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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 目に関すること
毎朝左目だけ目やにがひどく、目が開かないことがあります。痛がったりかゆがったりはしていませんが、眼科を受診するべきでしょうか。
生まれてまもないころから長時間眠って起きると、左目だけ目やにがひどく目が開かないことがよくあります。
目は普通に見えているようですし、充血などもありません。痛がったりかゆがったりということもありません。小児科で相談したこともありましたが、特に問題はないから大丈夫でしょうと言われました。
でも、毎朝のように左目だけ目やにがひどいのでやはり少し心配です。眼科を受診するべきでしょうか?
原因はいろいろ考えられますが、生まれてまもないころから左目だけ症状が続いているのなら、先天性鼻涙管閉塞(へいそく)の可能性があります。一度眼科を受診してみてください。
寝起きに少量の目やにが出るのは普通のことですが、左目だけ目やにがひどく目が開かないという場合は詳しく調べる必要があるかと思います。
結膜炎や逆さまつげ、まぶたのかたちの異常など原因はいろいろ考えられますが、生まれてまもないころから目やにが続いていて、充血や痛みなどはないとすると、涙の排出路である鼻涙管(びるいかん)が閉塞している可能性があります。
先天性鼻涙管閉塞は乳児期にしばしば見られる疾患で、生まれつき鼻涙管の開口部が膜で閉じているために涙や目やにがたまるのですが、通常は2、3ヵ月すると自然に治ってしまいます。しかし、閉塞がひどいといつまでも症状がよくならず、涙道ブジーと呼ばれる器具をまぶた側から通して、閉塞部を開放する処置が必要になります。
鼻涙管が閉塞しているかどうかは、まぶたの内側にある涙点から生理食塩水を注入して鼻やのどまで通過するかどうかを調べる涙道洗浄と呼ばれる検査をするとわかります。既に1歳を超えているので、処置を行う必要があれば、一般に全身麻酔をお受けいただくことになります。
閉塞の程度によっては涙道ブジーで閉塞部を開放した後に、シリコンのチューブを入れたままにしておく必要があり、ブジーが通過しない場合には、涙道と鼻腔(びくう)をつなぐ手術が必要になることもあります。
視力の発達には直接影響しませんが、鼻涙管閉塞があると、細菌が感染して涙の貯留する袋の炎症(涙嚢炎:るいのうえん)を起こすことがあります。
いずれにしろ、一度眼科を受診して正確な原因を調べてもらった方がよいでしょう。