水泳の授業が楽しみ! けれど気配りしてあげたい、こんなこと

アンケート期間:2013/05/22~2013/05/28 回答者数:1346名
アンケート対象:小学生の保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある

今回のテーマは、水泳。小学生のお子さまをお持ちの保護者を対象にアンケートを実施しました。お子さまが泳げる距離、マスターしている泳法、小学校の水泳の授業に対する印象などをお聞きしました。また、高学年の保護者には、授業で水着を着用することをお子さまがどう感じているかなどもお伺いしています。



6年生では半数以上の子どもが50メートル以上泳げるように!

最初に、お子さまが何メートルくらい泳げるか、どの泳法をマスターしているかを伺いました。

【図1 お子さまは何メートルくらい泳げますか?(学年別)】
図1 お子さまは何メートルくらい泳げますか?(学年別)

【図2 お子さまは、どの泳ぎができますか? (学年別、複数回答可)】
図2 お子さまは、どの泳ぎができますか? (学年別、複数回答可)

まず、お子さまが泳げる距離(図1)について見てみましょう。「5メートル未満」という回答は「1年生」の保護者では33.8%ですが、「6年生」の保護者では2.8%と激減。一方、「1年生」では8.5%に過ぎなかった「50メートル以上」という回答は、「6年生」では51.2%と過半数まで増加しています。

次に、お子さまが泳げる泳法の種類(図2)について聞きました。「決まった形の泳ぎはできない」という回答は、「6年生」では5.9%と、68.3%だった「1年生」の10分の1以下になりました。4泳法のうち、身に付けた割合が最も高いのは「クロール」で、「4年生」以上では80%を超えています。「1年生」では28.3%なので、3年間で3倍近くの子どもが泳げるようになったことがわかります。また、他の3泳法(「背泳ぎ」「平泳ぎ」「バタフライ」)も、「6年生」では「1年生」と比べて泳げる割合が高まっていました。

このように、学年が上がるにつれて泳げる距離が長くなり、泳ぎ方をしっかり習得していることがわかります。



約6割の子どもがスイミングスクールに通った経験あり。効果はどのくらい?

続いて、お子さまがスイミングスクールに通っているかどうかを伺いました。

【図3 お子さまは、スイミングスクールに通っていますか?】
図3 お子さまは、スイミングスクールに通っていますか?

お子さまをスイミングスクールに「通っている」「以前通っていた」というご家庭は、約6割と、半数を優に超えていることがわかりました。

【図4 スイミングスクールに通わせてよかったと思うことは何ですか? (複数回答可)】
図4 スイミングスクールに通わせてよかったと思うことは何ですか? (複数回答可)

通わせることのメリットを伺ったところ、子どもが「泳げるようになった」ことを挙げるかたが86.2%と、群を抜いて多いことがわかりました。

【図5 お子さまは何メートルくらい泳げますか? (スイミングスクール経験者別)】
図5 お子さまは何メートルくらい泳げますか? (スイミングスクール経験者別)

【図6 お子さまは、どの泳ぎができますか? (スイミングスクール経験者別、複数回答可)】
図6 お子さまは、どの泳ぎができますか? (スイミングスクール経験者別、複数回答可)

スイミングスクールに通わせていないご家庭(「今後通う予定がある」+「通ったことがない・通う予定はない」)と比較すると、「通っている」「以前通っていた」ご家庭では、お子さまの泳げる距離が長く、何らかの泳ぎができる割合も高くなっています(図5・図6参照)。ただ、通わせていないご家庭でも、「25メートル」泳げるという回答は30%を超え、「クロール」が「泳げる」という回答も60%以上。スイミングスクールに頼らずに、泳ぐ力を身に付けるお子さまも少なくないようです。



ほとんどの保護者が小学校の水泳の授業を歓迎! その半面、不安も……

次に、小学校に水泳の授業があることについてどう感じるかをお聞きしました。また、お子さまは水泳の授業が好きであるように見えるかどうかも、伺っています。

【図7 小学校で水泳の授業があることはよいことだと思いますか?】
図7 小学校で水泳の授業があることはよいことだと思いますか?

【図8 お子さまの水泳の授業について、不安に思われることがありますか?】
図8 お子さまの水泳の授業について、不安に思われることがありますか?

