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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
病気と予防アドバイス - 下痢・嘔吐
冬に多い嘔吐や下痢はどんな病気からきていると考えられますか。かかった場合に気をつけたいことも教えてください。
冬になって息子の通う保育園で嘔吐や下痢で休む子が増えてきました。夏ではないので食中毒ではないと思いますが、これはどんな病気なのでしょうか。もしかかってしまったら、どんなことに気をつければよいのか教えてください。
冬の嘔吐・下痢は「冬季乳児下痢症」または「流行性嘔吐下痢症」などと呼ばれます。この病気にかかってしまったら、脱水症に気をつけ、子どもの様子をよく見て、早めに小児科医の受診を心がけましょう。
冬の嘔吐や下痢は、「冬季乳児下痢症」または「流行性嘔吐下痢症」などと呼ばれます。
突然の嘔吐が1〜2日続き、さらに38〜39度の高熱も1〜2日出て、その後白っぽい水のような便が1日10回以上出ます。
この病気にかかったら注意したいのは「脱水症」です。小さな子どもは体の水分が多く、下痢や嘔吐が続くと体全体の水分も不足します。重症の脱水症は生命の危険もあるため、早急に治療します。重症かどうかの目安は、「目がくぼむ、泣いても涙が出ない」「唇や皮膚が乾燥している」「おしっこがほとんど出ない」「ぐったりして動かない」「うつらうつらしている」「水分を少しでも与えると、すぐ吐いたり下痢をする」など。
このようなときは、至急病院で治療を受けましょう。
一方、おしっこが普通で、皮膚の乾燥もあまりないものの、「とても水分をほしがる」「機嫌が悪い、興奮ぎみ」というときは軽度の脱水症と考えられます。
この場合は水分を補うため、スプーンひとさじくらいの水分をこまめに与え、様子を見て量を増やします。
与えてよい水分は経口補水液が一番ですが、乳児用イオン飲料や、母乳、りんご果汁なども。
逆に与えてはいけない水分は牛乳、乳製品、オレンジジュースなどのかんきつ系果汁です。これらは下痢を悪化させるので避けましょう。
ある程度回復してきたら、消化のよい食事を与えます。おかゆややわらかいうどん、豆腐などもよいでしょう。食事の目安は「便のかたさと同じくらいのかたさ」です。
もう一つ注意したいのは「清潔なおしりを保つこと」。下痢便が長時間おしりについていると、皮膚が荒れてしまいます。シャワーで洗い流したり、ぬれタオルでふきましょう。荒れてしまったら、病院で塗り薬を処方してもらうとよいでしょう。