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離乳食について

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

食べさせる事ばかりにこだわらず、楽しい食卓を心掛けました。

J.Kさん Kくん (体験談当時の年齢:0歳3ヵ月頃〜1歳0ヵ月頃 男 第1子 岡山県)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

とにかく食べない子でした。離乳食の本を買い込み、あの手この手で食べさせてみるものの、首を振ってイヤイヤし、無理やり口に入れればはき出し、しまいには口も開けてくれなくなりました。1日の食事がうどん1本なんて日が続き、無事育つのだろうかと泣きたくなる程でした。

このようなやり方を取り入れたら、こんな効果がありました

食べても食べなくても、とりあえず何品か色々な食材のものを用意して皿に盛ってみました。初めのうちは見向きもしなかったのが、ある日突然手でつかんでパクリ!どうせ食べないからと少しだけの一品料理を盛り付けたのでは味気ないと思い、食べなくても気にせず根気良く色々な料理を出し続けました。息子の食事風景を見た友人が「そんなコワイ顔でおそいかかるような体勢で食べさせても食べられんわ」と一言。それからは肩の力を抜いて気楽に付き合うようにしました。確かに笑顔もない食卓はつまらないなあと自分でも思いました。

現在の子どもの様子と私の気持ちはこんな感じです

1歳8ヵ月になり、今はあの頃の反動かと思う程良く食べます。楽しい食卓を心掛け、必要以上に手を出さない様にしています。そのおかげか、1人であまりこぼさず食べられる様になり、私もゆっくり食べながら「おいしいねー」と会話も楽しみながら食事しています。

同じ悩みを持つおうちの方へのエール

食べないからといって鬼の様な顔で「さあ!」と無理矢理食べさせていませんか?大人でも雰囲気の良くない食卓では食が進まないし、おいしくないですよね。小さな子どもでもやはり色々感じるのではないかと思います。食べないからといって気合を入れすぎては逆効果です。欲しけりゃ食べるわ!ぐらいの力の抜き具合で良いのではないかと、今となっては思います。

1歳未満のお子さんの栄養・離乳食についてのアドバイス

たけなが かずこ 先生

1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。

食べ物の素材の味、舌触りを覚えさせる
これから成長していくために、ミルクやおっぱい以外の味覚を育てることが大切なことなので、極端な味付けのものを味わわせることは避けましょう。

「噛む」ということを覚えさせる
「噛む」ことはあごを発達させます。この時期にしっかり噛むことを覚えさせ、あごを発達させておくことは、歯並びのためにも大切なこと。また、噛むことで唾液が出ますが、唾液には成長ホルモンが含まれており、大脳も発達させます。

「食べるって楽しい」という雰囲気を大切に。無理強いをしない
まずスプーンに慣れさせること。口の中にものを突っ込まれるというのは、人間にとって命の危機を感じるほどの恐怖といわれています。大人でも、突然人から口にものを入れられるとびっくりしてしまいますよね。おっぱい・ミルク以外口に含んだことのない赤ちゃんにとっては、なおさらのこと。スプーンを口に近づけられて泣いてしまうことも自然なことなのです。6ヵ月から1歳にかけては、スプーンが近づいても危険ではないんだ、こわくないんだ、ということに慣れることがとても大切で、食べることを楽しむ第一歩になります。

また、離乳食は、「飲み込む」「噛む」という練習です。それまでミルクやおっぱいを飲んでいる赤ちゃんですが「吸い込む」ことと「飲み込む」ことは違う力。新たな力を育てる練習ですので、無理強いをせず食べることが嫌いにならないよう様子をみながら進めたいですね。

離乳食作りはイライラしない程度に手を抜いてOK
よく炭水化物→たんぱく質→脂肪→繊維類という順番で進めるのがよい、といわれたりしていますが、栄養素の順番よりも、大切なのは「食べものの性状」の順番。たとえば、たんぱく質でもドロドロ状であれば初期から与えても大丈夫です。この「性状の順番を大切にする」という点から考えると、ファーストステップとしては、ベビーフードは優秀な食べ物です。ベビーフードを使うことに罪の意識を感じられるかたもいらっしゃるようですが、そんな心配はいりません。また、初期の離乳食ではフードプロセッサーや卓上のゴマすり機なども活用できます。ベビーフードや道具を上手に活用して、離乳食作りでのイライラをやわらげたいものです。

「薄味」と「糖分を控えめにする」ことを心掛ける
この時期は味覚を発達させることが大切なので、極力味付けをしない状態で素材の味を活かしたものを与えてください。かぼちゃにはかぼちゃ、にんじんにはにんじんの味がある、ということを食べ物の舌触りを含めて覚えられるようにしてあげましょう。また、糖分が多いと、虫歯の原因になることももちろんですが、甘いものは満腹感をさそい離乳食が進まなくなる原因になりますので、糖分のコントロールも心掛けてください。

1歳になるまでは、離乳食の進みが多少遅くても構いませんので、お子さんのペースに合わせて進めて大丈夫です。ただし、栄養・発達の面から1歳を目安に幼児食(大人と同じ3回食で普通に歯ぐきで噛める食事)に切り替えていくようにしてください。

最後に、離乳食を手でぐちゃぐちゃにして困るとお嘆きのかたもいらっしゃると思います。実はこの行為はお子さんの発達にとって大切なこと。手でつかむことで手触り・触覚を促し、手の動きを発達させます。自分の手で口に持っていくというのも知的発達段階の一歩ですので、おおいにやらせてあげてください。そうはいっても汚れが気になるという場合は、あらかじめ新聞紙やビニールなどを敷いておくなどの工夫をしておくとよいですね。

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

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