打ち方・投げ方・キャッチボールのコツ 少年野球の練習法【第2回】キャッチング

野球の基本を身につけるためのコツと練習方法を、修徳中学校軟式野球部の小野寺信介監督が、3つのテーマでアドバイスしてくれます。第2回のテーマは「キャッチング」です。ボールを捕るにも投げるにも、コツがあります。コツを覚えてちょっと練習すれば、野球はもっと楽しくなります。ぜひ一度、お子さんと一緒にトライしてみてください。

<打ち方・投げ方・キャッチボールのコツ 少年野球の練習法【第2回】キャッチング(動画)>



キャッチングの3つのPOINTを確認

まずはキャッチングの3つのポイントを確認しましょう。この3つをしっかり頭に入れておくと、トレーニングの効果が上がります。

POINT1 腕の使い方

  • グローブをはめたほうの腕を、後ろから真上、前へと大きく回す。腕を真上から前に持ってくる時には、指先を上に、グローブをはめた手のひらを自分の側に向け、ひじが体の前にくるようにして止める。
  • そのままひじを動かさずに手首だけを返し、グローブをはめた手のひらを、ボールを投げてくる相手の側に向けて構える。このように、ひじを前に出してから構えると、ひじと手首から余分な力が抜け、ボールを捕りやすくなる。腕が縮まったり、姿勢が前かがみだったりすると、ボールを捕りにくくなるので注意。

POINT2 ボールをつかむ場所

  • グローブを外し、POINT1のように腕を回し、手のひらをボールを投げてくる相手の側に向けて構える。この時、人差し指がまっすぐ真上に向かって立つようにする。
  • 飛んできたボールを、人差し指と中指の付け根あたりにボールの中心がくるように受けるイメージをする。この時、人差し指がまっすぐ立っていると、ボールをうまくつかむことができる。人差し指が左右にずれていると、うまくつかめない。

POINT3 グローブで捕る

  • グローブをはめ、POINT1とPOINT2で注意した点に気を付けながら構える。グローブの中の人差し指がまっすぐ真上に向かって立つようにする。
  • 飛んできたボールを、人差し指と中指の付け根あたりにボールの中心がくるように受け、指でしっかりとつかむ。


【Lesson1】 椅子に座ってキャッチング

最初に、椅子に座ったままボールを捕ってみましょう。椅子に座ると、ピッチングの時と同様に、ボールを受ける時の正しい姿勢が身につきます。ここでは特に、グローブをはめずに、正しい構え方を身につけるトレーニングについて紹介します。


やってみよう!
(1)グローブを外し、両足を肩幅より広めに広げて椅子に浅く座ります。深く腰掛けて背もたれに寄りかかると、ボールが来たときに怖く顔をそむけてしまい、うまく捕れません。また、前かがみになると、顔と腕が前に突っ込んで、ボールを上からつかむような変なくせがついてしまいます。

(2)腕を、後ろから真上、前へと大きく回し、指先を上に、手のひらを自分の側に向け、ひじが体の前にくるようにして止めます。

(3)そのままひじを動かさずに手首だけを返し、手のひらを、ボールを投げてくる相手の側に向けて構えます。

<ポイント>
  • 腕全体を大きく回し、ひじを体の前へ
  • 人差し指をまっすぐ立てる
  • 肩に力を入れない


【Lesson2】 カラーボールでキャッチング

今度は、椅子に座ったまま、カラーボールを捕ってみましょう。最初はボールをつかまず、手ではたきます。飛んでくるボールを怖いと感じるお子さまも多いですが、ボールに慣れるうえでこの練習は効果的です。左手、右手、さらに両手ではたき、慣れてきたらボールを両手でキャッチしてみましょう。


やってみよう!
(1)まず、片手でボールをはたくトレーニングです。グローブをはめずに、Lesson1のポイントに注意をしながら構え、カラーボールが飛んできたら、手首を使ってはたきます。ボールの中心が人差し指と中指の付け根のあたりにあたるようにしてください。

(2)(1)と同じことを、反対の手で行います。

(3)(1)(2)と同じことを、両手を揃えて行います。慣れてきたら、ボールをはたかずに両手で捕ってください。こうした段階を踏まずにいきなりボールを捕ろうとすると、ひじが下がり、正しい姿勢をとれません。

<ポイント>
  • ひじと手首をやわらかく
  • だんだん肩が下がらないように
  • 人差し指をまっすぐ立てる

※家の中でも手軽にできるので、お子さんと一緒に練習してみましょう。



【Lesson3】 グローブをはめてキャッチング

今度は、グローブをはめてボールを捕ってみましょう。キャッチングは、腕だけでなく、足の使い方も大切です。必ず、腕と足、両方を使ってボールを捕るようにしましょう。


やってみよう!
(1)2人1組でグローブをはめて向かい合い、キャッチボールをします。まず、Lesson1やLesson2で身につけたことに気を付け、正しい姿勢で構えてください。

(2)ボールが飛んできたら、足を動かして、ボールと顔を近付けて捕りにいきます。ボールと顔が離れすぎていたり、足をまったく動かさずに捕ろうとしたりすると、バランスを崩して、ボールを落としてしまうことがあります。

(3)ボールがグローブに触れる瞬間、右投げなら右足を一歩前へ踏み出して捕ります。こうすることで、ボールを捕ったあとすぐ、次の動作に入って相手にボールを投げ返しやすくなります。この時に踏み出す足は、相手にボールを投げ返す時の軸足になります。ピッチングのトレーニングで触れたように、軸足は足先が相手に対して90度に向けることが大切ですから、ボールを捕る瞬間に踏み出す足も、足先を相手に対して90度に向けるようにしておくと、相手に投げ返しやすくなります。

※ゴムボールなどのやわらかいボールを使えば、部屋の中や庭先でも練習できます。

<ポイント>
  • ボールと顔を離しすぎない
  • 足を一歩前へ踏み出す
  • ひじと手首をやわらかく

次回のテーマは、「バッティング」です。


プロフィール


小野寺信介

1979年生まれ。修徳中学校軟式野球部監督。情熱と理論を兼ね備えた指導で同校を全国中学校軟式野球大会に何度も導き、2003年には全国準優勝に輝く。

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