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総合監修:二瓶 健次 先生
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体の部位アドバイス - 目に関すること
眼科で遠視と乱視と言われ、眼鏡が必要と診断されました。一般的な原因や、今後の治療方法、治癒する確率などを教えてください。
眼科にて遠視と乱視と言われ、眼鏡が必要と診断されました(視力は裸眼で0.3と0.5で矯正して0.6くらいでした)。一般的な原因や、今後の治療方法、治癒する確率などを教えてください。
強い遠視や乱視があると、網膜の中心部に焦点が合わないため、視力の発達が阻害されて弱視を起こします。早期に発見して適切な眼鏡を常用することが第一の治療法です。
子どもの場合、一度では正確な視力を測れないことがしばしばあります。
しかし、一般に4歳になってレンズで矯正しても視力が0.6までしか出ないようであれば、弱視(眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても、視力が出ない状態)になっている可能性が高いと思います。
まず、目や脳の病気がないかどうか、ひと通り精密検査を受ける必要があります。また、視力検査の結果よりも精密な屈折値(近視・遠視・乱視)の検査結果が重要です。子どもは調節力が大きく影響するため、調節麻痺(まひ)薬を点眼しないと正確な屈折値はわかりません。
強い遠視や乱視があると、網膜の中心部に焦点が合わないため、適切な刺激を受けることができず、視力の発達が阻害されて弱視を起こします。これを屈折異常弱視と呼んでいます。また、左右眼の屈折値に差があると、屈折異常の強い目の方の視力発達がより阻害されて、不同視弱視を起こします。目の位置の異常(斜視)があるときは、斜視の目の方に抑制が生じて、さらに重症の斜視弱視を起こしやすくなります。弱視を放置すると、大きくなってから、慌てて眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力が出ません。
治療法の第一は、調節麻痺薬を点眼して測定した精密な屈折値を基に適切な眼鏡を作り、常用させることです。3〜4歳で発見された屈折異常弱視や軽度の不同視弱視であれば、眼鏡をきちんと常用させるだけで視力が向上します。左右眼の差の大きい不同視弱視や斜視弱視では、眼鏡を常用させたうえに、視力のよい方の目をアイパッチなどで一定時間遮閉して、弱視訓練を行う必要があります。順調に治癒するかどうかは、弱視のタイプと治療を開始した年齢に左右されます。子どもの視力の発達は8〜10歳ごろまで続きますが、弱視の治療は早期に行うほど効果が上がりやすいため、診断を受けたら、すぐに眼鏡に取り組んでください。就学までに弱視を治しておくことが望ましく、年長になるほど弱視は治りにくくなります。