<小学生・サッカー初心者の練習法>【第5回】スローインと浮き球のコントロール
今回は2つのテクニックに挑戦します。1つ目は、タッチラインの外に出たボールを仲間に渡す「スローイン」、もう1つは、パスを受けた時に役立つ「浮き球のコントロール」です。どちらも試合をする時に必要なテクニックです。そんな2つのテクニックを身につける方法を、元Jリーガーの中里宏司氏が、お手本を示しながらわかりやすく紹介してくれます。親子で一緒にチェックして、チャレンジしてみてください。
<小学生・サッカー初心者の練習法>【第5回】スローインと浮き球のコントロール(動画)
トレーニング1
「スローイン」
スローインは、ボールがタッチラインの外に出た時、ゲームを再開するために決められているルールです。両手を使ってラインの外から仲間にボールをパスします。ただし、スローインには次のようなルールがあります。守らないとファールスロー(反則)となり、相手チームにスローインの権利が移ってしまうので、注意しましょう。
ルール1:ボールは両手で持ち、頭の後ろから頭の上を通して投げること
ルール2:必ず体が向いている方向に投げること
ルール3:両足を地面から離さないこと
やってみよう! |
(1)2人1組で5~6メートル離れて立ち、1人がボールを持って相手にスローインをします。もう1人はそのボールを手でキャッチし、今度は自分がスローインをします。両足を広げてその場に立ったままでスローインしても、片足を一歩前へ踏み出しながらスローインをしても、少し助走をつけてからスローインしてもかまいません。 <スローインでボールを遠くまで飛ばすポイント> ・上体を少し後ろに反らしてから投げる (2)ボールをねらった位置にコントロールしてスローインする練習をします。2人1組で5~6メートル離れて立ち、ボールを持っていない人が、顔の前、胸のあたり、ひざのあたりなど、ボールを受けたい場所を手で合図して、ボールを持っている人はそこをねらってスローインします。 |
トレーニング2
「浮き球のコントロール~キャッチ~」
浮いたボールを頭、胸、もも、足でコントロールしてから、手でキャッチする練習です。体のいろいろな部分をクッション代わりに使い、飛んできたボールの勢いを吸収することで、自分の思うとおりの場所にボールをもっていけるのです。身につけておくと、パスやシュートの時に役立ちます。
やってみよう! |
2人1組で3~4メートル離れて立ち、1人がボールを相手に向かって投げ、もう1人がそれをトラップ(ボールを止めること)してから地面に落ちる前に手でキャッチします。ボールを投げる場所は胸、もも、頭、足と変えていきます。体のどんな場所でトラップする時も、ボールの勢いを吸収することが大切です。 <浮き球をコントロールするためのポイント> ・胸の場合…少し息を吐き、体に力が入らないようにしてボールの勢いを吸収する ・ももの時…なるべくももの上のほうで、ももを少し後ろに引きながらボールの勢いを吸収する ・頭の場合…ひざを曲げ、頭を少し後ろに引きながらボールの勢いを吸収する ・足の場合…足を少し後ろに引きながらボールの勢いを吸収する |
トレーニング3
「浮き球のコントロール~パス~」
浮いたボールを頭、胸、もも、足でコントロールしてから、手でキャッチせずに相手にパスをする練習です。ボールを自分の足元にピタリと落とせれば、パスがしやすくなります。
やってみよう! |
2人1組で3~4メートル離れて立ち、1人がボールを相手に向かって投げ、もう1人がそれをトラップしてから、落ちてきたボールがはずまないように足でコントロールし、相手にパスをします。ボールを投げる場所は胸、もも、頭、足と変えていきます。 <浮き球をコントロールしてパスするためのポイント> ・足の裏などいろいろな場所を使って、できるだけ早くボールの勢いを止める |
ちゅうコーチからのアドバイス:スローインと浮き球のコントロールで大切なこと
《スローイン》
・ボールを遠くまで飛ばすためには、上体を少し後ろに反らしてから投げる
《浮き球のコントロール》
・トラップする瞬間、ボール受ける体の部分を少し後ろに引く
・胸でトラップする場合は、少し息を吐く
・ももでトラップする場合は、なるべくももの上のほうで受ける
・頭でトラップする場合は、ひざを曲げる
親子でチャレンジ
「落ちてきたボールを足でコントロール」
サッカーをまったく知らない人でも、親子で一緒に楽しみながら、自然にボールの扱いがうまくなるトレーニングを紹介します。今回は、落ちてきたボールを足でコントロールするトレーニングです。
やってみよう! |
(1)2人1組で3~4メートル離れて立ち、1人がボールを相手の足元に落ちるように投げ、もう1人がそのボールを、足の裏を使って止めます。ボールが地面に当たって跳ね返ってくるタイミングで押さえつけるのがコツです。 (2)2人1組で3~4メートル離れて立ち、1人がボールを相手の足元に落ちるように投げ、もう1人がそのボールが地面に落ちる前に、足の甲を使って止めます。ボールが足に当たる瞬間に足を少し引いて、ボールの勢いを吸収するのがコツです。 |
ワンポイントアドバイス
「試合に出られなかった時の接し方」
Q:試合に出られなかった子どもに対してどんなふうに接してあげたら良いですか?
A:サッカーのいちばんの楽しみは何といっても試合に出ること。子どもたちにとって試合に出られない時のショックは大きく、親としても、子どもの気持ちを思うと心配になってしまうことでしょう。ここでまず大切なのは、お父さん、お母さんが冷静に子どもを見守ってあげることです。そして、子どもにこんな言葉をかけてあげると良いでしょう。
「言葉かけの例」
「プロの選手だって全員が試合に出られるわけじゃないよね。だから決してがっかりする必要はないよ。大切なのは、サッカーが好きな気持ち、そして、一つのことを続けるという気持ちなんだよ」
試合に出る、出ないではなく、一つのスポーツを続けるということは、心と体の健全な成長につながります。ぜひ、子どもたちの成長を長い目で見て、アドバイスをしてあげてください。
ちゅうコーチの「今日のひとこと」
サッカーでは、上手な人のテクニックを見ることもとても大切です。どんなふうにボールを扱って、どんなふうに蹴っているか、うまい人のプレーをまねすることは、サッカー上達の秘けつです。もちろん、プロの試合を見ることもとても参考になりますよ。