育成・評価教材
ベネッセ教育総合研究所では,思考力の「目標・指導・評価」の指標であるCan-do statements(以下,Cdsと略します)を軸として,思考力の指導と評価の一体化を方針とする教材・アセスメントの開発に取り組んでいます。本ページでは,現在開発中の教材の内容を取り上げます。皆さんが思考力育成の具体的な方法を考える,きっかけとしていただきたいと思います。
各教科の思考力教材(中学生)
思考力の指標であるCds(Can-do statementsを参照)の文言は,特定の教科に依拠しない表現で記述されていますが,私たちが開発する教材は,各教科の学習を通じて,教科横断的に発揮できる思考力を育成することを目的としています。これから紹介する教材は,各教科で出合う問題を解決するための手段・方法として,様々な思考スキル(思考スキルを参照)を具体的にどのように使うことができるのかを明示的に教え,学習者にCdsに示される思考力の目標(できるようになってほしいこと)の達成を目指してもらうことを試みています。各教科の題材を用いながら,汎用的な思考スキルやその具体的な活用の仕方を明示的に教授し,汎用的能力に結びつけようとする手法は,心理学研究で展開されてきた批判的思考力育成研究における「インフュージョンアプローチ」としても知られているものです(Ennis 1989,道田 2015)。
各教科の教材は,「講座パート」と演習である「力試しパート」に分かれています。講座パートで学習した考え方を,力試しパートで確認する,という方法で学習を進めていきます(小野塚・渡邊・泰山 2023)。
【講座パートの概要】
以下に示すのは,中学校数学「文字と式」単元における講座パートの例です。教材の表紙には,その単元の問題に取り組むことを通じて達成してほしい思考力の目標が書かれています。「数学の問題解決を通じて,その思考力の目標を達成することが重要であること」,「そのとき思考スキルが役に立つものであること」を,学習者に明示的に知らせています。この教材では,学習者はただ問題を解くことができればよいのではなく,そこで発揮される思考スキルに目を向け,自分の解答プロセスに省察的な視点を持てるようにすることが期待されています。
各教科の教材は,「講座パート」と演習である「力試しパート」に分かれています。講座パートで学習した考え方を,力試しパートで確認する,という方法で学習を進めていきます(小野塚・渡邊・泰山 2023)。
【講座パートの概要】
以下に示すのは,中学校数学「文字と式」単元における講座パートの例です。教材の表紙には,その単元の問題に取り組むことを通じて達成してほしい思考力の目標が書かれています。「数学の問題解決を通じて,その思考力の目標を達成することが重要であること」,「そのとき思考スキルが役に立つものであること」を,学習者に明示的に知らせています。この教材では,学習者はただ問題を解くことができればよいのではなく,そこで発揮される思考スキルに目を向け,自分の解答プロセスに省察的な視点を持てるようにすることが期待されています。
図1:講座パートの表紙
単元の講座パートの中には,問題・解答解説のセットが用意されています。その中で,この問題を解くにはどのような思考スキルが重要で,それをどのように使うのかを示します(上図1)。
問題部分におけるサンプルを下図2に示します。このとき,汎用的な思考スキルを,「問題解決には『焦点化』が重要だ」と題目のように示すのではなく,内容に即した解説を通じて具体的に理解できるようにする(「画びょうの数を文字で表現するためには,画びょうを仲間分けすることで,考える対象を絞り込むこと,すなわち焦点化することが重要だ」と示す)ことが重要です。これによって,問題解決に対する思考スキルの実際的な有用感を高めることも期待できます。
問題部分におけるサンプルを下図2に示します。このとき,汎用的な思考スキルを,「問題解決には『焦点化』が重要だ」と題目のように示すのではなく,内容に即した解説を通じて具体的に理解できるようにする(「画びょうの数を文字で表現するためには,画びょうを仲間分けすることで,考える対象を絞り込むこと,すなわち焦点化することが重要だ」と示す)ことが重要です。これによって,問題解決に対する思考スキルの実際的な有用感を高めることも期待できます。
図2:講座パートの問題例
講座パートの学習を終えた後,教材の最終ページでは,単元での学習経験がどのような思考力の目標に結びついているのかを説明し,Cdsと思考スキルの価値づけを行います(下図3)。目標達成のプロセスにおいて,思考スキルが役立ったことも併せて伝えます。これによって,思考過程のメタ認知を再度促し,「思考スキルが教科の勉強に役立つものだ」という認識を,学習者の中に形成することを目指しています。
図3:講座パートのまとめページ
【力試しパートの概要】
講座パートと同じ思考力の目標を問う,同じ単元の問題に取り組むことで,講座パートで学習した内容が身についているかを確認する演習用の教材が,力試しパートです。「ゴール問題」と,それに誤答した学習者にとっての足場となる「ステップ問題」を設定しています(図4)。
