ふだんの経験でコミュニケーション力に大きな差が出る?

コミュニケーション力の必要性を感じてはいませんか?
実際に、社会に出て他者とのコミュニケーションの仕方に悩む人も少なくありません。学校でも、社会に出た時に必要となるコミュニケーション力をつけようと、人と関わる力や人の話を聞く力などを重視するようになってきました。
東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所の共同調査では、ふだんの経験でコミュニケーション力に大きな差がつくことがわかってきました。調査結果をぜひご家庭の日々の子育てにも生かしてみてください。

学校でもコミュニケーション力重視の教育に

どのような仕事に就いても人とのコミュニケーションは避けて通れません。一人でできる仕事は限られていて、会社に就職すれば、同僚と対話をしながらプロジェクトを進めるでしょうし、お客様や取引先ともコミュニケーションが必要ですよね。また、より豊かな日常生活を送る上でも、人と上手に付き合うことが必要でしょう。今後、グローバル化や多様化が進む中で、他者と対話する力はさらに求められるようになると予測されます。
こうした社会的な要請もあり、近年、学校でもコミュニケーション力の育成が重視されるようになりました。授業の中で、人と対話しながら学んでいくことが求められるようになったことで、日常生活の中で、どれくらい人と関わる経験を持っているのかがより重要になっていると言えるでしょう。

人と関わる力を高める方法とは?

コミュニケーション力と一言で言ってもいくつかの力に分けることができます。
1つのポイントとなるのは、「人と関わる力」です。どのような経験で子どもたちの「人と関わる力」を伸ばすことができるのか、東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所で調査したところ、「人や地域に関する経験」が関連していることがわかりました。

【図1】「人と関わること」と「人や地域に関する経験」との関連(小学4~6年生)

注1:「人や地域に関する経験」は、子どもにたずねたこの1年間の経験のうち、「地域の行事に参加する(夏祭りなど)」「お年寄りの世話をする(手伝いや介護など)」「ボランティア活動に参加する」「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」という4項目から得点を算出し、「低群」「中群」「高群」に3分割した。
注2:「人と関わること」は、子どもにたずねた得意・苦手に関する質問項目のうち、「リーダーとしてグループをひっぱること」「グループがまとまるように協力すること」「いろいろな人と仲良くすること」の3項目から得点を算出し、「得意群」「普通群」「苦手群」に3分割した。

【図1】の調査結果を見ると、「人や地域に関する経験」が多い子どもは「人と関わること」に自信がある(「得意」)と答える割合が高いことがわかります(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」)。一方で、「人や地域に関する経験」が少ない子どもは、「人と関わること」に苦手意識を持っています。

また、人とのコミュニケーションにおいては、自分の意見を言えるだけではなく、どれだけ「人の意見を聞くことができるか」も重要です。人の意見を吸収することで、自分の思考を広げ、意見を豊かにすることは現代社会を生きていく上で欠かせないことだからです。

【図2】「他者の意見を吸収」する力と「人や地域に関する経験」との関連

注1:「人や地域に関する経験」は子どもにたずねたこの1年間の経験のうち、「地域の行事に参加する(夏祭りなど)」「お年寄りの世話をする(手伝いや介護など)」「ボランティア活動に参加する」「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」という4項目から得点を算出し、「低群」「中群」「高群」に3分割した。
注2:「他者の意見の吸収」は「相手と自分の意見の違いを考えながら人の話を聞く」「人の意見を聞いて自分の考えに取り入れること」の2項目から得点を算出し、「得意群」「普通群」「苦手群」に3分割した。

【図2】からは「人や地域に関する経験」が多い子どもは、「他者の意見を吸収」することが得意だと感じています。しかし、そうした経験が少ない子どもは、「他者の意見を吸収」することに苦手意識を持っています。

今からできる! コミュニケーション力アップの秘訣

【図1】【図2】で取り上げた、「人や地域に関する経験」というと、具体的には、「地域の行事に参加する(夏祭りなど)」「お年寄りの世話をする(手伝いや介護など)」、「ボランティア活動に参加する」、「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」といったものです。
夏休み中は、お子さまが参加できる地域のお祭りやボランティア体験などがたくさんあります。また、お盆などで田舎に帰り、お年寄りと触れ合う機会を得ることもできますね。こうした地域の行事や日頃触れ合うことのできない人たちとの関わり合いに積極的に参加することでお子さまのコミュニケーション力はアップできます。
この夏、様々な活動にお子さまと一緒に参加してみてはいかがでしょうか。

出典:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」(2015年7~8月実施)
http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4848

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