PTA広報誌(紙)、全体を読む保護者は約6割
「PTA広報誌(紙)は不要」という保護者も3割以上!
では保護者は、PTA広報誌(紙)を必要だと感じているでしょうか。
【図5 あなたにとって広報誌(紙)はどのくらい必要ですか?】
「PTA広報誌(紙)は必要だ」という保護者は、6割以上を占めています。必要性を感じる理由としては、「先生がたの紹介など、広報誌(紙)がないと得られない情報が載っている」など、「情報源として役立つ」ことを挙げる声がほとんどでした。
一方、「PTA広報誌(紙)は必要でない」という保護者も、3割以上。つまり、3人に1人は「不要だ」と感じているわけです。図2で見たように、PTA広報誌(紙)はほとんどの保護者が目をとおしていましたが、一方で必要性を感じていない保護者も少なくないことがわかります。
必要がないと感じる理由を伺ったところ、次のような声が寄せられました。
●最近は学校のホームページもあるし、学校の取り組みや行事などはPTA広報誌(紙)がなくてもわかるため
●正直なところ、PTA広報誌(紙)は一度も読んだことがないんですが、それでも、何か情報が伝わらずに困ったりしたことはありません。子どもとの会話やほかの配布物で、学校やクラスの様子はよくわかります。ということは、PTA広報誌(紙)はなくても構わないんだと思います
●うわべだけしか紹介していないという印象があるため。親として学校行事や部活動には関心があるので広報誌(紙)の紹介記事を読むのですが、いつもがっかりします。単なる活動報告に過ぎず、課題や成果、今後の展望などに踏み込んでいるものは見あたらないのです。はっきり言ってこの程度の内容では、発行する意味がないと思います
●費用対効果が釣り合わないと思うから。広報誌(紙)のレイアウトなどは、業者に頼んでいると聞きました。それだけの費用をかけてまで伝える内容が載っているとは感じられません
誌(紙)面づくり、こんなふうに工夫しては?
次に、PTA広報誌(紙)に対する保護者の希望や要望、意見をご紹介します。
☆PTA広報誌(紙)について、ご希望や要望、ご意見などを自由にお書きください。
●広報委員の作業を考えると、広報誌(紙)はある程度ひな型に沿ってつくったほうが負担が少ないと思います。でも内容が変わり映えしなければ、読み手としては退屈でしょう。タイムリーな記事と写真を載せたり、学校の個性を反映した誌(紙)面づくりをしたりといった工夫も必要だと思います
●もっと読ませる工夫をしてほしい。たとえ学校行事や活動は毎年同じでも、子どもの様子はそれぞれの個性を反映して違ったものになっているはず。その違いを伝えてくれれば、おもしろい誌(紙)面になるのではないでしょうか
●学校のホームページがあるのですから、PTAの広報活動もそこで行えばよいのではないでしょうか。情報通信技術が発達した今の時代、広報誌(紙)を発行することにこだわらなくてもよいような気がします
PTA広報委員活動、「楽しくできた」という声が多数!
最後に、PTA広報委員の活動について伺いました。
【図6 定例会の頻度について近いものを教えてください】
【図7 広報委員の仕事で、以下の仕事内容について、あなたの感想を教えてください】
PTA広報委員のご経験の有無を伺ったところ、経験者は全体の4分の1ほどを占めました。
定例会の頻度は、「月1回」という回答がたくさん集まりました(図6参照)。「月2回」を合わせると全体の5割に迫ります。つまり、半数近くのPTA広報委員会で毎月会合があるということです。
広報委員の仕事の感想を活動内容ごとにお聞きした図7を見ると、「楽しくできなかった」という回答はどの活動でも1割程度に過ぎません。「楽しくできた」という声が大きく上回っていることがわかります。
「楽しくできた」と回答した保護者の割合は、「先生や委員との打ち合わせや記事内容の企画」「取材、原稿執筆依頼、投稿募集、アンケート依頼・集計」で特に高く、6~7割に達しました。
一方、広報委員活動で大変だったこととしては、次のような体験談が寄せられました。
●わたしは広報委員長を3回務めたんですが、毎回委員の皆さんに仕事を割り振るのが大変でした。なるべく均等にしようとするものの、中には活動にやる気を見せず、露骨に嫌な顔をする人もいて、気苦労が絶えませんでした。お金をもらっているわけでもないのに、こんな思いをするなんてやりきれない。そんな気持ちになったこともあります
●委員の定例会やPTA活動が平日の昼間に行われていたため、仕事をしているわたしはスケジュールを合わせるのが大変でした。わたし以外にも、そういう人はけっこういました。どんなに仕事が忙しい人でも、抽選で委員に決まってしまうんです。わたしは選ばれた以上、積極的に活動しようとしましたが、そういつもタイミングよく仕事を休めるわけではありません。ほかの委員のかたに負担をかけてしまったことが何回かあり、申し訳ない思いをしました
●子どもが小学生のころ、広報委員を務めました。広報委員は全学年で2人いたのですが、もう1人のかたはまったく参加しなかったため、わたしが6学年分の原稿を書いたり写真を撮ったりしなければならず、骨が折れました
PTA広報誌(紙)は、ほとんどの保護者が目をとおしていました。誌(紙)面から学校やクラスの活動、様子についての情報を得ようとする保護者が多数でした。
ただ、「広報誌(紙)の全体を読む」という保護者は約6割です。「我が子のクラスの話題だったら読む」「記事よりも写真を見る」という保護者も多く、「まったく読まない」という保護者も1人や2人ではありませんでした。
読まない理由としては、「タイムリーな記事が少ない」など、情報源としての役割を疑問視するコメントが目立ちます。「PTA活動自体に興味がない」という声も聞かれました。学校のホームページなどが充実し、学校から発信される情報を速く、手軽に集められるようになったことが影響しているようです。
広報委員の活動に対しては、「楽しくできた」という声が圧倒的。とはいえ、広報委員になると、打ち合わせや取材、原稿作成などで手間も時間もかかります。委員同士の人間関係で悩んだという体験談も寄せられました。
時代の変化や保護者のニーズに応じて、広報誌(紙)や広報委員活動を見直す時期にきているのかもしれませんね。
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