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離乳食について

離乳食の進め方やメニューの工夫、私はこうしました

市販品の利用や大人用からの取り分けで離乳食作りを楽に。これをきっかけに味つけなども見直すようになりました。

K.Yさん Yくん (体験談当時の年齢:0歳8ヵ月頃〜1歳0ヵ月頃 男 第1子 東京都)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

離乳食初期は、かぼちゃでも反応して肌が赤くなってしまったので、市販の粉末ペーストを利用する毎日でした。本格的な離乳食になったら、どのように進めたらよいか不安でした。「何も作らず、手抜きをしていてだめな母親」と思う後ろめたさが自分の中にありましたが、その一方で、アレルギーが怖くて自分で作る気になりませんでした。こうした初期を経て、不安と、いろいろ作りたい気持ちが入り交じっていました。

このようなやり方を取り入れたら、こんな効果がありました

産院で、煮物を子どもに食べさせると、将来的に野菜ぎらいの予防になると言われていたので、煮物を細かく刻んでごはんに混ぜたり、切り干し大根をお湯で軽くすすいでから与えたりしました。特別なものをがんばって作るというよりは、大人のものを食べやすいように細かく刻んで与えました。たいていのものは、まずは1回お湯ですすいでから与えるようにしていました。大人と別メニューにするのではなく、調理の途中で子どもの分だけ取り出して、そのあと味つけをしたり、粉末のペーストを水煮した野菜にかけたりしました。また、トマトをそのままではなく細かく刻んでごはんに混ぜてトマトライスにしたり、とろけるチーズをごはんに混ぜ込んで食べさせたこともあります。

現在の子どもの様子と私の気持ちはこんな感じです

子どもの離乳食をきっかけに、味つけやだしを大人用にも見直すようになりました。煮物メニューも多くなり、離乳食を特別に作ったという記憶はあまりありません。そのせいか、自分も疲れたとも感じなかったし、一生懸命に作ったのに食べてくれなかったという失望感もありませんでした。むしろ、離乳食をきっかけに、新しいメニューを大人も試したり、初期に神経を使った分、中期以降は楽しかったです。

同じ悩みを持つおうちの方へのエール

子どものために、特別メニューにしたり、だしも変えて、と思うと疲れてしまうので、これをきっかけに、大人の食生活も振り返るつもりで挑戦してみてはどうでしょう。実際に、息子もお子さまランチのようなものは好まず、外食のときにも、大人のものを取り分ける状態なので楽でした。最近は粗食が注目されているので、家族の食生活を見直すきっかけにしてみてはどうでしょう。

1歳未満のお子さんの栄養・離乳食についてのアドバイス

たけなが かずこ 先生

1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。

食べ物の素材の味、舌触りを覚えさせる
これから成長していくために、ミルクやおっぱい以外の味覚を育てることが大切なことなので、極端な味付けのものを味わわせることは避けましょう。

「噛む」ということを覚えさせる
「噛む」ことはあごを発達させます。この時期にしっかり噛むことを覚えさせ、あごを発達させておくことは、歯並びのためにも大切なこと。また、噛むことで唾液が出ますが、唾液には成長ホルモンが含まれており、大脳も発達させます。

「食べるって楽しい」という雰囲気を大切に。無理強いをしない
まずスプーンに慣れさせること。口の中にものを突っ込まれるというのは、人間にとって命の危機を感じるほどの恐怖といわれています。大人でも、突然人から口にものを入れられるとびっくりしてしまいますよね。おっぱい・ミルク以外口に含んだことのない赤ちゃんにとっては、なおさらのこと。スプーンを口に近づけられて泣いてしまうことも自然なことなのです。6ヵ月から1歳にかけては、スプーンが近づいても危険ではないんだ、こわくないんだ、ということに慣れることがとても大切で、食べることを楽しむ第一歩になります。

また、離乳食は、「飲み込む」「噛む」という練習です。それまでミルクやおっぱいを飲んでいる赤ちゃんですが「吸い込む」ことと「飲み込む」ことは違う力。新たな力を育てる練習ですので、無理強いをせず食べることが嫌いにならないよう様子をみながら進めたいですね。

離乳食作りはイライラしない程度に手を抜いてOK
よく炭水化物→たんぱく質→脂肪→繊維類という順番で進めるのがよい、といわれたりしていますが、栄養素の順番よりも、大切なのは「食べものの性状」の順番。たとえば、たんぱく質でもドロドロ状であれば初期から与えても大丈夫です。この「性状の順番を大切にする」という点から考えると、ファーストステップとしては、ベビーフードは優秀な食べ物です。ベビーフードを使うことに罪の意識を感じられるかたもいらっしゃるようですが、そんな心配はいりません。また、初期の離乳食ではフードプロセッサーや卓上のゴマすり機なども活用できます。ベビーフードや道具を上手に活用して、離乳食作りでのイライラをやわらげたいものです。

「薄味」と「糖分を控えめにする」ことを心掛ける
この時期は味覚を発達させることが大切なので、極力味付けをしない状態で素材の味を活かしたものを与えてください。かぼちゃにはかぼちゃ、にんじんにはにんじんの味がある、ということを食べ物の舌触りを含めて覚えられるようにしてあげましょう。また、糖分が多いと、虫歯の原因になることももちろんですが、甘いものは満腹感をさそい離乳食が進まなくなる原因になりますので、糖分のコントロールも心掛けてください。

1歳になるまでは、離乳食の進みが多少遅くても構いませんので、お子さんのペースに合わせて進めて大丈夫です。ただし、栄養・発達の面から1歳を目安に幼児食(大人と同じ3回食で普通に歯ぐきで噛める食事)に切り替えていくようにしてください。

最後に、離乳食を手でぐちゃぐちゃにして困るとお嘆きのかたもいらっしゃると思います。実はこの行為はお子さんの発達にとって大切なこと。手でつかむことで手触り・触覚を促し、手の動きを発達させます。自分の手で口に持っていくというのも知的発達段階の一歩ですので、おおいにやらせてあげてください。そうはいっても汚れが気になるという場合は、あらかじめ新聞紙やビニールなどを敷いておくなどの工夫をしておくとよいですね。

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

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