奥山佳恵さん(女優・タレント)が語る、マイペースで幸せ子育て【前編】~ブログで世界中のママ友とつながる

女優、タレントとして、ドラマやバラエティーで活躍される奥山佳恵さんは、2児の母。長男の空良(そら)くんは元気で素直な性格の小学5年生、9歳離れた弟が大好きな優しいお兄ちゃん。2歳半になる弟の美良生(みらい)くんは、いつもニコニコ全身でご機嫌を表す、一家のスーパーアイドル。2人のお子さまとご主人との、4人家族です。明るく元気なイメージの奥山さんも、初めての出産直後は、産後ブルーに苦しんだといいます。そんな奥山さんが、子育てに「幸せ」を感じられるようになったコツを伺いました。

思いもよらなかった産後ブルー、救ったのは……

長男の時は初めての子どもですから、何かあってはいけないと常に緊張していました。神経質なほど育児書に忠実に、とにかく一生懸命でした。空良はなかなか寝てくれない子で、産後の体力のない時期は本当につらく、振り返れば3か月間、私は笑っていませんでした。

実はこの時期、私は子どもをかわいいと思えなくて、そのことに悩んでいたんです。「ママになったらハッピー」のはずが、私にはそう思えない、自分は母親失格だと思っていました。一人っきりでこれだけ一生懸命がんばっている私のファイトを、誰にも見てもらえていない、ほめてもらえない。夜遅くに仕事を終えて帰ってくる主人にも、当たり散らしていました。自分がこんな風になるなんて、想像もしませんでした。

自分のペースで生活ができなくて、時間が消えてなくなっていくようでした。けれど、ある時ほんの10分程度のすき間時間に、ふと手元にあったタオルでよだれかけを作ったのですが、それを息子に付けたらすごくかわいくて……。ただのタオルから、「私の時間がモノとして生きた」と、心が動きました。消えるように過ぎていく時間が「モノを作る」ことで形になるという大発見に、生きる喜びを取り戻せたんです。



「いいことは数えると増える!」の法則

こうした発見は他にもあります。たとえば、「いいことは数えると増える!」の法則。ブルーになっている時って、視野が狭くなっていると思うんです。それに気付いたら、「いいことないかな」と幸せの種を探します。「信号がスムーズだった」「小銭でぴったり払えた」「友達に偶然会った」など、どんな小さなことでも「いいこと」を書き留めます。それを数え始めると、おもしろいほどどんどん「いいこと」が増えていくんです。そうすると心もラッキーなことを探し始めて、気持ちが変わります。見つけ上手になると、世界には「いいこと」がいっぱいあるとわかって、ハッピーな気分になりますよ。



イライラも笑いに転換してブログで公表! 世界中にママ友がいる幸せ

それでも時には、イライラすることはあります。特に、長男はお調子者で、しかも今は反抗期の入り口。順調に育っている証とはいえ、常に私のイライラの種です。実は私は怒りの沸点が低く、主人にも「そこで怒るか?」と言われるほどカッとしやすい性格。なので、意識して怒りを笑いに変換しようと努力しているんですよ。気分はトンチをひねり出す「一休さん」です(笑)。

ブログを書き続けていることもプラスに働いています。怒りが込み上げるような出来事も、写真やイラスト入りでブログに書けばお笑いネタになります。反応してくれる皆さんのおかげで、怒りを笑いに変えられています。「ウチもそうです!」などとコメントをいただくと、世の中のママたちと気持ちを共有している感じがうれしくて、「私には全世界にママ友がいる!」と幸せになれるんです。

次回は、ダウン症と診断された次男の美良生(みらい)くんとの生活と、仕事と育児の両立の秘けつについて、引き続きお話を伺います。


プロフィール



東京都出身。1992年にスクリーンデビュー後、ドラマ、バラエティ番組、舞台など幅広く活躍する。2001年に結婚、2児の母として、女優・タレント活動を続けながら、楽しむ子育てを実践中。

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