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離乳食について

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

「〜しか食べない」から「〜なら食べる」に発想転換。手作りでいろいろ工夫して栄養のバランスをとりました。

K.Oさん Tくん (体験談当時の年齢:1歳0ヵ月頃 男 第2子 東京都)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

偏食が始まったのか、ふりかけごはんばかり食べていました。ほかの食材を口に持っていっても、への字に曲げて食べようとしません。毎日同じものばかり食べていて、栄養的に大丈夫なのか、発育に問題はないのかと、とても心配でした。

このようなやり方を取り入れたら、こんな効果がありました

ふりかけごはんしか食べないと考えるのではなくて、ふりかけごはんなら食べる、と発想の転換をして、手作りふりかけを作って食べさせました。じゃこ、青のり、ごま、カツオ、いり卵、お肉のつくだ煮、塩ザケのそぼろなど、海のものや山のものを取り合わせて、いろんなふりかけを作っては、ごはんにかけて食べさせました。食べないとわかっていても、食卓に出すようにしました。本人が食べなくても、まわりの家族は「おいしいね!」と食べている様子を目にできるように心がけました。

現在の子どもの様子と私の気持ちはこんな感じです

こうして、日替わりメニューでふりかけを作っていると、栄養的なバランスもほぼとれるし、「今日は何のふりかけにしようかな?」と考えると、ごはんの時間が憂うつではなく、楽しい時間へと変わっていきました。そのうちに、息子自身の中でも、こだわりの時期からも脱却できたのか、それともふりかけごはんを食べ飽きたのか、いろんなものをだんだんと食べるようになってきました。

同じ悩みを持つおうちの方へのエール

自我が芽生えるころになると、食べものにも“こだわり”が出てきて偏食をするようになり、心配になりますが、時期的なもので、ずっと続くわけではないように思います。「○○しか食べない」と考えるのではなくて、「○○なら食べる」と考えて、好きなものを中心にメニューをアレンジしてあげると、楽しい食事タイムを過ごせるのかなと思います。

1歳未満のお子さんの栄養・離乳食についてのアドバイス

たけなが かずこ 先生

1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。

食べ物の素材の味、舌触りを覚えさせる
これから成長していくために、ミルクやおっぱい以外の味覚を育てることが大切なことなので、極端な味付けのものを味わわせることは避けましょう。

「噛む」ということを覚えさせる
「噛む」ことはあごを発達させます。この時期にしっかり噛むことを覚えさせ、あごを発達させておくことは、歯並びのためにも大切なこと。また、噛むことで唾液が出ますが、唾液には成長ホルモンが含まれており、大脳も発達させます。

「食べるって楽しい」という雰囲気を大切に。無理強いをしない
まずスプーンに慣れさせること。口の中にものを突っ込まれるというのは、人間にとって命の危機を感じるほどの恐怖といわれています。大人でも、突然人から口にものを入れられるとびっくりしてしまいますよね。おっぱい・ミルク以外口に含んだことのない赤ちゃんにとっては、なおさらのこと。スプーンを口に近づけられて泣いてしまうことも自然なことなのです。6ヵ月から1歳にかけては、スプーンが近づいても危険ではないんだ、こわくないんだ、ということに慣れることがとても大切で、食べることを楽しむ第一歩になります。

また、離乳食は、「飲み込む」「噛む」という練習です。それまでミルクやおっぱいを飲んでいる赤ちゃんですが「吸い込む」ことと「飲み込む」ことは違う力。新たな力を育てる練習ですので、無理強いをせず食べることが嫌いにならないよう様子をみながら進めたいですね。

離乳食作りはイライラしない程度に手を抜いてOK
よく炭水化物→たんぱく質→脂肪→繊維類という順番で進めるのがよい、といわれたりしていますが、栄養素の順番よりも、大切なのは「食べものの性状」の順番。たとえば、たんぱく質でもドロドロ状であれば初期から与えても大丈夫です。この「性状の順番を大切にする」という点から考えると、ファーストステップとしては、ベビーフードは優秀な食べ物です。ベビーフードを使うことに罪の意識を感じられるかたもいらっしゃるようですが、そんな心配はいりません。また、初期の離乳食ではフードプロセッサーや卓上のゴマすり機なども活用できます。ベビーフードや道具を上手に活用して、離乳食作りでのイライラをやわらげたいものです。

「薄味」と「糖分を控えめにする」ことを心掛ける
この時期は味覚を発達させることが大切なので、極力味付けをしない状態で素材の味を活かしたものを与えてください。かぼちゃにはかぼちゃ、にんじんにはにんじんの味がある、ということを食べ物の舌触りを含めて覚えられるようにしてあげましょう。また、糖分が多いと、虫歯の原因になることももちろんですが、甘いものは満腹感をさそい離乳食が進まなくなる原因になりますので、糖分のコントロールも心掛けてください。

1歳になるまでは、離乳食の進みが多少遅くても構いませんので、お子さんのペースに合わせて進めて大丈夫です。ただし、栄養・発達の面から1歳を目安に幼児食(大人と同じ3回食で普通に歯ぐきで噛める食事)に切り替えていくようにしてください。

最後に、離乳食を手でぐちゃぐちゃにして困るとお嘆きのかたもいらっしゃると思います。実はこの行為はお子さんの発達にとって大切なこと。手でつかむことで手触り・触覚を促し、手の動きを発達させます。自分の手で口に持っていくというのも知的発達段階の一歩ですので、おおいにやらせてあげてください。そうはいっても汚れが気になるという場合は、あらかじめ新聞紙やビニールなどを敷いておくなどの工夫をしておくとよいですね。

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

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