ゴール問題は,文部科学省「全国学力・学習状況調査」の問題(以下,学調問題と略す)の内容や水準をベンチマークとして作成されており,講座パートの問題よりもやや難易度が高めになっています。ただし,思考スキルの適用方法は講座パートと同様に,単元内容・問題内容に即して提示されているため,学習者が講座パートで学習した思考スキルを適切に習得しているかを中心に,確認することができます。
ステップ問題は,ゴール問題に惜しくも解答できなかった学習者が,ゴール問題の解答に必要な思考スキルの適用の仕方や,その問題文脈の基礎知識などを再確認し,再びゴール問題に取り組むことを促すための問題です。ゴール問題に必要なプロセスをブレークダウンし,典型的なつまずきの「勘所」となる箇所を問う問題に答え,詳細な解答解説を読むことを通じて,ゴール問題の正答への足がかりを得られるようにすることがねらいです。
講座パートと同じ思考力の目標を問う,同じ単元の問題に取り組むことで,講座パートで学習した内容が身についているかを確認する演習用の教材が,力試しパートです。「ゴール問題」と,それに誤答した学習者にとっての足場となる「ステップ問題」を設定しています(図4)。
ゴール問題は,文部科学省「全国学力・学習状況調査」の問題(以下,学調問題と略す)の内容や水準をベンチマークとして作成されており,講座パートの問題よりもやや難易度が高めになっています。ただし,思考スキルの適用方法は講座パートと同様に,単元内容・問題内容に即して提示されているため,学習者が講座パートで学習した思考スキルを適切に習得しているかを中心に,確認することができます。
ステップ問題は,ゴール問題に惜しくも解答できなかった学習者が,ゴール問題の解答に必要な思考スキルの適用の仕方や,その問題文脈の基礎知識などを再確認し,再びゴール問題に取り組むことを促すための問題です。ゴール問題に必要なプロセスをブレークダウンし,典型的なつまずきの「勘所」となる箇所を問う問題に答え,詳細な解答解説を読むことを通じて,ゴール問題の正答への足がかりを得られるようにすることがねらいです。
図4:力試しパートの構造
教科内・形成的アセスメント(中学生)
前述の通り,同じCdsを問う講座パートと力試しパートの単元教材セットを,学習者はその教科の様々な単元で,一定の期間に複数回取り組むことが期待されます。結果,その教科で同じCdsを達成するために,様々な文脈で思考スキルを適用する経験を積むことになるでしょう。私たちは,様々な単元での学習経験を通じて,「その学習者が思考スキルを適切に活用し,問題を解決することができるのか」「教材での学習指導が適切に思考スキルの活用を促すことができていたか」を評価し,指導改善を行うための形成的アセスメントも開発しています(小野塚・渡邊・泰山 2024)。
この形成的アセスメントは,力試しパートと同じようにゴール問題とステップ問題で構成されていますが,最も大きな違いは,指導教材とは異なり,ゴール問題において問われるCdsや思考スキルが明示されないという点です。学習者に思考力の目標であるCdsや思考スキルが示されない,すなわち,どのように考えればよいかが示されない状況で,学習者は設問文や資料に基づいて問題で適用するべき思考スキルを適切に判断し,活用することが求められます。また,形成的アセスメントのステップ問題においては,そこで適用すべき思考スキルや目標となるCdsが示されます。このことで,講座パートや力試しパートの考え方を思い出すことを促し,そのふり返り内容を活かして再度ゴール問題に挑戦することができます。このようなステップ問題を経ても形成的アセスメントにうまく解答できなかった場合には,同じCdsを問う,以前取り組んだ単元教材に戻ったり,まだ取り組んでいない単元教材の新しい問題文脈で思考スキルを適用する経験を積んだりすることによって,必要な考え方を着実に身につけていくことが期待されます。
この形成的アセスメントは,力試しパートと同じようにゴール問題とステップ問題で構成されていますが,最も大きな違いは,指導教材とは異なり,ゴール問題において問われるCdsや思考スキルが明示されないという点です。学習者に思考力の目標であるCdsや思考スキルが示されない,すなわち,どのように考えればよいかが示されない状況で,学習者は設問文や資料に基づいて問題で適用するべき思考スキルを適切に判断し,活用することが求められます。また,形成的アセスメントのステップ問題においては,そこで適用すべき思考スキルや目標となるCdsが示されます。このことで,講座パートや力試しパートの考え方を思い出すことを促し,そのふり返り内容を活かして再度ゴール問題に挑戦することができます。このようなステップ問題を経ても形成的アセスメントにうまく解答できなかった場合には,同じCdsを問う,以前取り組んだ単元教材に戻ったり,まだ取り組んでいない単元教材の新しい問題文脈で思考スキルを適用する経験を積んだりすることによって,必要な考え方を着実に身につけていくことが期待されます。
図5:確認テストの問題例
教科横断・総括的アセスメント(中学生)
