「音楽」、小学生は技術、中学生は成績が悩みどころ!?

アンケート期間 2011/08/31~2011/09/1 回答者数:2,617人
アンケート対象:本サイトメンバー 小学生・中学生の子どもがいる保護者

※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある



「音楽」、小学生は技術、中学生は成績が悩みどころ!?


今回は小・中学生の保護者を対象に、「音楽」「図工(美術)」「体育」「技術・家庭」の実技4教科についてアンケートを行いました。今回は「音楽」に関して、授業で困っていることの有無、困っているとしたらそれは何か、お子さまの興味・関心を引き出すためにどのような工夫をしているかなど、さまざまな質問をしています。


子どもの「音楽」の成績、「よい」という保護者が約4割!

最初に、お子さまの「音楽」の成績について伺いました。また、「音楽」に関する習い事や部活動、クラブ活動の経験の有無についてもお聞きしています。

【図1 お子さまの「音楽」の成績はいかがですか?】

図1 お子さまの「音楽」の成績はいかがですか?

「子どもの『音楽』の成績は、よい」という保護者は、全体の約4割。一方、「よくない」という保護者は1割未満でした。最も多かったのは「どちらとも言えない」という保護者で、5割近くに及んでいます。
また、「音楽」に関する習い事や部活動、クラブ活動については、4割以上の保護者が「子どもには経験がある」と答えました。


学年が上がると、「『音楽』の授業が好き」の割合は減少!

では保護者は、お子さまが「音楽」の授業をどう感じていると思っているでしょうか。

【図2 お子さまは、「音楽」の授業が好きですか?(学年別)】

図2 お子さまは、「音楽」の授業が好きですか?(学年別)

どの学年でも、「子どもは『音楽』の授業が好きである」という保護者が過半数を占めました。学年別に見ると小1・2では9割を超え、小3~小6でも8割以上。それに対して、中1~3では7割台に減っています。
つまり学年が上がるにつれて「『音楽』の授業が嫌いである」割合が増えています。


「音楽」の教科のための心がけとは!?

次に、「音楽」の教科のために保護者が心がけていることを伺いました。

☆「音楽」の教科のために、お宅で何か心がけていることや、お子さまにすすめていることがあれば教えてください。

◎小学生の保護者
●「今はどんな曲を習っているの?」など、「音楽」の授業について子どもの話を聞くよう心がけています(小2・女子の保護者)
●「音楽」に対する子どもの興味を引き出そうと心がけています。一緒に音楽系のゲームをしたり、好きな曲をわたしがキーボードで弾いたりといった具合です(小5・男子の保護者)
●教科のためというより、音楽は人生を豊かにしてくれると思うので、CDをかけたり、西洋の作曲家の話をしたりと、なるべく音楽に触れる機会をつくるようにしています(小6・男子の保護者)

など


◎中学生の保護者
●息子は、楽器は弾けませんが音楽を聞くことは大好き。もっと好きになって楽器にも興味を持ってほしいので、携帯音楽プレーヤーに息子の好きな曲を入れてあげています(中3・男子の保護者)
●正直なところ、受験を控えて成績が気になるため、授業態度をよくし、提出物の期限を必ず守るよう伝えました(中3・男子の保護者)
●わたしも流行の曲を聞くようにし、娘と音楽についての共通の話題をつくっています。また、歌唱テストの練習につき合い、一緒に歌ったりしています(中3・女子の保護者)

など


「音楽」について、困っているのはこんなこと!

続いてお子さまの「音楽」の教科・授業で困っていることがあるかどうかを伺いました。またその内容もお聞きしています。

【図3 「音楽」の教科・授業で困っていることはありますか?(学年別)】

図3 「音楽」の教科・授業で困っていることはありますか?(学年別)

「子どもの『音楽』の教科・授業で困っている」という保護者は、全体の1~2割程度。多くはありませんが、その割合はお子さまの学年が上がるほど高くなっています。
では、保護者が困っていることとは何でしょうか。次にご紹介します。

◎小学生の保護者が困っていること
●習い事をしている子どもとの差を感じること。うちの子は習い事をしていないんですが、それでも歌はリズムを外さずに歌えるし、鍵盤ハーモニカも弾けると思います。それでも、先生は音楽教室に通っている子どもと比較して、「もう少しがんばりましょう」と評価します。学校以外で「音楽」を習っている子どもを基準に判断することに疑問を感じます(小2・男子の保護者)
●息子の学校では、歌のテストがあります。息子は歌を歌うことが嫌いなので、かなりストレスを感じているようです(小4・男子の保護者)
●楽譜の記号を覚えられないためか、楽器を弾くのが苦手です(小5・男子の保護者)
●子どもはちょうど声変わりの年齢で、高音が出ないと言っています(小6・男子の保護者)

など


◎中学生の保護者が困っていること
●人前で歌を歌うテストがあるそうですが、いつも「恥ずかしくて嫌だ」と言っています(中1・男子の保護者)
●上手に吹けないため、リコーダーのテストをとても嫌がります(中3・女子の保護者)
●「音楽」の成績が上がらないこと。授業は欠席せずに毎回まじめに受け、筆記試験でもいつも90点以上とっているのに、成績は5段階でよくて4、たいてい3です。(中3・男子の保護者)

など


学年・性別を問わず、「楽譜が読めない」「楽器がうまく弾けない」といった声が目立ちました。また「子どもは歌を歌うのが苦手」という保護者も少なくありません。
また、お子さまの性別を反映した声も。男子の保護者からは「変声期で声が出にくい」、女子の保護者からは「体が小さいから大きな声が出ない」「手が小さいから楽器を演奏しづらい」といったことが寄せられました。


6割以上の保護者が、「実技教科」の成績が公立高校入試にどう反映されるかを知らない!