小学校に水泳の授業があることは、「よいことだと思う」(「とてもよいことだと思う」+「まあよいことだと思う」)という保護者がほとんど(図7参照)。そう思う理由としては「泳げるように指導してもらえるため」という理由がめだちます。また、水難事故からの身の守り方を教えるなど、授業の広がりをうかがわせる声も挙がりました。

一方、水泳の授業に不安に思うことが「ある」という保護者も、3割ほどいらっしゃいます(図8参照)。
どのようなところに不安を感じるかを伺ったところ、「病気の感染などの衛生面」が4割以上でトップ。「保育園のプールでいわゆる水イボに感染したので、小学校のプールでは大丈夫だろうかと心配しています」(小1・男子の保護者)、「屋外プールなので、水質が気になります」(小6・女子の保護者)といった声が寄せられています。病気では水イボの他、流行性角結膜炎(はやり目)、咽頭結膜熱(プール熱)の感染がめだつようです。
また、気温が低い日に授業が行われたり、プールと更衣室(教室)が遠かったりするため、風邪を心配する声も寄せられました。



高学年になると、水着を着ることに恥ずかしさを感じるお子さまも!

では、お子さまは水泳の授業をどう感じているでしょうか。保護者から見た印象をお聞きしました。

【図9 お子さまは水泳の授業が好きだと思いますか?】
図9 お子さまは水泳の授業が好きだと思いますか?

最も多かったのは、子どもは水泳の授業が「好きである」(「とても好き」+「まあ好き」)と思うという保護者。8割近くに達しました。
ただ、思春期に差しかかる5・6年生の保護者には、「子どもは授業で水着を着用することを恥ずかしがっているようだ」というかたもいらっしゃいました。恥ずかしがる理由を伺ったところ、次のような声が寄せられました。

◎女子の保護者
●日焼けの他、腕や足のムダ毛が多いことを気にしている(6年生)
●男子も一緒の授業なので、水着になって体のラインが出ることが恥ずかしい(6年生)
●男子が女子の体を見て、胸の話をすることなども気にしている(6年生)

◎男子の保護者
●発毛し始めており、水着になるとめだつから、と恥ずかしがっている(6年生)
●太っていることをからかわれるので、嫌なようだ(6年生)
●女子の前で水着になることに、抵抗があるみたい(6年生)

性別にかかわらず、「水着になるとムダ毛や体型が目に付きやすくなるため」という声がめだちました。「水着姿を異性に見られることに抵抗があるようだ」という声も少なくありません。
また、授業で着用する水着について学校で指定があるかどうかお聞きしたところ、「指定はない」という回答が半数以上。そのため、「スカートタイプではなく、ショートパンツタイプを購入しました」「バストトップのめだたないものを探しました」(いずれも6年生・女子の保護者)など、お子さまの要望に添った水着を選ぶことができる学校も増えているようです。



小学校の水泳の授業にこんな要望あり!

最後に、小学校の水泳に対して感じていることを、具体的に伺いました。

☆小学生の水泳に関して日頃どのようなことを感じていますか? 具体的に教えてください

●ゴーグルを着用させてほしいです(2年生・男子の保護者)
●もっと水泳の授業回数を増やしてほしい(3年生・女子の保護者)
●子どもが紫外線対策をすることを許可してほしい(4年生・男子の保護者)
●日焼けが心配なので、ラッシュガード(*日焼け防止や保温などのために着用する上半身用の衣服)の着用を許可してほしい(5年生・女子の保護者)
●どのように水質を管理しているのかを、もっと知らせてほしい(5年生・女子の保護者)
●先生のうち、必ず一人は水着に着替えてくれています。今年から女の子の水着がセパレートになり、トイレが楽になってよかった(5年生・女子の保護者)
●本人のペースでがんばれるのが息子に合っている(4年生・男子の保護者)
●みんなでプールに入るので、それほど嫌がっていない。今後も続いていってほしい(4年生・女子の保護者)
●放課後は無料開放してくれて、暑い日は喜んでプールに行っている。このまま子どもたちが気軽にプールを楽しめる環境が続いてほしい(5年生・男子の保護者)


多くの保護者が小学校の水泳の授業に対して好感を抱いているようです。「泳ぎ方をしっかり教えてくれる」、「水泳の楽しさだけでなく、怖さも理解させてくれる」といった声が挙がりました。
しかしその半面、衛生管理などへの不安の声も多く聞かれます。また、高学年のお子さまをお持ちの保護者からは、「水着に着替える場所を男女別々にしてほしい」といった要望も少なくありません。
そして、いちばんの目的ともいえる「泳げるようになること」に関しては、「授業だけでは足りない」という声も多く寄せられました。解決策として、スイミングスクールに通わせたり、保護者のかたがプールで教えたりしていることもわかりました。

「水着が脱ぎ着しやすいセパレート式でもよくなった」「ゴーグル着用が許可された」など、子どものことを考えて変化している学校も徐々に現れています。しかし、基本的には保護者の世代からあまり変わっていない点も多いのが実態のようです。

「更衣室を男女別に」「紫外線対策を」「衛生管理を」など、保護者の要望は多岐にわたっています。一方で、学校側にも予算の制約があるなど、すぐに実現するのは難しい部分が多いと考えられます。しかしながら、子どもにとっては夏の楽しみのひとつでもある水泳の授業、今後もよい方向への変化が期待されます。


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