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離乳食について

離乳食を食べてくれない子、こんな工夫をしてみました

牛乳ばかりで食事を食べず。でも変わった様子もなく元気なので見守っていたら、自然と食べるようになりました。

K.Yさん Yくん (体験談当時の年齢:1歳0ヵ月頃 男 第1子 東京都)

その当時の子どもの状況と私の気持ちはこうでした

もともと小食で小柄だったうえに、ちょうど夏になってごはんをまったく食べず、毎食、牛乳しか飲まないようになってしまいました。1日1リットルくらい飲むありさまで、冷蔵庫には、常時3リットルの牛乳が入っているような状態。どんなにメニューを好きなものにしても、目先を変えても、朝から牛乳三昧(ざんまい)で、私の方がノイローゼぎみになっていました。

このようなやり方を取り入れたら、こんな効果がありました

白っぽい便が出たときには、病院に行こうか迷いましたが、とにかく元気だったし、飲んでいるものが白いのだからと、様子を見るようにしました。牛乳しか飲まないわりには元気で、それまでと変わった様子もありませんでした。最初は、食べさせようと私も躍起になっていましたが、だんだん疲れて、無理にすすめるのをやめました。そのうち、私も暑くなると食欲がなくなるタイプだったことに気がつき、自然に任せるようにしました。食事の時間以外に何か食べたがるときには、このときとばかり、少量でもなるべく栄養のありそうなものを与えるようにしていました。

現在の子どもの様子と私の気持ちはこんな感じです

季節が涼しくなると、それまで通り、食べるようになりました。もちろん小食ではありましたが、熱もないし、本人が元気であることを目安にして、1回ごとの食事に自分が一喜一憂しなくなりました。その1年後くらいに、ぴたっと牛乳を飲む量が減り、それと同時に、食事もだいぶ食べるようになりました。

同じ悩みを持つおうちの方へのエール

小柄だったり、小食だったりすると、1回ごとの食事の量に神経が向いてしまうけれど、大人でも食欲の進まないときはあります。それに、まだ大人以上に自分の気持ちのままに行動する時期だから、無理じいしても、お互いにストレスになるだけ。気持ちのままに行動するということは、がまんもしていない、つまり自分を表現できているということ、と発想を転換して、元気であるかどうかを目安に、気長に見守ってみてはどうでしょう。

1歳未満のお子さんの栄養・離乳食についてのアドバイス

たけなが かずこ 先生

1歳までのお子さんの栄養については、ミルクや母乳で基本的な栄養面はカバーされていますので、あまり神経質になる必要はありません。離乳食の目的は、栄養というよりも、ミルクやおっぱいという液体以外のものが「噛める」「飲み込める」ようにするためのもの、と考えてください。

食べ物の素材の味、舌触りを覚えさせる
これから成長していくために、ミルクやおっぱい以外の味覚を育てることが大切なことなので、極端な味付けのものを味わわせることは避けましょう。

「噛む」ということを覚えさせる
「噛む」ことはあごを発達させます。この時期にしっかり噛むことを覚えさせ、あごを発達させておくことは、歯並びのためにも大切なこと。また、噛むことで唾液が出ますが、唾液には成長ホルモンが含まれており、大脳も発達させます。

「食べるって楽しい」という雰囲気を大切に。無理強いをしない
まずスプーンに慣れさせること。口の中にものを突っ込まれるというのは、人間にとって命の危機を感じるほどの恐怖といわれています。大人でも、突然人から口にものを入れられるとびっくりしてしまいますよね。おっぱい・ミルク以外口に含んだことのない赤ちゃんにとっては、なおさらのこと。スプーンを口に近づけられて泣いてしまうことも自然なことなのです。6ヵ月から1歳にかけては、スプーンが近づいても危険ではないんだ、こわくないんだ、ということに慣れることがとても大切で、食べることを楽しむ第一歩になります。

また、離乳食は、「飲み込む」「噛む」という練習です。それまでミルクやおっぱいを飲んでいる赤ちゃんですが「吸い込む」ことと「飲み込む」ことは違う力。新たな力を育てる練習ですので、無理強いをせず食べることが嫌いにならないよう様子をみながら進めたいですね。

離乳食作りはイライラしない程度に手を抜いてOK
よく炭水化物→たんぱく質→脂肪→繊維類という順番で進めるのがよい、といわれたりしていますが、栄養素の順番よりも、大切なのは「食べものの性状」の順番。たとえば、たんぱく質でもドロドロ状であれば初期から与えても大丈夫です。この「性状の順番を大切にする」という点から考えると、ファーストステップとしては、ベビーフードは優秀な食べ物です。ベビーフードを使うことに罪の意識を感じられるかたもいらっしゃるようですが、そんな心配はいりません。また、初期の離乳食ではフードプロセッサーや卓上のゴマすり機なども活用できます。ベビーフードや道具を上手に活用して、離乳食作りでのイライラをやわらげたいものです。

「薄味」と「糖分を控えめにする」ことを心掛ける
この時期は味覚を発達させることが大切なので、極力味付けをしない状態で素材の味を活かしたものを与えてください。かぼちゃにはかぼちゃ、にんじんにはにんじんの味がある、ということを食べ物の舌触りを含めて覚えられるようにしてあげましょう。また、糖分が多いと、虫歯の原因になることももちろんですが、甘いものは満腹感をさそい離乳食が進まなくなる原因になりますので、糖分のコントロールも心掛けてください。

1歳になるまでは、離乳食の進みが多少遅くても構いませんので、お子さんのペースに合わせて進めて大丈夫です。ただし、栄養・発達の面から1歳を目安に幼児食(大人と同じ3回食で普通に歯ぐきで噛める食事)に切り替えていくようにしてください。

最後に、離乳食を手でぐちゃぐちゃにして困るとお嘆きのかたもいらっしゃると思います。実はこの行為はお子さんの発達にとって大切なこと。手でつかむことで手触り・触覚を促し、手の動きを発達させます。自分の手で口に持っていくというのも知的発達段階の一歩ですので、おおいにやらせてあげてください。そうはいっても汚れが気になるという場合は、あらかじめ新聞紙やビニールなどを敷いておくなどの工夫をしておくとよいですね。

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