これまで説明してきた教材は,各教科内で思考スキルの活用方法を学習し,それを新たな文脈で活用できるかを確認するための教材でした。それに対して総括的アセスメントは,各教科でCdsを達成するための学習経験を積んできた学習者が,教科横断的に発揮できる思考力を身につけたかを確認するための教材です。総括的アセスメントでは,必ずしも特定の教科に依拠しないような現実世界の問題解決場面において,教科の学習を通じて理解を深めてきた思考スキルを総合的に活用し,問題解決ができるかを問うことになります。
渡邊・小野塚・野澤・泰山(2023)では,実際にいくつかのCdsを問う総括的アセスメントの問題項目を開発し,その問題の妥当性を量的・質的側面で検証することを試みています。例えば以下の問題(図6)は,22項目ある思考力の目標のうち 「情報や事象を比較したり,関係づけたりすることができる」という目標を問うものとして設計されました。野球の優勝決定戦で勝利・敗北したそれぞれのチームの立場から試合の内容を特集した2つの新聞記事を読み比べ,その内容を統合することが求められています。画像に示された大問設問文にひもづくかたちで,「比較する」スキルを発揮して,2つの記事を読み比べて共通点や相違点を探す小問や,さらに「関係づける」スキルを発揮して,同様の事象に関して記事同士で相互に異なる書き方がされた記述を見つけ,その情報を統合することで事象の理解を求める小問が用意されました。
研究では,中学生にこれらの問題に取り組んでもらい,思考発話インタビューを通じて「比較する」「関係づける」スキルが発揮されていることを確認しています。
渡邊・小野塚・野澤・泰山(2023)では,実際にいくつかのCdsを問う総括的アセスメントの問題項目を開発し,その問題の妥当性を量的・質的側面で検証することを試みています。例えば以下の問題(図6)は,22項目ある思考力の目標のうち 「情報や事象を比較したり,関係づけたりすることができる」という目標を問うものとして設計されました。野球の優勝決定戦で勝利・敗北したそれぞれのチームの立場から試合の内容を特集した2つの新聞記事を読み比べ,その内容を統合することが求められています。画像に示された大問設問文にひもづくかたちで,「比較する」スキルを発揮して,2つの記事を読み比べて共通点や相違点を探す小問や,さらに「関係づける」スキルを発揮して,同様の事象に関して記事同士で相互に異なる書き方がされた記述を見つけ,その情報を統合することで事象の理解を求める小問が用意されました。
研究では,中学生にこれらの問題に取り組んでもらい,思考発話インタビューを通じて「比較する」「関係づける」スキルが発揮されていることを確認しています。
図6:総括的アセスメントの問題例
汎用的な思考力を問うアセスメントは,研究や商品・サービスを通じて,複数の枠組みや尺度が提案されてきましたが,私たちベネッセ教育総合研究所が開発中の総括的アセスメントが最も特徴的なのは,実践場面での活用を念頭に置き,問題で問う構成概念を指導枠組みでもある思考力Cdsと同じものを規準としている点だと言えます。実践場面では,Cdsの特定の能力記述文を目標として各教科での学習活動が進められますが,同じCdsに基づく評価問題を用いることでその学習成果を教科横断的視点で評価することができるようになります。特定の能力記述文を焦点化したアセスメントの結果は,様々な教科の指導を通じて教科横断的に育成された思考力の到達状況を可視化し,学習者の得意・不得意に応じて教科内での指導を個別最適に調整するための重要な情報源となります。
育成・評価教材開発の全体像・展望
学習者の視点に立ったとき,そもそも「思考スキル」や「Cds(思考力の目標)」という考え方自体にあまりなじみがないことが考えられます。そこでベネッセ教育総合研究所では,思考力育成・評価教材の位置づけを学習者に伝えるための導入教材も併せて作成しています。
例えば,下図7では教材のねらいや思考力の目標を一覧化しています。目標を達成するために,思考スキルを活用することが大事であるという基本コンセプトを,言葉によって伝えています。
例えば,下図7では教材のねらいや思考力の目標を一覧化しています。目標を達成するために,思考スキルを活用することが大事であるという基本コンセプトを,言葉によって伝えています。
図7:学習者への教材説明(思考力の目標一覧)
他にも,「道具としての思考スキル」と「目標としての思考力Cds」の関係をより直感的に理解できるようにするために,いくつかのCds能力記述文を取り上げ,その内容をマンガで解説しています(下図8)。思考スキルを体現した「思考スキルネコ」の手引きによって,自分自身が具体的な問題場面でどのように思考スキルを活用し,思考力の目標を達成し,問題解決に至ることができるのかが分かる,つまり問題解決のプロセスをおおまかに見通せるようになることを試みています。
このようにして,国語や数学といった各教科の教材に取り組む前でも,アセスメントに解答したあとのふり返りの時間でも,学習者が教材のそもそもの位置づけである「思考力Cdsとは何か?」「思考スキルとは何か?」「思考スキルという道具と,Cdsという目標にはどんな関係があるのか?」を確認できるようにしています。
