子どもに自信をつけさせる! 目標の立て方【保護者のサポート編】
お子さまに合った目標設定を行うには保護者のサポートが不可欠です。そこで、前回に引き続き、筑波大学大学院准教授の外山美樹先生に、保護者はどのようにサポートすべきか、具体的にアドバイスをいただきました。
目標の立て方&サポートのアドバイス
◆幼児の場合…身近な目標を立ててあげましょう
お子さまにとって身近で、少しがんばれば達成できる目標を保護者のかたが一緒に立ててあげるとよいでしょう。たとえば、「毎日おはようと言う」「幼稚園から帰ってきたら脱いだ靴をそろえる」などです。幼児の場合は、目標を立てたことをすぐに忘れてしまいますから、目標を書いて壁に貼り、よい行動ができたらすぐほめてあげましょう。そして、達成できたらカレンダーなどにシールを貼り、お子さまのがんばりを可視化してあげるといいと思います。
◆小学生の場合…お子さまの能力に合った目標を立ててあげましょう
小学校になるとお子さま自身に目標を立てさせたいと考える保護者も多いと思います。その場合、お子さまの能力に合った目標を設定してあげましょう。たとえば、小学1年生でも、30分間静かに机に向かって問題が解ける子もいれば、机に向かって10分間座っているのが難しい子もいます。周囲のお子さまやきょうだいと比較せず、お子さまが少しずつ成長できるように、小さな目標から設定してあげましょう。目標に取り組みやすくなるように物理的な環境を整えたり、目標に向けてどう努力すればいいかアドバイスしたりしてあげてほしいですね。お子さまは「できた!」という喜びを体験したら、次第に「次は○○もがんばりたい」と自分から目標を立てられるようになるはずです。
◆中学生の場合…目標達成のための計画を立てられるようにサポートを
中学生になると「そろそろ何でも一人でがんばってほしい」という思いから、目標に向けてどうがんばるべきかを本人に任せたいと考えている保護者のかたも多いようです。もちろんできる子はそれでいいのですが、ベネッセの調査では、中学1年生では、まだまだ自分で目標に向けて計画を立てて勉強できる子は多くないようです。「テスト勉強しなさい」と言われても、どうしたらいいのかわからず、行動に移せないお子さまもいます。そんな場合は、今週どんな勉強をしたらいいか、一緒に計画を立ててあげるといいと思います。次第に、お子さまは自分なりに目標達成のための計画を立てられるようになり、自信を持つことができるはずです。
振り返りを大切に
目標を立てて実行したあとは、目標が達成できたか検証することが大切です。振り返りまでの期間は長すぎるとモチベーションが続きませんから、1週間単位で行うとよいでしょう。ポイントは、よくできたところに注目してあげることです。「毎日30分勉強する」という目標を掲げ、たとえ週3回しか勉強できなくても、「週3日しか勉強できなかったじゃない」と言うのではなく「週3日勉強できたから、次は週4日がんばってみよう」と励ましてあげてください。もし、1日も目標が達成できないとしたら、目標設定が高すぎたのかもしれません。その場合は、目標を下方修正しましょう。
長所を伸ばす目標設定を
いくつかポイントをご紹介しましたが、これらを守って必ず目標に向けて努力させなければと堅く考える必要はありません。まず、お子さまのよいところを伸ばすために楽しみながらチャレンジしてほしいですね。
ついつい自分の子のできなかったところに目を向けてしまったり、ほかのお子さまと比較してしまったりすることがあると思います。お子さまには、よいところはたくさんあります。短所だと思っているところも、見方を変えれば長所になるはずです。たとえば、飽きっぽい子は、さまざまなことに好奇心がある子と考えてみてはいかがでしょうか。その長所をうまく伸ばしてあげながら、自信をつけさせてあげると、ほかの活動にも意欲を持って取り組むことができるはずです。