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離乳食について

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

母乳ばかりで離乳食を食べない子、ベビーフードを活用してみました。

K.Aさん Tくん (体験談当時の年齢:0歳5ヵ月頃〜1歳6ヵ月頃 男 第1子 愛知県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

ずっと母乳で育てて、離乳食を始めなければいけない時期だったのですが哺乳瓶の口を嫌がりお茶や果汁も飲みませんでした。手作りのおもゆや野菜などをやわらかくしたものも、うえっと出してしまい一口食べただけで受け付けず、全く離乳食が進みませんでした。風邪をひいた時に血液検査で貧血気味と言われ、また「1歳ぐらいになると母乳の栄養もなくなります」と言われて、さらに神経質になってしまいました。

このようなやり方を取り入れたら、こんな効果がありました

友達に「手作りのご飯がまずいんじゃない?母乳の方がおいしいのでは?」と言われ、思いきって市販のベビーフードを買ってあげてみました。そうしたら、私が作ったのより、たくさん食べてくれました。うれしいけれど、気持ちは複雑でした。母乳の間隔を出来るだけあけ、お腹をすかせるようにしました。ベビーフードの味見をして、似たように作って食べさせました。大きくなるにつれて運動量も増え、徐々にたくさん食べてくれるようになりました。卒乳も時期をみて1歳4ヵ月でしました。母乳がない分、牛乳も良く飲むし、ご飯も食べてくれるようになりました。

現在の子どもの様子と私の気持ちはこんな感じです

2歳2ヵ月の今はおやつはもちろんご飯もきちんと食べてくれています。とても体つきがよく、いつも「しっかりしていますね!」と言われるようになりました。やはり、成長に伴い、子どもなりに段階があって親があせらなくても子どもが一番よく自分の事を分かっていると思います。いらないから食べないし、欲しいから食べるという単純な事ですが、その子にあった方法があるんだと思いました。

同じ悩みを持つおうちの方へのエール

友達の子がよく食べているのを見ると、どうしても心のどこかで比べがちですが、その子はその子、うちの子はうちの子、というふうにあせらずマイペースに子育てするのが一番です。本や保健センターの人に基準や育ちの遅れなどを指摘されても、基準というのはあくまでも平均的な目安だと考えて、その子にあったペースで進めていくといいと思います。

1歳未満のお子さんの栄養・離乳食についてのアドバイス

たけなが かずこ 先生

1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。

食べ物の素材の味、舌触りを覚えさせる
これから成長していくために、ミルクやおっぱい以外の味覚を育てることが大切なことなので、極端な味付けのものを味わわせることは避けましょう。

「噛む」ということを覚えさせる
「噛む」ことはあごを発達させます。この時期にしっかり噛むことを覚えさせ、あごを発達させておくことは、歯並びのためにも大切なこと。また、噛むことで唾液が出ますが、唾液には成長ホルモンが含まれており、大脳も発達させます。

「食べるって楽しい」という雰囲気を大切に。無理強いをしない
まずスプーンに慣れさせること。口の中にものを突っ込まれるというのは、人間にとって命の危機を感じるほどの恐怖といわれています。大人でも、突然人から口にものを入れられるとびっくりしてしまいますよね。おっぱい・ミルク以外口に含んだことのない赤ちゃんにとっては、なおさらのこと。スプーンを口に近づけられて泣いてしまうことも自然なことなのです。6ヵ月から1歳にかけては、スプーンが近づいても危険ではないんだ、こわくないんだ、ということに慣れることがとても大切で、食べることを楽しむ第一歩になります。

また、離乳食は、「飲み込む」「噛む」という練習です。それまでミルクやおっぱいを飲んでいる赤ちゃんですが「吸い込む」ことと「飲み込む」ことは違う力。新たな力を育てる練習ですので、無理強いをせず食べることが嫌いにならないよう様子をみながら進めたいですね。

離乳食作りはイライラしない程度に手を抜いてOK
よく炭水化物→たんぱく質→脂肪→繊維類という順番で進めるのがよい、といわれたりしていますが、栄養素の順番よりも、大切なのは「食べものの性状」の順番。たとえば、たんぱく質でもドロドロ状であれば初期から与えても大丈夫です。この「性状の順番を大切にする」という点から考えると、ファーストステップとしては、ベビーフードは優秀な食べ物です。ベビーフードを使うことに罪の意識を感じられるかたもいらっしゃるようですが、そんな心配はいりません。また、初期の離乳食ではフードプロセッサーや卓上のゴマすり機なども活用できます。ベビーフードや道具を上手に活用して、離乳食作りでのイライラをやわらげたいものです。

「薄味」と「糖分を控えめにする」ことを心掛ける
この時期は味覚を発達させることが大切なので、極力味付けをしない状態で素材の味を活かしたものを与えてください。かぼちゃにはかぼちゃ、にんじんにはにんじんの味がある、ということを食べ物の舌触りを含めて覚えられるようにしてあげましょう。また、糖分が多いと、虫歯の原因になることももちろんですが、甘いものは満腹感をさそい離乳食が進まなくなる原因になりますので、糖分のコントロールも心掛けてください。

1歳になるまでは、離乳食の進みが多少遅くても構いませんので、お子さんのペースに合わせて進めて大丈夫です。ただし、栄養・発達の面から1歳を目安に幼児食(大人と同じ3回食で普通に歯ぐきで噛める食事)に切り替えていくようにしてください。

最後に、離乳食を手でぐちゃぐちゃにして困るとお嘆きのかたもいらっしゃると思います。実はこの行為はお子さんの発達にとって大切なこと。手でつかむことで手触り・触覚を促し、手の動きを発達させます。自分の手で口に持っていくというのも知的発達段階の一歩ですので、おおいにやらせてあげてください。そうはいっても汚れが気になるという場合は、あらかじめ新聞紙やビニールなどを敷いておくなどの工夫をしておくとよいですね。

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