このようにして,国語や数学といった各教科の教材に取り組む前でも,アセスメントに解答したあとのふり返りの時間でも,学習者が教材のそもそもの位置づけである「思考力Cdsとは何か?」「思考スキルとは何か?」「思考スキルという道具と,Cdsという目標にはどんな関係があるのか?」を確認できるようにしています。
図8:思考力Cdsを説明する
これまで,「教科や教科横断的な文脈において思考スキルという道具を活用して,思考力Cdsに示される目標を達成・評価するための学習教材」を紹介してきました。私たちがこれらの教材を学習者や先生方に提供することで目指しているのは,どのような学習環境にある学習者であっても,各教科の学習を個人の学習状況に適した形で進めることで,教科横断的に思考力を習得し,適切に発揮して,現実社会の問題解決ができる状態を促し,支えることです。
思考力育成の指標であるCdsを軸として,学習・指導・評価(アセスメント)を一体化することで,アセスメントの結果に基づくフィードバック情報が,学習や指導の改善に利用しやすくなると考えています(図9)。
思考力育成の指標であるCdsを軸として,学習・指導・評価(アセスメント)を一体化することで,アセスメントの結果に基づくフィードバック情報が,学習や指導の改善に利用しやすくなると考えています(図9)。
図9:思考力Cdsを軸とした学習・指導・評価の一体化のイメージ
学習者の主体的なフィードバック活用に関する研究
アセスメントを用いて学習改善を進めるためには,その結果が学習者に適切にフィードバックされる必要があります。教員を始めとする学習指導者が,学習者個人に適した形で結果の情報を加工し,わかりやすく伝達することが重要ですが,ただ情報を伝えるだけではフィードバックは確かなものとはなりません。なぜならば,学習指導者が時間をかけて工夫して伝えたフィードバックであっても,学習の主体である学習者自身がその情報を利用しなければ,学習改善は進まないからです。フィードバックが十分な効果を持つためには,学習指導者側の工夫に加え,学習者が自らの意思でそのフィードバック情報を探し求め,理解し,用いることで効果的な行動を強化するとともに,誤りを認識・修正し,教訓を得ること(e.g. Learning from errors; Metcalfe 2017)が必要です。つまり,フィードバックが十分に効果を発揮するためには,学習指導者と学習者それぞれがその活用において役割を果たす必要があるのです(下図10)。
ベネッセ教育総合研究所では,学習のための形成的評価を浸透させていくため,学習者のフィードバック活用プロセスを理解し,その個人差を前提にフィードバックを設計したり,また学習者によるフィードバック活用プロセスを支援したりしていくことが必要と考え,いくつかの研究に着手しています。詳しくは下記ページをご覧ください。
ベネッセ教育総合研究所では,学習のための形成的評価を浸透させていくため,学習者のフィードバック活用プロセスを理解し,その個人差を前提にフィードバックを設計したり,また学習者によるフィードバック活用プロセスを支援したりしていくことが必要と考え,いくつかの研究に着手しています。詳しくは下記ページをご覧ください。
図10:学習フィードバックが効果を発揮するための学習者と指導者の役割に関するイメージ
文献情報
- Ennis, R. H. (1989). Critical Thinking and Subject Specificity: Clarification and Needed Research. Educational researcher, 18(3), 4-10.
- 道田泰司(2015).批判的思考教育の技法 楠見孝・道田泰司(編)ワードマップ批判的思考——21世紀市民のためのリテラシーの基盤——(pp.100-105) 新曜社
- 小野塚若菜・渡邊智也・泰山裕(2023).中学生の思考過程を把握する問題の作成と妥当性の検討—思考発話法に基づく解答過程の調査から— 日本教育工学会研究報告集, 2023(1), 17-23. https://doi.org/10.15077/jsetstudy.2023.1_17
- 小野塚若菜・渡邊智也・泰山裕(2024).思考力の形成的アセスメントの解答過程に基づく単元教材における思考スキルの明示的な指導の影響の考察 日本教育工学会2024年秋季全国大会(第45回大会)講演論文集, 175-176.
- 渡邊智也・小野塚若菜・野澤雄樹・泰山裕(2023).教科横断的に育成される思考力の測定に向けたアセスメント開発—内容領域の設定ならびに項目の作成・評価— 日本テスト学会誌, 19(1), 155-176. https://doi.org/10.24690/jart.19.1_155
- Metcalfe, J. (2017). Learning from Errors. Annual review of psychology, 68(1), 465-489. https://doi.org/10.1146/annurev-psych-010416-044022