離乳食について
離乳食作りは「まとめて調理」「冷凍保存」で乗りきりました。自分ができることをマイペースでやればいいのでは。
その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした
料理があまり得意ではなかった私。育児書などの離乳食メニューを見ると、手間がかかりそうだったり、また、手の込んだメニューばかりのように見え、「私にできるだろうか?」ととても不安でした。食事の回数が増えても、「ちゃんと作れるだろうか?きちんと進めなかったら、どうなるのだろうか?」と思ってしまい、何よりも、「毎日、作り続けることができるだろうか?」ということが一番の心配事でした。このようなやり方を取り入れたら、こんな効果がありました
経験者のお話や育児雑誌、テレビの育児番組などを参考に、できそうなことをメモしました。最もよく利用したのは冷凍庫保存。野菜などはまとめてゆでて、製氷皿に分けて冷凍すると、メニューによって使う量も調節でき、とても便利でした。まとめて作ることで、食事回数が増えても苦にならなくなったように思います。また、食材の個人宅配に、離乳食向けにいろいろと工夫されているものがあって、そういうものもよく利用しました。保健所で離乳食相談があり、出かけたところ、「離乳食講習会がありますよ」と言われ、それに参加しました。とても楽しく、また役に立つこともいろいろと教えてもらえて、参考になることが多かったです。保健所での催しをチェックしてみるといいかもしれません。現在の子どもの様子と私の気持ちはこんな感じです
うちの子はあまり食が進まず、離乳食を喜んで食べるといったことがありませんでした。ついつい周囲のお友だちの様子が気になり、いろいろと話を聞いてはショックを受け、余計に落ち込んでしまったこともありました。でも、食べる量を気にしなくても平気だよ、と言う先輩ママに励まされて、あまり比べずにマイペースでいこうと思い、食べても食べなくても、いろいろと試してみることに意義があると思いながらがんばりました。同じ悩みを持つおうちの方へのエール
育児書などに書かれていたりすると、「そうしなければいけない」かのように思ってしまいますが、自分でできることを選んで、無理せずに進めていくことが大切だと思います。毎日のことなので、大変なことも多いですが、レトルトもうまく活用しながら進めていくといいのでは。そういうものに少し手を加えたりすると、レパートリーも増えると思います。「自分でできる範囲のことをする」つもりでがんばってみてくださいね。1歳未満のお子さんの栄養・離乳食についてのアドバイス
たけなが かずこ 先生
1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。
食べ物の素材の味、舌触りを覚えさせる
これから成長していくために、ミルクやおっぱい以外の味覚を育てることが大切なことなので、極端な味付けのものを味わわせることは避けましょう。
「噛む」ということを覚えさせる
「噛む」ことはあごを発達させます。この時期にしっかり噛むことを覚えさせ、あごを発達させておくことは、歯並びのためにも大切なこと。また、噛むことで唾液が出ますが、唾液には成長ホルモンが含まれており、大脳も発達させます。
「食べるって楽しい」という雰囲気を大切に。無理強いをしない
まずスプーンに慣れさせること。口の中にものを突っ込まれるというのは、人間にとって命の危機を感じるほどの恐怖といわれています。大人でも、突然人から口にものを入れられるとびっくりしてしまいますよね。おっぱい・ミルク以外口に含んだことのない赤ちゃんにとっては、なおさらのこと。スプーンを口に近づけられて泣いてしまうことも自然なことなのです。6ヵ月から1歳にかけては、スプーンが近づいても危険ではないんだ、こわくないんだ、ということに慣れることがとても大切で、食べることを楽しむ第一歩になります。
また、離乳食は、「飲み込む」「噛む」という練習です。それまでミルクやおっぱいを飲んでいる赤ちゃんですが「吸い込む」ことと「飲み込む」ことは違う力。新たな力を育てる練習ですので、無理強いをせず食べることが嫌いにならないよう様子をみながら進めたいですね。
離乳食作りはイライラしない程度に手を抜いてOK
よく炭水化物→たんぱく質→脂肪→繊維類という順番で進めるのがよい、といわれたりしていますが、栄養素の順番よりも、大切なのは「食べものの性状」の順番。たとえば、たんぱく質でもドロドロ状であれば初期から与えても大丈夫です。この「性状の順番を大切にする」という点から考えると、ファーストステップとしては、ベビーフードは優秀な食べ物です。ベビーフードを使うことに罪の意識を感じられるかたもいらっしゃるようですが、そんな心配はいりません。また、初期の離乳食ではフードプロセッサーや卓上のゴマすり機なども活用できます。ベビーフードや道具を上手に活用して、離乳食作りでのイライラをやわらげたいものです。
「薄味」と「糖分を控えめにする」ことを心掛ける
この時期は味覚を発達させることが大切なので、極力味付けをしない状態で素材の味を活かしたものを与えてください。かぼちゃにはかぼちゃ、にんじんにはにんじんの味がある、ということを食べ物の舌触りを含めて覚えられるようにしてあげましょう。また、糖分が多いと、虫歯の原因になることももちろんですが、甘いものは満腹感をさそい離乳食が進まなくなる原因になりますので、糖分のコントロールも心掛けてください。
1歳になるまでは、離乳食の進みが多少遅くても構いませんので、お子さんのペースに合わせて進めて大丈夫です。ただし、栄養・発達の面から1歳を目安に幼児食(大人と同じ3回食で普通に歯ぐきで噛める食事)に切り替えていくようにしてください。
最後に、離乳食を手でぐちゃぐちゃにして困るとお嘆きのかたもいらっしゃると思います。実はこの行為はお子さんの発達にとって大切なこと。手でつかむことで手触り・触覚を促し、手の動きを発達させます。自分の手で口に持っていくというのも知的発達段階の一歩ですので、おおいにやらせてあげてください。そうはいっても汚れが気になるという場合は、あらかじめ新聞紙やビニールなどを敷いておくなどの工夫をしておくとよいですね。
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