「語彙力が高い人」ってどんな人?語彙調査の結果から探る!

最近、語彙力について書かれた本がベストセラーになるなど、語彙力の重要性が改めて注目されています。それでは「語彙力が高い人」とは、いったいどのような人なのでしょうか。
ここでは、「語彙・読解力検定」を主催する㈱ベネッセコーポレーションが高校生~社会人約3,000人を対象に行った「第2回現代人の語彙に関する調査」(以下、「語彙調査」http://www.goi-dokkai.jp/research/index.html)から、特に高校生・大学生の中で「語彙力が高い人」の特徴を紹介します。

語彙力の「高い」「低い」人(グループ)については、高校生・大学生それぞれについて上位・下位30%の回答者を抽出して集計しています。
数値は、小数第2位を四捨五入して計算しています。

特徴その① ノンフィクションの本が好きで月1冊以上読んでいる
読書と語彙力との関係については、「幅広いジャンルの読書をする人のほうが、語彙力がより高い傾向」であることが、昨年実施した第1回調査で明らかになりました(http://benesse.jp/kyouiku/201708/20170802-2.html)。さらに、今回の調査では、高校生・大学生ともに「語彙力が高い人」のほうがノンフィクションの本を読む割合や、ノンフィクションの本を読むことが好きな人の割合が高いことがわかりました(図1-1)。

項目は「あなたはノンフィクションの本を読むことが好きですか」という設問に対して、「好き」は選択肢「とても好き」「好き」「どちらかといえば好き」、「嫌い」は「まったく好きではない」「好きではない」「どちらかといえば好きではない」を合計した数値。

また、ノンフィクションの本を読まないと答えた人を除いたうえで読書量について見たところ、「語彙力が高い人」のほうが月1冊以上読む割合が高いという結果でした(図1-2)。

設問「あなたはノンフィクションの本をどのくらい読みますか」に対して、図の「月1冊以上」は選択肢「月に1~2冊」「月に3~4冊」「月に5~6冊」「月に7冊以上」を合計した数値(選択肢「わからない」「まったく読まない」は図からは除いている)。

特徴その② メールやSNSを利用しているが時間は短め
次に、メールやSNS(LINE、twitter、Instagramなど)の利用状況と語彙力との関係から、「語彙力が高い人」の特徴を見てみましょう。
メールについては、「語彙力が高い人」は高校生では約半数、大学生では約4分の3が利用していますが、低い人は高校生では約3割、大学生では約半数でした(図2-1)。「語彙力が高い人」のほうがメールを利用しているといえそうです。

設問「あなたは、インターネットで次のようなサービスをどのくらい利用していますか。それぞれについて平日(月~金曜日)1日あたりの平均として、もっとも近いと思うものを選んでください」に対して、図の「15分以上1時間未満」は選択肢「15分以上30分未満」「30分以上1時間未満」、「1時間以上」は選択肢「1時間以上1時間半未満」「1時間半以上2時間未満」「2時間以上」を合計した数値。

それではLINEはどうでしょうか。
まず、LINEを利用している人の割合ですが、語彙力の「高い」「低い」にかかわらず、高校生では約9割、大学生ではほぼ全員という結果でした。次に利用時間については、高校生・大学生ともに「語彙力が高い人」ほど利用時間が短いといえそうです(図2-2)。
たとえば、高校生で長時間利用(「1時間以上2時間未満」「2時間以上」)している人の割合は、語彙力が「低い」グループが32.0%なのに対して、語彙力が「高い」グループでは18.3%、と少なくなっています。

設問「あなたは、インターネットで次のようなサービスをどのくらい利用していますか。それぞれについて平日(月~金曜日)1日あたりの平均として、もっとも近いと思うものを選んでください」に対して、図の「15分以上1時間未満」は選択肢「15分以上30分未満」「30分以上1時間未満」、「1時間以上に時間未満」は選択肢「1時間以上1時間半未満」「1時間半以上2時間未満」を合計した数値。
調査では、「メールをする(LINEは含まない)」、「LINEをする」の他にも、「twitterをする」「Instagramをする」
「Facebook・Mixi・Tumblrなどをする」についてもたずねているが、ここでは省略している。

特徴その③ 「論理的思考力」が高い
では次に、語彙力と思考力との関係について見てみましょう。国の教育カリキュラムである学習指導要領でも特に重視されている論理的思考力に関する項目について、語彙力が「高い」「低い」グループ別に「あてはまる」と答えた人の割合を比較してみました(図3)。
回答者の自己評価ではありますが、「筆者の意見と事実とを区別して読むことができる」では、語彙力が「高い」グループと「低い」グループとでは、高校生で44.0ポイント、大学生で38.6ポイントと大きな差がありました。「語彙力が高い人」は論理的思考力も高いといえそうです。

回答者数は、高校生:「語彙力高」(n=345)「語彙力低」(n=347)、大学生:「語彙力高」(n=342)「語彙力低」(n=342)。
項目は「次の文章について、どのくらい自分にあてはまりますか」という設問に対して、各項目に「あてはまる(とても+まあ)」と回答した割合。また項目は15項目についてたずねているが、図では語彙力の高低で差が大きかった3項目を抜粋している。

特徴その④ 進路検討の開始・決定時期が早い
最後に、高校卒業後の進路の検討開始・決定の時期について、語彙力による違いがあるのかを、すでに高校を卒業している大学生の調査結果からみてみましょう。
進路検討の開始時期については、「高校入学前」に進路検討を始めた人の平均語彙力が70.7%であるのに対して、「高校3年生の夏頃まで」など高校3年生以降と答えた人は59.9%でした。また、進路の決定時期については「高校1年生」と答えた人の平均語彙力が70.6%だったのに対して、「高校3年生の夏頃まで」と答えた人は63.9%でした。「語彙力が高い人」のほうが、進路の検討開始・決定の時期が早いようです。
この他にも、「語彙力が高い」人は政治への関心が高く、選挙への投票意欲が高いことや、学校での「アクティブ・ラーニング*」を多く経験していて、「アクティブ・ラーニング」のような授業が好きであることなども見えてきています。

語彙力とこれらの特徴の因果関係まではわかりませんが、語彙力が高いことは学習だけではなく子どもが成長していくうえでも重要であることは間違いないようです。ノンフィクションの読書、メールやSNSとのかかわり方、家庭での過ごし方、時間の使い方などを、お子さまやご家庭の状況にあわせて見つめ直すヒントにしてみてはいかがでしょうか。

*アクティブ・ラーニング…教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。

出典元:現代人の語彙に関する調査
http://www.goi-dokkai.jp/research/index.html

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