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離乳食について

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

食卓にはいろんなものを並べて食欲を刺激。食事を遊びの延長と感じるような楽しい雰囲気づくりも心がけました。

H.Kさん Rくん (体験談当時の年齢:0歳6ヵ月頃〜1歳0ヵ月頃 男 第2子 東京都)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

もともと母乳やミルクを一度に飲む量が少ない方でしたが、離乳食は自分から口を突き出すほどの食欲が見られ、このまま問題なく成長してくれるのかと思っていました。ところが、何か気に入らないものがあると口からべえっと出してしまったり、昨日は食べてくれたからと同じものを出してもいやがったり、新しいメニューにすると見向きもしないなど、偏食が多く、納豆ばかり食べていたときもあり、栄養の偏りが心配でした。

このようなやり方を取り入れたら、こんな効果がありました

上の子は、少量だけれど、偏食はなく、何でも食べてくれたので、なるべくいろいろなものを食卓に並べるようにしました。お姉ちゃんが食べるのを下の子が見て刺激を受ければいいと思ったのです。また、幼児番組の食べ物の歌を口ずさんでその気にさせてみたり、食事を楽しい雰囲気で盛り上げてみました。きゅうりやにんじんで葉っぱやちょうちょうなどを作ってお皿に盛りつけて、「さあ、今日はハイキングですね。葉っぱにマヨネーズをちょっとつけてパックン、ちょうちょうがお口の中に入ってパックン、トマトさんはほっぺが赤くなってかわいくなるよね」と、食事を遊びの延長でとらえられるようにしたり、食べることに興味をもたせるように心がけました。

現在の子どもの様子と私の気持ちはこんな感じです

体質的に一度に多く食べられるタイプではないのだととらえ、今はこんなふうに食欲も少ないけれど、体を十分動かして元気に遊んでいれば、いつかは食べるときもやってくると、おおらかに見守るようにしました。まだまだ好き嫌いなく何でも食べるというわけではありませんが、運動が好きで、体を動かした日は食欲も多く、食べられるものは少しずつ多くなってきています。

同じ悩みを持つおうちの方へのエール

食欲にムラがあるのは、成長がまだまだ未熟だから、乳幼児期にはよくあること、とゆったりと構えて、食べられないときは、量は多くなくても栄養価の高いものをあげたらどうでしょう。また、食事時間が楽しくなるように、好きなもの中心のメニューにしてあげるとよいと思いますよ。これからの成長を期待してくださいね。お母さんが笑顔で食卓に座っているだけで、心の栄養が十分にとれ、やがて食の栄養もとれていくと思いますよ。

1歳未満のお子さんの栄養・離乳食についてのアドバイス

たけなが かずこ 先生

1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。

食べ物の素材の味、舌触りを覚えさせる
これから成長していくために、ミルクやおっぱい以外の味覚を育てることが大切なことなので、極端な味付けのものを味わわせることは避けましょう。

「噛む」ということを覚えさせる
「噛む」ことはあごを発達させます。この時期にしっかり噛むことを覚えさせ、あごを発達させておくことは、歯並びのためにも大切なこと。また、噛むことで唾液が出ますが、唾液には成長ホルモンが含まれており、大脳も発達させます。

「食べるって楽しい」という雰囲気を大切に。無理強いをしない
まずスプーンに慣れさせること。口の中にものを突っ込まれるというのは、人間にとって命の危機を感じるほどの恐怖といわれています。大人でも、突然人から口にものを入れられるとびっくりしてしまいますよね。おっぱい・ミルク以外口に含んだことのない赤ちゃんにとっては、なおさらのこと。スプーンを口に近づけられて泣いてしまうことも自然なことなのです。6ヵ月から1歳にかけては、スプーンが近づいても危険ではないんだ、こわくないんだ、ということに慣れることがとても大切で、食べることを楽しむ第一歩になります。

また、離乳食は、「飲み込む」「噛む」という練習です。それまでミルクやおっぱいを飲んでいる赤ちゃんですが「吸い込む」ことと「飲み込む」ことは違う力。新たな力を育てる練習ですので、無理強いをせず食べることが嫌いにならないよう様子をみながら進めたいですね。

離乳食作りはイライラしない程度に手を抜いてOK
よく炭水化物→たんぱく質→脂肪→繊維類という順番で進めるのがよい、といわれたりしていますが、栄養素の順番よりも、大切なのは「食べものの性状」の順番。たとえば、たんぱく質でもドロドロ状であれば初期から与えても大丈夫です。この「性状の順番を大切にする」という点から考えると、ファーストステップとしては、ベビーフードは優秀な食べ物です。ベビーフードを使うことに罪の意識を感じられるかたもいらっしゃるようですが、そんな心配はいりません。また、初期の離乳食ではフードプロセッサーや卓上のゴマすり機なども活用できます。ベビーフードや道具を上手に活用して、離乳食作りでのイライラをやわらげたいものです。

「薄味」と「糖分を控えめにする」ことを心掛ける
この時期は味覚を発達させることが大切なので、極力味付けをしない状態で素材の味を活かしたものを与えてください。かぼちゃにはかぼちゃ、にんじんにはにんじんの味がある、ということを食べ物の舌触りを含めて覚えられるようにしてあげましょう。また、糖分が多いと、虫歯の原因になることももちろんですが、甘いものは満腹感をさそい離乳食が進まなくなる原因になりますので、糖分のコントロールも心掛けてください。

1歳になるまでは、離乳食の進みが多少遅くても構いませんので、お子さんのペースに合わせて進めて大丈夫です。ただし、栄養・発達の面から1歳を目安に幼児食(大人と同じ3回食で普通に歯ぐきで噛める食事)に切り替えていくようにしてください。

最後に、離乳食を手でぐちゃぐちゃにして困るとお嘆きのかたもいらっしゃると思います。実はこの行為はお子さんの発達にとって大切なこと。手でつかむことで手触り・触覚を促し、手の動きを発達させます。自分の手で口に持っていくというのも知的発達段階の一歩ですので、おおいにやらせてあげてください。そうはいっても汚れが気になるという場合は、あらかじめ新聞紙やビニールなどを敷いておくなどの工夫をしておくとよいですね。

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