳が未熟なために、大人では起こすことがないような発熱でも脳を刺激してけいれんを起こしてしまいます。
どちらも高熱に関連しているので、悪寒戦慄との区別は難しいこともありますが、意識の消失、眼球が固定する(一点凝視)、体をかたくしているときに呼吸が止まっている(顔色が悪くなることがありますが短いけいれんの場合は顔色が悪くならないこともあります)、初めは全身の筋肉がかたく突っ張るようになり、その後手足をがくがくとさせてくる、よだれや唾液(だえき)を息と一緒に飛ばす、などの状態があればけいれんと考えられます。
しかし、体の一部だけ(例:右手だけのけいれんなど)の場合は、意識がなくならないこともあります。
お子さんの場合、突発性発疹はけいれんを起し易いウィルス性の病気です。
その後3回40度の高熱でけいれんを起こしており、4回目はけいれんの前に大きな声をあげ意識もなくなっていないので、けいれんの可能性もありますね。