図3では、中3の保護者を中心に、「『音楽』の成績が思わしくなく、高校入試の足を引っ張るのではないか」といった不安の声が聞かれました。確かに、中学生の保護者には気になる点です。しかし、「地域の公立高校入試に、実技教科の成績がどのように反映されるかを知っている」という保護者は、全体の3割強。逆に、「知らない」という保護者は6割を超え、「知っている」保護者の2倍近くの割合に達しています(図4参照)。受験ニュースの高校入試制度・出題傾向や、お住まいの都道府県の教育委員会のページで「入試要綱(項)」などをチェックしてみましょう。

【図4 お住まいの地域の公立高校の入試において、実技教科(国数英理社生活科以外)の成績がどのように反映されるか、ご存じですか?】

図4 お住まいの地域の公立高校の入試において、実技教科(国数英理社生活科以外)の成績がどのように反映されるか、ご存じですか?


実技教科全般で保護者が困っているのは、取り組み方・成績・入試との関係

◎取り組み方について
●うちの子は運動がとても苦手です。やればできると思うんですが、先生と合わないのか、学校の授業ではどうも力が伸びません。そこで、「体育」の家庭教師をつけようかと考えているんですが、そういう経験のあるかたにお話を伺いたいと思います(小5の保護者)
●息子は、どの実技教科も成績が5段階の4止まり。進学させたい公立高校ではオール5に近い内申点が求められるため、中1の今から実技教科対策を立てようと考えています。何かコツがあったら教えてください(中1の保護者)
●実技教科対策に困っています。うちの子は、不器用だし音痴だし絵心はないし、何をどうがんばればよいのかがさっぱりわかりません(中1の保護者)

など


◎成績の評価基準について
●実技教科って、努力よりも才能がものを言うような気がします。それに、評価の基準がいまいちよくわからず、「先生の好みで成績をつけているのでは?」という疑問が頭から離れません(中1の保護者)
●子どもは「体育」が苦手です。それでもやる気はあって、先日も、毎日遅くまで逆上がりの練習をして、できるようになりました。本人の努力は、どの程度「体育」の成績に反映されるんでしょうか(中1の保護者)
●うちの地域の公立高校は、実技教科の成績がかなり合否に影響します。うちの子は実技教科の成績が伸び悩んでいるので心配です。成績が上がるようアドバイスするにしても、子どもの中学校の評価基準がよくわからないから困ります。もっとわかりやすい基準を設けてほしいと思います(中2の保護者)

など


◎公立高校入試との関係について
●入試にどう反映されるのか、まったく知りません。そもそもわたしは、内申点がどのようにつけられるのかも知らないんです。いかに自分が入試の仕組みに無知であるかを思い知らされました。早速、この地域の公立高校入試がどういう仕組みになっているかを調べたいと思います(中2の保護者)
●うちの地域の公立高校は、入試の合否判定で、実技教科の成績を主要5教科の成績と同じくらい重視します。うちの子はどの実技教科も苦手なので、思うような成績を残せませんでした。今さらながら、小さいころから音楽教室にでも通わせておけば、少なくとも「音楽」の内申点だけは上がったのではないかと悔やんでいます(中3の保護者)
●わたしが住む地域の公立高校入試では、実技教科の成績がかなりものを言います。息子は「技術・家庭」は得意なんですが、それ以外の実技教科は苦手で、中3の1学期の成績はかなり悲惨でした。担任の先生から、「この内申点では第1志望校はきびしい」と言われてしまい、困っています(中3の保護者)

など


大半の保護者が、「子どもは『音楽』の授業が好きだ」と捉えていました。楽器を習わせたり、親子でコンサートや演奏会に出かけたりするなど、お子さまが音楽と触れ合う機会を積極的に設けているご家庭も多いようです。
ただ、「『音楽』の授業で困っている」という保護者も、すべての学年に一定数いました。小学生の保護者からは「歌が上手に歌えない」「楽器を思うように弾けない」といった歌唱力・演奏技術に関する悩みが目立ちますが、中学生の保護者からは、高校受験を意識し成績を心配する声が少なくありません。「評価基準がわかりづらい」という不満も聞かれました。

一方、お住まいの地域の公立高校入試に実技教科全体の成績がどれくらい反映されるかについては、「知らない」という保護者が過半数。入試制度についての情報が浸透していないケースが多いことがわかります。
今回は主に「音楽」について見ましたが、次回以降ほかの実技教科についてもご紹介します。


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